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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第1部第3章 異世界エルードの「真実」

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第20話 森の中の、「邂逅」と「再会」


 「この世界の、本当の神様に会わせてあげる」


 そう言われて、春風はレナと共に森の中へと入った。


 森の中は薄暗く、今にも何かが出て来そうな雰囲気を出していたが、不思議な事に何故か恐怖は感じなかったので、春風は黙ってレナについていった。


 それから暫くの間、2人は森の中を歩いていると、レナが急にピタッとその場に立ち止まったので、春風もそれにつられてその場に立ち止まった。


 そして、


 「うん、この辺りでいいね」


 と、レナは小さくそう呟くと、周囲を見回しながら、


 「オーイ、みんなぁ! 出ておいでぇ!」


 と叫んだ。


 突然のレナの行動に、


 (え、な、何、どうしたの!?)


 と、春風が驚いていると、次の瞬間、周囲の木々の後ろから、赤や青、緑、オレンジ色に輝く幾つもの小さな光の粒が現れて、レナのもとへと集まってきた。


 「あ、あの、レナさん? ()()()は一体どちら様ですか?」


 と、春風が困惑した様子でレナにそう尋ねると、レナはにこりと笑って、


 「心配しないで、この子達は『精霊』。私の『友達』で、『家族』なんだ」


 と、笑顔で春風に向かってそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「は、はぁ。そうですか」


 と、春風は少し警戒しながら納得の表情を浮かべると、


 「『家』への扉、お願い」


 と、レナは「精霊」と呼んだ光の粒達に向かってそう頼んだ。


 すると、精霊達は「わかった!」と言わんばかりに上下に動き、次の瞬間、皆、一斉に激しく光り出したので、春風は思わず、


 「うわっ! 眩しい!」


 と、両腕で顔を覆った。


 やがて光が弱くなってきたので、春風は前を見ようと恐る恐る目を開けると、目の前に白い「扉」があった。


 (な、何だこの扉? さっきまではなかったのに……)


 と、春風が怪しいものを見るかのような表情になると、


 「こっちだよ。ついて来て」


 と、レナはそう言って、その白い扉を開くと、その向こうへと入っていった。


 それを見た時、春風はハッとなって、


 「ま、待ってください!」


 と、すぐにレナを追って扉を潜った。


 「うわ、何ここ?」


 扉の向こうはまた森の中だったが、先程までレナと歩いていた森の中とは雰囲気が違っていた。


 何処か神秘的なものを感じさせるその場所に見惚れていると、


 「こっちこっち!」


 と、少し離れた位置でレナが呼んでるのが見えたので、春風はすぐに彼女のもとへと駆け出した。その後、2人は合流すると、再びその場から歩き出した。


 それから少し歩いていると、2人は大きな湖の前に出た。


 「ほら、あそこだよ」


 と、レナがとある方向を指差しながらそう言ったので、春風は「ん?」とその方向を見ると、そこには一軒の木造の家があった。


 そして、その木造の家の前に着くと、


 「お母さん、レナだよぉ」


 と、レナはその家の扉をとんとんとノックしながら言った。


 すると、


 「ハーイ、今出るからねぇ」


 と、扉の向こうから幼い少女のものと思われる声がしたので、春風は思わず、


 「……え?」


 と首を傾げていると、ギィッという音を立てて扉が開かれて、その向こうから1人の「少女」が現れた。


 東洋の民族衣装を思わせる衣服に身を包み、まるで真昼の「太陽」を思わせるかのような長い金髪と金色の瞳を持つ、見た目的に10歳から12歳くらいに見えるその少女は、


 「おかえりなさい、レナ」


 と、レナに向かって穏やかな笑顔でそう言うと、


 「ただいま、()()()()


 と、レナもニコッと笑って、少女の事をそう呼んだので、春風は思わず、


 「ハァッ!? お母さん!?」


 と、驚きの声をあげたが、


 「……いや」


 と、すぐに真面目な表情になって、その「お母さん」と呼ばれた幼い少女の前に立つと、ゆっくりとその場に跪き、顔を下に向けて


 「失礼しました。お初にお目にかかります。俺……いえ、自分は異世界『地球』より来ました、雪村春風と申します。無礼を承知でお聞きしますが、『太陽と花の女神ヘリアテス』様ですね?」


 と、丁寧な口調で自己紹介しながら尋ねた。


 すると、


 「……そんな風に呼ばれたの、久しぶりね」


 と、少女は笑ってはいるが、何処か悲しそうな表情でそう呟くと、


 「そうです。私の名前は、ヘリアテス。この世界『エルード』の『太陽』と『花』を司りし女神(おんな)。といっても、今は『邪神』なんて呼ばれてますけどね」


 と、少女ーー否、「太陽と花の女神ヘリアテス」はそう名乗った。


 その言葉を聞いて、春風はゆっくりと顔を上げると、

 

 「あの、大変失礼を承知でお願いしたい事があるのですが、よろしいでしょうか?」


 と、ヘリアテスを見て再び尋ねたので、


 「ええ、構いませんが何でしょうか?」


 と、ヘリアテスが返事すると、


 「お手を拝借させて欲しいのです」


 と、春風はヘリアテスに向かってそうお願いした。


 それを聞いて、隣のレナは「へ?」と首を傾げたが、ヘリアテスは何かを察したのか、


 「どうぞ」


 と言って、春風の前にスッと自身の右手を差し出したので、


 「では、ちょっと失礼します」


 と言って、差し出されたヘリアテスの右手に触れた。


 次の瞬間、ズボンのポケットから、ジリリリと大きな音が鳴ったので、春風はすぐにポケットに手を突っ込み、そこから音の発生源を取り出した。


 それは、この世界に来る前に春風がスキルで作った、「見習い賢者の魔導スマートフォン」だった。


 (何で、急に音が?)


 と思って、春風は魔導スマートフォンーー以下、魔導スマホの画面を見てみると、


 (……あ)


 そこには、とある方の名前が表示されていたので、春風は急いで魔導スマホを操作し、 


 「も、もしもし」


 と呟いた。


 すると、


 「春風君、私を呼んで」


 という女性の声がしたので、


 「え、『呼んで』ってどうすればいいんですか?」


 と、春風がそう尋ねると、


 「大丈夫。そのスマートフォンを空にかざすだけでいいんだから」


 と、女性は「フフ」と笑いながらそう答えたので、春風はその言葉に従うかのように、魔導スマホを空にかざした。


 次の瞬間、魔導スマホの画面に大きな「魔法陣」のようなものが描かれて、そこから白いワイシャツと青いジーンズ姿の長い黒髪の女性が現れた。


 「え、な、何!? なんか人が出て来た!?」


 と、突然目の前に現れた女性を見て驚くレナを他所に、


 「ありがとう、春風君」


 と、女性は春風を見て笑顔でそう言うと、


 「数時間ぶりです、アマテラス様」


 と、春風はその女性ーーアマテラスに向かってそう返事した。


 その後、アマテラスは「フフ……」と小さく笑うと、ヘリアテスの方を向いて、


 「久しぶりね、()()()()()()


 と、笑顔でそう言うと、


 「お、お久しぶりです、アマテラス様」


 と、ヘリアテスは怯えるようにプルプルと体を震わせながらそう返した。



 


 


 


 

 

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