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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第3部第1章 開幕、祝勝会

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第12話 「悪魔」達の答え

 今回は少し短めの話になります。


 「あなた達は……本気でラディウス様達を殺すのですか?」


 と、春風とレナに向かってそう尋ねたジェフリー。その質問が出た瞬間、謁見の間が重苦しい空気に包まれた。


 その場にいる者達全員が春風とレナを見守る中、先に答えたのは……レナだった。


 「ええ、殺すわ。それで、お父さんとお母さんの力を取り戻せるなら」


 その答えを聞いて、ジェフリーは表情を強張らせた。今にもレナに向かって殴りかかるのではないかと周囲の人達は心配したが、


 「……っ」


 意外な事に、ジェフリーはグッと拳を握りしめる事で、どうにか冷静になっていった。


 その後、ジェフリーが視線をレナから春風へと移したので、それに合わせて周囲の人達も春風に視線を向けた。


 それを受けて、春風は思わず「うっ!」と唸ったが、すぐに深呼吸して気持ちを落ち着かせると、


 「出来る事なら、殺したくはありません。この世界の住人達から『信仰』を奪うつもりはありませんから」


 と、真っ直ぐジェフリーを見ながらそう答えた。


 その答えにジェフリーが大きく目を見開く中、春風は話を続ける。


 「ですが、彼らを許さないという想いはありますよ。何故なら、彼らは俺と勇者達の故郷を危険に晒したんですからね。なので、俺は連中を思いっきりボコボコにした後、故郷である『地球』の神々に裁いてもらおうと考えてます」


 「裁く?」


 「はい。こう言うのも変な事だとは思ってますが、この世界の住人……もっと言えば教主さんにとっても、彼らは『神様』なんですよね? でしたら、『神様』を裁けるのは『神様』だけだと思います」


 『っ!』


 真っ直ぐジェフリーを見てそう話した春風の説明を聞いて、ジェフリーだけでなく周囲の人達までもが「た、確かに……」と、更に目を大きく見開いた。


 その後、


 「あー。確かにそうだよなぁ」


 「うむ、確かにそうかもしれないな」


 と、ヴィンセントとウィルフレッドがそう呟くと、


 「あぁ最後に言いたい事がありました」


 と、春風がハッとなったので、ジェフリーを含めた周囲の人達が「ん?」と首を傾げると、


 「俺、教主さんにやってほしい事があるんでした」


 と、春風は笑顔でそう言ったので、それを聞いたジェフリーは「な、何ですか?」と首を傾げると、


 「ユメちゃんに美羽さんに水音、それと先生やクラスのみんなに、『爆散の腕輪』をつけさせようとした事を謝ってください」


 と、春風は真っ直ぐジェフリーを見ながらそう言った。

 

 その言葉を聞いて、


 「え、待ってフーちゃん。フーちゃんの事は良いの?」


 と、歩夢が恐る恐るそう尋ねてきたので、


 「ん? 俺の事?」


 と、春風が首を傾げながらそう尋ね返した。


 それを聞いて、


 「いや、春風君、ルーセンティア王国の王城で殺されそうになったでしょ?」


 と、今度は美羽がそう尋ねてきたので、それを聞いた春風は「え?」と首を傾げた後、


 「あー、あの時かぁ」


 と、ルーセンティア王国の王城で騎士達に殺されそうになったり、


 ーーそこにいる、『勇者』になれなかった不届きなはみ出し者を抹殺するのだぁ!


 と、ジェフリーがそう罵ってきた時の事を思い出した。


 普通なら、ここで怒りをあらわにするだろうとその場にいる誰もがそう感じたが、


 「ああ、俺の事は良いの。あの日の事なら、俺が原因なんだしさ」


 と、春風は特に怒ってる様子もなく、寧ろ逆に何処か申し訳なさそうな感じになったので、


 『え、えぇ?』


 と、周囲の人達は盛大に頬を引き攣らせた。


 そんな状況を見て、ジェフリーが「あ、あの……」とオロオロしていると、


 「という訳で教主さん、お願い出来ますか?」


 と、春風がそう頼み込んできたので、ジェフリーは「え? あ……?」と最初は戸惑ったが、すぐに首をブンブンと横に振るって、先程春風がしたように深呼吸すると、


 「……そうですね」


 と呟いて、歩夢や水音達に視線を向けると、


 「勇者様方、フロントラルでは皆様に大変酷い事をしてしまい、誠に申し訳ありませんでした」


 と、深々と頭を下げながら謝罪した。


 

 

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