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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第3部第1章 開幕、祝勝会

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第11話 「ジェフリー・クラーク」という男


 五神教会教主、ジェフリー・クラーク。


 教会の幹部である両親の息子として生まれた彼は、幼い頃よりその両親から、自分達が崇める五神ーーラディウス達がどれほど素晴らしい存在なのか教わってきた為、彼は両親と同じようにラディウス達を崇め、敬愛するようになった。


 そして、15歳ーー成人となったその日、ジェフリーは「神官」の上位職能である「司祭」の職能を授かった事で、更にラディウス達を崇めるようになり、それが周囲に認められたのか、彼は五神教会の教主となった。


 それ以来、ジェフリーは教主として恥じないように振る舞いつつ、ラディウス達への信仰も更に深めていったので、いつしか彼はラディウス達の為ならどんな事だってやっていった。


 それが、たとえ()()()()()()だとしても、だ。


 それら全ては自身が崇め、敬愛するラディウス達の為だと信じてはいたが……現在、ジェフリーの中でその想いが揺らぎ始めていた。


 ストロザイア帝国帝城内、謁見の間。


 「……」


 ヴィンセントから「全ての事情」を聞いて、ジェフリーは難しそうな表情をしていた。


 当然だろう。何せ、ラディウス達から授かり、「世界」を救う為に行った「勇者召喚」の所為で、この世界だけじゃなく召喚した勇者達の故郷までもが消滅の危機に陥り、更に春風とレナが、予言に出てくる「神を滅ぼす悪魔」だという事実を知ってしまったのだから。


 無言で立ち尽くしているジェフリーを見て、


 (う、うーん。これ、どう声をかけたら良いんだ?)


 と、春風が困った表情になっていると、


 「……ヴィンセント陛下。今あなたが仰ったのは本当の事なのですか?」


 と、ジェフリーがヴィンセントに向かってそう尋ねてきたので、


 「ああ、信じられないと思うだろうが、全て事実だ」


 と、ヴィンセントはハッキリとそう答えた。


 その答えを聞いて、ジェフリーが「そうですか」と表情を暗くしながら呟くと、


 「く、クラーク教主……」


 と、心配そうな表情のウィルフレッドが声をかけてきたが、


 「待て、ウィルフ」


 と、ヴィンセントがそれに「待った」をかけてきたので、ウィルフレッドは黙って後の発言権ヴィンセントに譲った。


 その後、


 「随分と落ち着いてるな」


 と、ヴィンセントがそう話しかけると、ジェフリーは暗い表情で口を開く。


 「勿論、ショックは受けてますよ。ただ……」


 「?」


 「何故でしょうか。ラディウス様達に対する信仰心や敬愛が少なくなっているのです。いや、もしかしたら殆ど残ってないのかもしれません」


 と、ジェフリーはそう言うと、最後に「はは……」と悲しみに満ちた笑みを浮かべた。


 それを見て、春風だけでなくウィルフレッド達までもが「え?」と声をもらすと、


 「そりゃアンタ、()()を知っちまったからだろうな」


 と、ヴィンセントがジェフリーに向かってそう言ったので、


 「……本物……ですか?」


 と、ジェフリーが暗い表情のままそう尋ねた。


 その質問に対して、ヴィンセントは答える。


 「そうさ。アンタはここに来る前、異世界の神々から冗談抜きで『神の怒り』と『神の裁き』受けて、ここに来る直前まで自分達が『邪神』と呼んでた存在を思いっきりモフモフしてたんだからな。まぁ、それが直接の原因かどうかは俺も自信がねぇよ。ただ、さっきも言ったようにアンタはあの出来事で『本物の神』というものを知っちまった。それなら、アンタの中で何かが変わっちまってもおかしくねぇと思うぜ」


 ヴィンセントのその答えを聞いて、ジェフリーは更に表情を暗くし、それを見て春風達が若干オロオロしていると、


 「邪神……いや、『月光と牙の神ループス』と、『太陽と花の女神ヘリアテス』」


 と、ジェフリーがループスとヘリアテスを『邪神』ではなく『本来の呼び名』で呼んだので、


 「……何だ?」


 「……何でしょうか?」


 と、2柱が同時に返事すると、


 「あなた方は、今もラディウス様達が許せませんか?」


 と、ジェフリーが再び暗い表情のままそう尋ねてきたので、2柱は「あ……」と声をもらしたが、


 「ああ、今だって連中は許せねぇよ」


 「ええ、そうですね」


 と、真っ直ぐジェフリーを見てそう答えた。


 その答えにジェフリーが「そうですか」と呟くと、

 

 「レナ・ヒューズ。そして、雪村春風」


 と、今度は春風とレナに声をかけてきたので、


 「な、何よ」


 「何ですか?」


 と、2人がそれに返事すると、


 「あなた達は……本気でラディウス様達を殺すのですか?」


 と、ジェフリーは2人に向かってそう尋ねた。



 


 

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