その84、他種族魔法少女いっぱい
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<――本日午前9時頃、A地区に発生したモンスターが、Bランク魔法使いによって駆除されました。その迅速な動きに――……>
ニュースでは、活躍した蛇塚ラブ子のことが大きく取り上げられている。
ラブ子の投擲攻撃によって倒される魔女狩りの映像も、バンバン流れていた。
空中を泳ぐように駆け、魔法を操る。
その姿は、まさに魔法少女だった。
さて、状況だが……これはもう完全にはアニメでは見なかった光景だ。
今後はアレだろうか、私が楽できるということでいいんだろうか?
あれこれ考えつつ、私はニュースサイトを巡っていた。
どうやら、他種族の魔法使いは彼女一人ではないようだ。
北海道では、白熊獣人の魔法使い。
沖縄では、有翼獣人。大阪ではドワーフ。中部地方にはエルフ。九州にはトロル。
トロルと言えば、妖精とか巨人とか色々だけど……。
ファンタジーものでは、巨人系が多いな。
某古典名作でも、粗暴なでかい怪物という扱いだったし。
が、この世界におけるトロルは――
青い髪に、青い瞳の美しい人型種族のようだった。
調べてみると、水辺で暮らしてきた種族で、水関係の技術や魔法が得意とか。
他にも、ヴァンパイアとかアラクネ、コボルトなんかもいるようだ。
彼女らは普通に魔女狩りを倒せるので、まあ、問題はない。
しかし、害獣駆除、下手すれば国防を完全に外注するようなもんだからな。
野党もそのへんをつっついて、揉めてらしい。
これで他種族との関係が良ければ、まだいいけど。
例の『世界間航行規定法』で、異世界との交流は困難になっている。
もっとも人間と親和的だったのは、サキュバスだが――
彼女らは厳格に入国が制限されてしまっていた。
「こんな状態なら、サキュバスの入国制限を解くべきではないか?」
そう主張する政治家もいるようだ。
だが、
「彼女らが日本に来れば、性的搾取を受ける危険性が高いので了解できない」
と、与党の大物は語っている。
それ、逆じゃないのか?
サキュバスこそが、人間の男性を文字通り食い物にする種族なのだ。
もっとも、喰われるほうもけっこう素敵な気分らしいが。
現代与党の魔女党は、あくまで他種族の魔法使いを例外として扱いたい。
……らしい。
調べれば調べるほど、人間と他の種族と魔法格差は大きい。
エルフやダークエルフは圧倒的。
獣人などトロルなどは身体能力も含めて、でっかい格差が。
うちにきたラミアの蛇塚にしても、強力なものを感じた。
映像を確認しても、どれだけ戦えるかわからない。
戦うなんて選択肢はしたくない相手だ。
本来ならば、もっと積極的に異世界の魔法を学ばねばならないはず。
なのに、現状は内側に閉じこもって、他種族を拒む。
異世界の種族は、色々いるけどされほど付き合いにくいわけではない。
種族によっては、地球の外国人よりもはるかにマシな相手だ。
私も多少エルフやドワーフと接したことがあるから、わかるのだけど。
でも、それをしないのは、現状の魔法使い特権が失われるからだろう。
女性だけが魔法を使える。
その特権と仕組みをどうしても維持したいのが与党らしい。
これでは、この先どうなることやら……。
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