その75、この世界はモンスターだらけか?
ヒーローのお悩み回?
事情聴取を受けた田中くんは特に何もなく帰ってきたようだ。
ただ、近所を警察がウロウロしてるので、もっぱら家でトレーニングしているとか。
そして、魔女狩り以外のモンスター出現は相変わらず続いている。
だが、それ以上に――
「妖怪天国か、ここは……」
ネットの情報を検索しながら、私はため息。
目に見える数字や形で、妖怪の出現が増えている。
青森にはがしゃどくろが出現して、被害者・犠牲が多数。
巨大な骸骨の姿をした妖怪で、極めて攻撃性が高い。
近隣から応援を得て、ようやく退治したようだ。
日本海に面するある県では、牛鬼が目撃された。
牛と蜘蛛を合成したような、こちらも巨大で凶暴な種である。
これは退治ならず、ようやく海に追い返した程度。
また、ある港町では、多数の海難法師が上陸してきた。
これが外見は歩く水死体という、極めてグロテスクな妖怪だ。
むしろ、ゾンビというべきか。
本体はクラゲと蛸の合成生物みたいな妖怪で、これが水死体に寄生して活動する。
仲間を増やそうとする習性があり、大勢が海に引き込まれた。
北海道では、巨大なヒグマ型の妖怪が出ている。
体長10メートルはあり、口から妖気の炎を吐く怪獣みたいなヤツ。
こいつは自衛隊が出張って、退治した。
他には、大小の妖怪があちこちに出現して、警報が出る始末。
どうやら、魔女狩りに影響されて、全体的な活動が活発になっているらしい。
そのせいであろう。
「魔法少女同好会を、お願いしまーす! 新入部員、募集中です!!」
坂本ゆみかと中岡稲見は、ポスターを張ったりビラをまいたりして活動中。
朝や放課後は妖怪退治に駆け回っているらしい。
もっとも、これは彼女らだけのことでもなかった。
小さい部分から何とかしよう! というわけか。
他でも、小妖を駆除するボランティアなどが活動している。
確かに他の天災と違って、小さいうちに芽を摘んでおけば、将来の被害は減らせるか。
ま、理屈の上では。
けど、松上少年曰く――
「すでに、大型の妖怪は成長して、今もどっか潜伏している状態でしょうなあ」
病気で言うなら、すでに感染している状態なのだ。
だから、今さらジタバタしても妖怪の被害はそう簡単になくなるまい。
メディアなどでは、魔女狩りよりもむしろ妖怪のほうに注視している。
妖怪は数はどうあれ、女の魔法使いで対処できる存在だから、か?
しかし、別に魔女狩り自体が減っているわけでもない。
<A県に2体出現。B地区に出現。Hに出現。Zに出現……>
一度探知魔法の精度を上げた結果、ノイローゼになりそうになった。
すでに、私の個人的努力でカバーできる範囲は越えてしまったのだ。
警察の動きも迅速になっている。
だが、今のところ倒せたという話はない。
犠牲者も出て、逃げられただけ。
……これで、いいのか。
自分の生活を犠牲にしてまで、魔女狩りと戦う意味はあるか。
倒さねば増える一方だし、大量発生したら終わりだ。
いや、すでにその段階にある。
とはいえ、駆けずり回ればいいわけでは、決してない。
そんな袋小路的思考に陥っていた矢先――また、出現報告がきた。
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