その63、新ヒーロー参上!?
ポイント増えたり、減ったり、また減ったり。
「きゃああああああああああああ!!?」
空中を飛ぶFÅ部員が、いきなり動きを止めてもがき出す。
やはり、敵は見えない。
見えないが、いくらか予測などはできた。
私はワンドを振るい、これはと思われる空間に魔法を放つ。
途端に真っ黒い液体が噴き上がり、巨大な怪物の影が見えた。
それと同時に、FA部員はふらふらと着陸していく。
やがて、部員に巻きつく粘液まみれの黒いものが露わに。
「ああ。やっぱり、あのカメレオンの舌か……」
私はため息を吐き出して、すばやく体育館を出る。
外は、集まってきた教師や警備員でいっぱいだった。
場は完全に混乱している。
遠くでは生徒たちがギャンギャンとヒステリックに騒いでいた。
考えてみれば、最初の魔女狩り以来二度目の襲撃か。
ともかくグズグズもできまい。
私はトイレに駆け込み、いつもの変身。
今度は近いからワープも魔力が少なくてすむ。
戻ってみると、逃げ遅れたのか数人のFA部員が空中で捕まっていた。
ボヤボヤしているうちに、下へ引っ張られていく。
多分、その先はカメレオンの口の中だ。
私は急いで飛び、引っ張られる部員を見えない舌からもぎとった。
また一瞬カメレオンの姿が見えるが、やはりすぐ消えてしまう。
と、思っていると、また部員が捕まった。
まずい……。
これでは、後手後手に回ってむざむざ目の前で喰われてしまう。
どうにか、カメレオンを捕まえたいが、向こうは逃げるばかりだ。
私をやり過ごして、とにかくFA部員を喰いたいらしい。
カメレオンにとっては、味が良いのだろうか?
<感覚補助――>
視力や聴力を強化してみるが、やはり見つけられない。
「くそっ……!」
私が思わず舌打ちを漏らした時――
「お困りのようですね」
いきなり、後ろから声がした。
振り向くと、黒装束に黒マント。そして真っ黒な仮面をつけた怪人が立っている。
外見ほぼ特撮ヒーローの私が言うこっちゃないが、ものすごく怪しい。
「僕が隙を作るので、あいつを捕まえてください」
「なに?」
「頼みましたよ?」
黒仮面はいきなり言い出すと、手のひらから魔法陣を展開。
と、いきなり強い衝撃波が周辺に飛んだ。
私も一瞬ひるむが、それよりも――
「見えた!」
複数に枝分かれした長く不気味な舌。
黒い巨大なカメレオンの姿。
私は一気に加速して、カメレオンの上に飛び乗った。
そのまま、上から拳を打ち込んでいく。
敵はすぐに見えなくなるが、今度はしっかり捕まっているのだ。
しかし、カメレオンは意外にタフで、多少殴ったところでひるまない。
「協力感謝!」
例の黒仮面がまた叫び、何かの魔法を見えないカメレオンに撃ち込んだ!?
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