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その297、コンニャクではない



「魔法の世界から来た変身ヒーローとか面白いと思ったんだが……。残念だ」



 あんまり残念でもなさそうに女神は言った。



「そんなモンになる気もないし、行く気もない!」


「しょうがないか。じゃあ、私も向こうに行くよ」



 女神は手を振って、背を向ける。



「……すると、どうなるわけ」


「さあ。まあなるようになるんだろうさ。前にも言ったが、この世界にいる神は私だけじゃあないんだ」


「……」


「じゃあね」



 そして、また元に戻った。普段の学校だ――


 なるようになる、か……。



 そしてまた、学業とあちこちの手伝いを兼ねる多忙な日が続いた。


 周りはあれこれとかしましい。



 家のお小遣い以外に、入ってくるお金を増えたけど、使う時間もない。


 健康に気をつけねばならないので、グルメというわけにいかないのだ。


 毎日カロリーだの何だのを気にする日々である。



 やがて夏休みに入ると、親にいろんな場所に連れて行かれるように。



 レジャーではない。


 色んなパーティーへの参加であった。



 様々な人に挨拶したり、お世辞を言うことになってしまう。


 これもまた令嬢とかの役目であろうか、とのん気に思っていたが。



「こ、婚約?」


「まだ正式じゃないけどね」



 母から聞かされたことは寝耳に水であった。おいおい……。


 企業関係のパーティーで何度かあった某企業の令息。



 やや愛想がなかったが、スラッと背の高い美丈夫だった。


 それが家の関係から、そういうことになっていると言われたのである。



「あの、まだ高校生なんですけど……」


「こういうのは早いうちがいいと思ってね。それに、あなた見てるとこう……忙しいとか言いながら、あっという間に婚期を逃しそうなのよ」



 母は困った顔ながら、ハッキリと言ってきた。



 うぬぬ……。



 前世のことがあるだけに、反論しにくい……。


 また、立場上そのへんのテキトーな男というわけにいかないのはわかる。



 変身ヒーローというか、魔法使いとしてそこそこの実績を得てしまったし。


 経営をするかどうかは別として、何らかの形でうちの企業に関わるのだろう。



 そういうわけで、またどんどんデート? みたいなのを重ねるようになった。



 しかあし。



 どうにも、相手にやる気が感じられないのだなあ。


 何か義理で付き合っていますよというのが丸わかりである。


 親にもそれとなく言ってみたりしたが、



「恋愛ってわけにいかないし、まずはお互いに良く知り合ってみなさい」



 と言うのだけど……。



 向こうに仲良くしようと意思が感じられないのだから、しょうがない。


 義理がなかったらこっちこそ、ぶん殴ってやりたい……。



 てなことをしていくうちに、学校ではだんだん生徒が増えてきた。


 前の色々な騒動で休学・退学する生徒が大勢出たので――



 あちこちからスカウトのような形で連れてきたらしい。


 学費などは、能力によっては色んなとこがバックアップするとか。


 その中には、ブレードや松上の企業も入っていたのだった。







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