表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
287/301

その287、「冴えたやり方? ねーよ、そんなモン!」


「全部パーピヤスって女神の仕業なんだ」

「なんだって! それは本当かい!?」





「クンバンダをどうにかできないものか……。あんた神様でしょ?」


「別に奴隷と主人の関係ってわけでもないしな。そういう気もない」


「ふん」



 なかなかご立派なことを言うじゃないか。トラブルを生んでるくせに……。



「まあ、手っ取り早くどうにかする手がないでもない」


「なに?」


「要は餌の日本人を大量にゲットできるようになればいいわけだ。それは、お前たちの宇宙にいた日本人にこだわる必要もない」


「……は?」



 こいつ、何を言ってる???



「つまりはパラレルワールドってことさ。別の世界線の日本にでも送り込めばいい」


「そんなことができるって、いうの?」


「簡単にはできない」



 そりゃそうだろうよ。できたら何かやってそうだ、こいつは。



「だが、ある程度やりやすくできる材料がある。それは――お前だ」



 少女は私を指して、ニヤリと笑った。



「……私に生贄にでもなれと?」


「いや、お前の魂は元々違う世界戦の人間だ。だから、その要素を利用して違う世界へ通じる道を作るってわけよ。そこからクンバンダを送り込めばいい」


「それって、つまり……私の前世だった世界に、送るってのか? サキュバスを!?」


「うん」


「……じょ」



 冗談じゃない、と言いかけて、私は黙り込んでしまった。


 要するに厄介ごとを別の場所に押し付けるってことだ……。



 やるのはまずい……。まずいが、今現状の日本を救うには――


 まさに、悪魔の選択だった。



「クンバンダと徹底抗戦するって言うのなら、それもいい。選択の自由だ」


「あんたがあの馬を殲滅するって考えはないわけだ」


「一応私が作った種族だからな。愛着もあるし、それはしたくない。それにお前は大量殺戮をお好みなのかな?」


「む……」



 嫌なところを突いてくるやつだ……。しかし。これは……。



 もしも、あの世界――つまり魔法も何もない『普通の世界』。


 そこに大量のサキュバスを送りこんだら、どうなるのか……。



 結局は、同じようなことの繰り返しになるんじゃないのか?


 あるいは完全にサキュバスに支配された日本になってしまうのか……?



 どうする……。



 何とかしてうまい手段にする方法……考えつくわけもない……。


 私はひたすらに懊悩するばかりで、何も言えず、考えられなくなった。


 うまいことをして、こちらに有利な条件で約束されることが……。



 できないよな……。



 くそ。



 いや、つまりは極端なやり方がダメなのであって、うまく調整すれば……。


 でもそれで、連中が納得をするのか? しないよな。しない。ダメだ。


 何か、ないか? こうたった一つでもいいから、冴えたやり方は……。



 ……。



 ねーよ。



 いくら魔法があっても、金があっても、みんな他人の力だ。 


 ちょっと待て、自嘲してる場合じゃない。なんでもいいから、せめて……。



 やがて、追い詰められた私は次第にヤケクソになっていった。


 もうなるようになれ、後がどうなろうが知ったことか……と。








よろしければ、感想や評価ポイント、ブクマをお願いします!

感想は一言でも歓迎!

あなたの応援が励みになります!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ