その284、銀の少女
「うわ……!!」
その強烈な衝撃に、私は落下しかけた。
何とか影響力から脱して、空中に逃れる。
「お前らは、おとなしくこっちの言うことを聞いてろ」
「誰が……」
ケラケラ笑って言い放つクンバンダに、私は魔力弾を放つ。
見事、命中。
だが――
「ははは。こそばゆいね」
まともに着弾したはずなのに、相手にはまるきりダメージがない。
<高魔力検知、危険。危険。危険>
そんなこたあわかってる。って、まずいことになったな……。
まともにやりあって、どうにかなる相手だろうか?
サキュバスか…………。
敵として戦うには、ちょっとヘビーすぎる魔族だ。
「こっちは、サキュバスたちとすでに契約をしてる!」
「そりゃ別の連中さ。こっちはそんなものしてないね」
と、クンバンダたちは笑った。
「邪魔だ!」
いきなり、私は横へ突き飛ばされた。
ビルに激突しかけたところ、別のサキュバスたちが集まってくるのを見る。
瞬く間に、再びサキュバス同士が戦い始めた……。
時折魔力が下に飛んで、地面や建物を壊している。
なんて迷惑な……!
とはいえ、自分一人でどうにかできる状況ではない。
せめて、八郎くんクラスがいれば。
とはいえ、相手の――クンバンダも複数いる。
あんなのがたくさんいたんでは、あの子だって……。
私はもどかしく思いながらも、とにかく下に降りることにした。
「悪魔同士の戦争か……。資源をめぐる戦いってわけか」
上の戦闘を見上げながら、ボソリとつぶやいてみる。
一体どうしたものだろうか……?
考えても、何も浮かばない。そもそも説得できる相手ではないのだ。
弱った………………。実に弱った……。
私が途方に暮れていると、いきなり肩を叩かれた。
なんだ!? まるで気配がなかったぞ……!?
振り返ると、そこには変な女の子が立っている。
見た感じは、異種族らしき美少女だった。
銀色の肌。ローソクのごとく白い肌。赤い瞳。しかも、猫のような縦長の瞳孔。
「誰……だ?」
「まあ、誰でもいいじゃない」
「悪いけど、ちょっとのんびりできない状況何で……」
言いかけた時、私は絶句した。
周りが暗い。自分と、銀の少女以外真っ暗闇だ。何も見えない。
上で響いていたサキュバスたちの声も、魔力も感じ取れなかった。
これは、空間が違っている? いつの間に……!!
なんなんだ、こいつ……。
私は何とも薄気味悪いものを感じながら、少女を見た。
「あんたと話がしたい、と思ってね」
少女は慣れ慣れしく言って、笑った。
人間じゃない、ダークエルフやサキュバスとも違う、妖しい笑み……。
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