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284/301

その284、銀の少女



「うわ……!!」



 その強烈な衝撃に、私は落下しかけた。


 何とか影響力から脱して、空中に逃れる。



「お前らは、おとなしくこっちの言うことを聞いてろ」


「誰が……」



 ケラケラ笑って言い放つクンバンダに、私は魔力弾を放つ。


 見事、命中。



 だが――



「ははは。こそばゆいね」



 まともに着弾したはずなのに、相手にはまるきりダメージがない。



<高魔力検知、危険。危険。危険>



 そんなこたあわかってる。って、まずいことになったな……。


 まともにやりあって、どうにかなる相手だろうか?



 サキュバスか…………。


 敵として戦うには、ちょっとヘビーすぎる魔族だ。



「こっちは、サキュバスたちとすでに契約をしてる!」


「そりゃ別の連中さ。こっちはそんなものしてないね」



 と、クンバンダたちは笑った。



「邪魔だ!」



 いきなり、私は横へ突き飛ばされた。


 ビルに激突しかけたところ、別のサキュバスたちが集まってくるのを見る。



 瞬く間に、再びサキュバス同士が戦い始めた……。


 時折魔力が下に飛んで、地面や建物を壊している。



 なんて迷惑な……!



 とはいえ、自分一人でどうにかできる状況ではない。


 せめて、八郎くんクラスがいれば。



 とはいえ、相手の――クンバンダも複数いる。


 あんなのがたくさんいたんでは、あの子だって……。



 私はもどかしく思いながらも、とにかく下に降りることにした。



「悪魔同士の戦争か……。資源をめぐる戦いってわけか」



 上の戦闘を見上げながら、ボソリとつぶやいてみる。


 一体どうしたものだろうか……?



 考えても、何も浮かばない。そもそも説得できる相手ではないのだ。


 弱った………………。実に弱った……。



 私が途方に暮れていると、いきなり肩を叩かれた。


 なんだ!? まるで気配がなかったぞ……!?



 振り返ると、そこには変な女の子が立っている。


 見た感じは、異種族らしき美少女だった。


 銀色の肌。ローソクのごとく白い肌。赤い瞳。しかも、猫のような縦長の瞳孔。



「誰……だ?」


「まあ、誰でもいいじゃない」


「悪いけど、ちょっとのんびりできない状況何で……」



 言いかけた時、私は絶句した。


 周りが暗い。自分と、銀の少女以外真っ暗闇だ。何も見えない。



 上で響いていたサキュバスたちの声も、魔力も感じ取れなかった。


 これは、空間が違っている? いつの間に……!!



 なんなんだ、こいつ……。



 私は何とも薄気味悪いものを感じながら、少女を見た。



「あんたと話がしたい、と思ってね」



 少女は慣れ慣れしく言って、笑った。


 人間じゃない、ダークエルフやサキュバスとも違う、妖しい笑み……。








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