その283、馬形の怪
ちょっと、体調不調気味……。
皆様もお気を付けください。
馬のような頭部のある鉄製ゴーレム。
少なくとも、そんな風に見える。
しかも、そいつは下半身がケンタウロスのような馬型なのだ。
こんなのが複数飛び回って、サキュバスたちと交戦している。
空中で魔法を撃ちあい、雷鳴のような音が響いていた。
<高魔力反応――>
どちらも魔族だけあってかなりの魔力だ……。
私は変身しながら窓から飛び出すと、戦闘を観察した。
比較高度のある場所でやりあっているから、まだ地上に被害は……いや。
病院の屋上を見ると、サキュバスが一人叩きつけられていた。
「ちょっと、何が起こってる?!」
私はサキュバスに接近して、質問。
「見りゃわかるでしょ! クンバンダが攻め込んできたんだって!」
「な……!」
とにかく、私はサキュバスに手を貸して立たせると、空中を見る。
あの馬型の鉄騎兵がさらに増えている。
「……あの馬は一体」
「あいつらは、ああいう馬型の鎧を使うのが多いんだよ。あと、馬型のモンスターを……」
と、サキュバスが言いかけた時である。
雷鳴が鳴って、馬の嘶きが響いた。
「ほら、おいでなすった!」
サキュバスが空を指すと、黒い影が駆け下りてくる。
「スレイプニル……!」
以前にもあった、あの神馬だ。しかも、今度は複数……。
「ああ、もう、鬱陶しい!!」
サキュバスは地団駄を踏むと、翼を広げて飛び出していった。
<黒羽さん、今どちらに!?>
そこへ、松上少年からの連絡が。
「今、サキュバス同士の喧嘩を見ているところなんだけど……」
<気を付けてください、できるだけ巻き込まれないように。相手はバカ魔力同士ですから>
……。
あんなレベルが相手じゃあ、多少レベルアップした私では無理か。
って……!
そうこうしているうちに、サキュバスたちがバカスカ地上に落とされている。
クンバンダ側の戦闘力はかなり高いようだ……。
私は、近づいてくる一人をキャッチして、何とか墜落を阻止。
しかし、サキュバスたちは流星みたいにどんどん落ちてくるのだった。
「どうなっている……!?」
「畜生! 不意を突かれた、相手はガッチリ準備してた……!」
キャッチしたサキュバスは悔しそうに叫んで、牙を噛み鳴らした。
まずい……。
どう考えてもまずい……!
私はサキュバスを降ろすと、仕方なくクンバンダ側に接近することにした。
「ちょっと待った! この戦闘は何事です!!」
「人間――男、いや、中身は女か?」
私が割って入ると、クンバンダたちはわずかに動きを緩めた。
「今はお前らに用はない。おとなしく、引っ込んでいろ」
「街の上でドッカンドッカンやられちゃあ、そうもいかない」
「なるほど、抗議か」
クンバンダは笑い、スッと手を広げて向けてきた。
瞬間、凄まじい圧力が私を襲う……!!
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