その267、ポポバワ
「なんじゃこりゃあ!?」
私が叫んでいる間にも、モンスターは田中くんやユズルに襲いかかっていた。
集中的に狙われ、完全に包囲されている……。こら、いかんわ……!
「なんなの、こいつら!?」
「ああ、鬱陶しい!!!」
ラブ子やケライノたちが魔法を撃ちまくっているが、きりがない。
しかも下手にやると同士討ちになりかねないので、なお厄介だった。
そうこうするうちに、松上少年にも、襲いかかってくる。
私じゃそいつらを打ち払うのに必死にならざるえない……。
「何か知らんけど、たち悪いな、こいつら!?」
私はポポバワにしつこさに閉口しながら、何度も首を振っていた。
ポポバワ。
一言で言うと人間と蝙蝠をミックさせた有翼の怪物である。
特徴的なのは、単眼であるということか。
「ダメだ、きかない……!!」
向こうのほうでユズルが悲鳴をあげている。
いや、もっと特徴的なのは男性の魔法が効かないということ……。
まるで、魔女狩りを逆転させたような怪物なのだった。
「気をつけろ! 捕まると掘られるぞ!?」
私は魔弾を連射しつつ、田中くんたちに怒鳴った。
「掘られるって……なにがですか!?」
「お尻を!」
「なんで!?」
「知らん!!」
いや、ホントーに私がわかるわけもないのだ。誰かに聞けるもんなら聞きたい。
しかも、数が多い……。
今までのどのモンスターよりも大群が押し寄せてくるのだった。
<モンスター、範囲を拡大。官邸からあふれつつ――>
げ……!?
どうやら、ポポバワは官邸を狙い撃つわけでもないらしい……。
それどころか、街中に飛び交っているようだった。
どうやら、野次馬や報道陣も捕まっているのがいるようだ。
で、どうなるか……。
それはご愁傷様としか言いようがないわけで。
どうこうしようにも、知恵袋の松上少年は自分を守るので手いっぱいだ。
つうか、私がどうにかせねばならないわけである。
何せ男の魔法がきかんやつだから……。ああ、やだやだ。
「あかんわ、男どもは官邸の中へ!! 邪魔!」
サキュバスたちはポポバワを殴り倒しながら、ヒステリックに叫んだ。
こんな世の中でも、警官や自衛官の半数は男性である。
それが一気に足手まといにまってしまった。
いや、武器はある程度効果があるが、何しろ積極的に狙われるのだから……。
さすがに囮にしてどうこうするわけにはならないわけで。
てんやわんやの騒ぎの中。
「出て来たぞ!?」
奥のほうで、何か騒がしくなった。
見ると巨大な重装甲のごとき姿……蛹状態の八郎くんである。
「どいてどいて、危ないから離れて……!!」
八郎くんは周りを遠ざけると、雷光を放って脱皮した。
全裸なのはいかがなものかと思っていると、そつなく用意したスーツ。
八郎くん、スーツは着込んだけれど、顔はさらしたまま空中に飛び上がった!
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