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260/301

その260、対策はなるか


今回で260回です。

けっこうきたものです。





 私は急遽『7番』研究所に跳んだ。



 行ってみると、松上少年とヅカテ氏が会議室で向かい合っている。



「敵さんも大胆なことをしたもんだよ。予告状とはねえ……」



 ヅカテ氏はひどく疲れた顔で、自分の肩を揉んでいた。



「前回よりも応援は増やせるんですよね?」


「そうだけど……。今は日本全国で応援が必要とされとりますので」



 松上少年は困った顔で、映像を空中に映す。


 あちこちで行われている工事などの場面だった。



 ダイノヘイム転移に備えて、急ピッチで対策が進められている。


 サキュバスやエルフの応援は、大方それに取られているわけだ。



「総理の安全も大事だけど、準備を遅らせるわけにもいかない。総理は死んでも代わりはいるけれど、準備は遅れたら、それこそ取り返しがつかない……こういうわけで、警備にも人員をさきにくいんですな。今の総理に何かあればけっこうな混乱は必須ですけど」


「なるほど。総理大臣もつらい立場なわけだ?」


「応援を増やせば私的なことを優先するのかと叩かれますから」


「あちゃあ……」


「まあ、みんな自分の身が大事ですからね。それは総理も同じでしょうが」


「増援は多少あるけど、より完璧なものという思考はないほうがいい」



 と、ヅカテ氏。



「結局は前のメンバー中心でやるしかないと思うね」


「それでどうにかなりますか……」


「今回で、主犯を捕らえるなり退治するなりしたいが……」


「退治ね……」


「何せ、アンデットだからなあ。かなりたちの悪いテロリストでもあるし、人道的配慮をする余裕はないだろう。どっちにしろ批判は避けられないが」


「うーん……」



 世の中には、いわゆる批評家・評論家が多いからなあ……。



「何かこう、対策はないんですか?」



 私の問いに、ヅカテ氏は渋い顔である。



「相手の音楽魔法に対抗する術式はなくもないが……。相手によって性質を変えられるみたいだから、そのへんが厄介だ。あんまりガチガチに対策しても、いざ実戦で変化させられたら、お手上げだからなあ」


「前回はサキュバスたちを弱体化させました。今回もそうしてくるでしょう。向こうにとって魔力自在の魔族は厄介でしょうからね」


「ふむ……」



 私も前回の戦いを思い出しながら、考えてみた。



「あいつが弱体化できる対象は、広くすれば弱く、狭めれば強く……だったよね」


「ええ。人間なら人間、エルフならエルフという風にね。もっとうまくすれば、種族などではなく、個人レベルでも可能かもしれませんが」


「個人レベル? そこまで言っちゃったら、他がダメになるじゃない」


「ええ。でも、そこまでして対策する必要もあるかもしれない。向こうからすれば」



 と、松上少年は鋭いで言うのだった。



「そこまでって……。あ」



 私にも思い当たるものがあった。



 八郎くんだ……。



 あの反則レベルの相手を無力化できれば、向こうにとっては大きいだろう。



「でも……」



「弱体化させて、そのままにしておく手はないでしょう。一個ずつこちらを潰していくという手段だってありえますよ」


「なるほど……」



 嫌な予想を切り出されて、私はゲンナリしながら次の戦いを想像してしまう……。








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