その257、遅れに遅れたネタ晴らし
「うまくいくでしょうか……」
「さあね、今は弁護士さんを信じるしかないんじゃない?」
結局――
私は家のコネから、ゆみかに弁護士を紹介することにした。
一括で費用を払った効果か、割とあっさり引き受けてくれたわけだが。
そのおかげで、ゆみかはせっかく稼いだお金をほぼ失うことになったわけで。
中岡の母親は、
「何とか、お金はお返しします……」
と、一応殊勝なことを言っていたが、どうなるものか。
中岡の家は、両親が離婚して母と二人暮らしだったらしい。
しかし、娘がえらいことになってるのに、父親は何をしているんだろうか。
まあ、一段落はついたわけである。
「じゃ、これからバイトがあるので……」
用事が片づいた後、ゆみかはワープで行ってしまった。
まだまだモンスター駆除の仕事はあるらしい。
いっそ私もその手のバイトをしてみるのもいいかもしれないな。
お小遣いには不自由していないが、自分で稼いで贅沢するのもいーかも。
こんなことを考えながら。
ついでというわけではないが、山田青年の家に行ってみた。
息子が犯罪者になって、家族はどうなったのか。
田中くんからそれとなく聞いていた感じでは、案外平和にやっているらしいが?
行ってみると、山田宅は、前と変わらぬ凡庸なものだった。
考えてみれば魔女党時代にあんたことになり、よく無事だったもんだ。
……?
「面白い客だな」
上から声をかけられ、見上げるとダークエルフがいた。
「何してるんです」
「いや、こっちにセンサーをつけているんでな。大体状況は把握できるのさ。寄ってく?」
と、ダークエルフは山田宅を指す。
「……あなたの家じゃないでしょ?」
「似たようなものさ、今ではな」
ダークエルフはニヤニヤ笑って家に入ってしまった。
仕方なく、私は玄関から訪ねてみる。
チャイムを押すと、山田青年の母は出迎えた。
しかし……?
何だろう。向かい合って話したところ、何か違和感があった。
「よく来たな。わかったか?」
家の廊下で、ダークエルフが浮かんでいる。
「わかるって何が……」
「ふん。気づかなかったか。案外大したことはないな?」
ダークエルフは笑って山田母に近づくと、いきなりその首をもいだ。
「な……!?」
「これを見てもわからないか。まあ、それなりの出来ではあるが」
見ると、もがれた首の切断面は空洞になっていた。
「まさか、人形?!」
「ああ。契約者が何とかしてくれと言うんでなあ? あいつを連れて行ったついでに、家族を人形と入れ替えといた」
「な、何でそんなことを……?」
「さあ、あまり意味はないだろうが……。あのまま放置すれば家族も危なかった可能性大なのでな? ついでにダイノヘイムに連れて行った」
何ちゅうことをしていたのやら……。ムチャクチャだわ……。
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