その247、終わった後も雑事……
<魔力集中……解放。武装展開――>
いわゆる、リミッター解除か。本格的に使うには、ちょっと物騒なものだが。
こういう場合だし、仕方ないとしよう。
各部の装甲が強化されていき、展開された場所から余剰魔力が熱気となって噴き出す。
そのくせ、気分が集中して妙に落ち着いている。
「うがああああああああああああ!!!」
色無は吠えながら、全身の触手をこっちに向けてくる。
<魔力翼展開。極点集中――>
こうなったら、時間を駆けたくない。一気に決めるだけだ。
「キックを喰らえ!!!」
私の叫びに呼応して、魔力が爆発。ロケットの如くなって私は飛ぶ。
「せいやああああああ!!!」
全身を金の魔力が包んで、さらに朱色も混ざる。
そのままカメレオンの頭部を貫通して、巨体を突き抜けていった。
隕石のように着地をして振り返ると、怪物は横倒しになっていく。
魔力が塵となって大気に吹き荒れ、ちょっとした嵐のように……。
「お母さん……!!!」
響くのは、シルバの悲しい声だけだった。
廃墟どころか瓦礫の山と化した邸宅。
ある意味、私はシルバの故郷を壊してしまったわけだ。合掌でもすべきか……。
<生命反応確認――>
私は巨体が霧散していく中、色無を探して、見つけた。
色無は全裸の状態で瓦礫の中に倒れている。
<魔力微弱――>
死んではいないが、無茶な魔法を使った反動は大きいようだ。
全身の色素が抜けて、蝋燭みたいな色になっている。
私は複雑な気分のまま、色無を抱えてダークエルフの元へ飛んだ。
「片づいたか」
「なし崩し的に……。とにかく治療したいので、そっちで預かってほしいんだけど」
「全部押っ付ける気か?」
「良い娯楽にはなったでしょう」
「ふふん。言うじゃないの」
私が言うと、ダークエルフはククッと笑って、魔法陣を開いた。
「ま、安心しろ。死なせることはないよ。お前はどうする?」
「行く……」
ダークエルフに問われ、シルバは蒼白のままそれでも答えた。
「まだ期待してるのか? 無駄だと思うがな」
「……」
シルバは無言のまま、髪も皮膚も白くなった母親を見ていた。
こういうわけで、色無シルバの『里帰り』は終わったわけである。
そして、私の役目も……と、言えれば良かったのだけど。
ここに来るのも数回目だ、と私はダークエルフの円盤内部で思っていた。
円盤。
暗い紫をした、文字通り円盤状の物体である。
内部は自立した都市群のようになっており、直径は10キロもあるそうだ。
ダイノヘイムの高高度に浮遊している、空中都市とも言うべきもの。
浮いているだけではなく、自由に飛行も潜水も着陸もできる、という。
ダークエルフたちは、こういうものを多数所有しており、住処としている。
驚くべき魔力と技術であり、宇宙開発にも利用できそうだなあ。
……で、私はここに度々呼び出されているわけなのだ。
何だかなあ…………。
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