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魔法少女? いいえ、変身ヒーロー(男装)です~鬱ENDな百合アニメの世界にて~  作者: 甫人 一車
第24話  ダークエルフ再登場! 魔法少年(?)全員集合!!
240/301

その240、無理な『お願い』


ちょっと違う時間帯に更新。





 それからしばらくの間、シルバは何も言わなくなった。


 以前なら、私が会いに行けば短くても会話は成立したのだけれど――



 あの蝙蝠男のこともあり、なかなか気の抜けない日が続いたが……。



「ここを出たい」



 ある日、食事を運んでいくなりシルバはだしぬけに言ってきた。



「それはまた……」



 悪いけど、無理――と私が言いかけたところ、



「お母さんに会いたい」



 その言葉に、私が返答できずに困ってしまった。


 今さら、彼女をハイソウデスカと戻すわけにもいかない。



 重大な犯罪者であるし、重要な証人でもある。


 何度か政府関係者が面会に来ているが、うまくはいっていない。


 彼女は何も言わなかったのだ。



「じゃあ、あなたのお母さんについて、話してくれるの?」


「……」



 そう言うと、シルバは無言になってしまった。



「あなたの望みを聞くことは、私がみんなを裏切ることにもなるの」


「……ごめんなさい」



 シルバはか細い声で言って、うつむいてしまった。


 かわいそうだとは思う。



 きっと、彼女はヴァルキリーたちを母親に否定してほしいのだろう。


 自分は知らない、関わってない……と。


 実際、そうかもしれない。まだ何もわかっていないのだから。



 ダークエルフも何かわかっているのか、ハッタリなのか。


 ある意味では、これはチャンスだろうなのかな。



 うまくすれば色無トオルを逮捕できるチャンス。


 だが、それはシルバを利用して、裏切ることにもなってしまう。



 さすがにそれは……。しかし……。



 誰かに相談するのも、裏切りになるのか。


 かといって、勝手に動いてみんなを危険にさらすこともできない。


 あの蝙蝠男を考えれば、私の家族が危険にさらされる可能性もある。



 どうしたもんだかな……。



 私は特別室を後にしてからも、考え続けた。でも、答えは出ない。


 迷路みたいに思考の海をもがくだけのことだった。



「悩んでいるってツラだねえ」



 気配もなく、声がしたので振り返ると、ダークエルフが空中に浮かんでいた。



「おかげさまで……」


「そうツンケンするな。場合によっちゃあ相談に乗ってもいい」


「相談ね……」


「問題は、あのガキだろ。おおかた、母親に会いに行くとでも言ったか」


「……」



 まさにその通りだった。


 あるいは、それを誘導するため今までの言動をしたのだろうか。



「……それであなたに何の得があるんですか?」


「面白いじゃないか」


「いや、面白いって」


「お前らが何ていったかな? ワイドショーとかそんなもんを見る感覚かな」


「ああー……」



 要するに下世話な好奇心ということなのだろう。


 気分の良いものではないけれど、まあ納得できるかもしれない。



 さて、どうしたものかなあ……。ああ、困った……。









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