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魔法少女? いいえ、変身ヒーロー(男装)です~鬱ENDな百合アニメの世界にて~  作者: 甫人 一車
第24話  ダークエルフ再登場! 魔法少年(?)全員集合!!
239/301

その239、彼女は知らない

サブのほうもどうぞよしなに。

https://book1.adouzi.eu.org/n9219gd/1/





「めんどくさいな。実物を見せてやったほうがハッキリするだろ?」



 ダークエルフは気怠だるそうに言って、左手に持った飼育ケースに右手をかざした。



 と、突然視界が変化する。


 私たちは見知らぬ巨大な部屋に、突っ立っていた。



「これは……」



 周囲を見渡すと何か景色が見えるハッキリしない。


 まわりは、透明の壁みたいなものに囲まれていた。



「見ろ」



 ダークエルフが前を指す。



 そこには、拘束されて転がっているヴァルキリーたちの姿が。


 全員兜型バイザーは外されているので、素顔だ。



 ……ってことは、ここは飼育ケースの中か?



「まさか、自分で入るとは……」



 何だかあんまりいい気持のするもんではないなあ……。



「誰……?」



 ヴァルキリーたちを見て、シルバは明らかに動揺したようだった。


 信じがたいものを見ているという表情である。



「近くに行ってよく見てみろ。お前に馴染みのものじゃないか?」



 ダークエルフは冷たく言って、シルバの背中を押す。


 シルバは一瞬躊躇したが、やがて吸い寄せられるようにヴァルキリーたちに近づいて、



「え……?」



 つぶやいたきり、表情を凍らせてしまった。



「どうやら何も知らんようだぞ、あの娘」



 ダークエルフはつまらなそうに言って、私の肩を叩いた。



 なんてこったい……。



 私がそっとシルバの後ろに近づくと、後ずさりする彼女の背中がドンとぶつかる。



「こいつら、何なの……!?」


「それはこっちが聞きたいんだけどねえ……。ちょっと前にここを襲ってきたんだよ」


「……知らない。私、こんなの知らない……!」


「他人の空似じゃあないだろうね。数が多すぎるし、装備も同じだ」


「わからない……!! なに、これ!? なんなの!!」



 ダークエルフの声に、シルバは叫んで頭を抱え込んでしまった。


 これはもう酷なのだろうでないだろうか……。いや、残酷なことか。



 私がダークエルフを見ると、赤い瞳の妖精は肩をすくめた。



 そして、私たちはまたあの特別室に戻っており――



「お前は量産型のモノだったらしいな?」



 ダークエルフはシルバを見て、感情の見えない声で言った。



「ちょっと……!」


「誤魔化しても始まらんだろ? これからさらに姉妹の数は増えるのかもな」



 私の声にも、ダークエルフは冷めた顔だった。



「しかし、当分何かを聞くのは無理そうだな……」



 ヅカテ氏は困った顔で頭を掻き、深々とため息をついた。



「あいつらの装備してたものもよく見てみるか? 見覚えがあるだろ」



 ダークエルフは魔法陣から、羽根兜……型バイザーや鎧を取り出して見せる。



「あ……」



 シルバはその装備品を手に取り、脂汗を流し始めた。



「それらの製造には、お前の母親が関わっているようだな?」


「……そんなこと!」



 シルバはダークエルフに叫びかけるが、すぐに黙り込み、座り込んでしまった。



 これは、もう何を聞いても無駄だろう。彼女は何も知らなかったのだ。


 私はシルバの汗をハンカチでぬぐってやりながら、これからのことを思う……。







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