その234、新たなる災難に苦渋する
「やれやれ。圧倒的だなあ……」
私は塵となって消えていく妖怪たちの残骸を見ながら肩をすくめた。
八郎くんが脱皮したことで、勝負は一気についてしまったわけである。
「な、なんなのアンタ……?」
蛇塚ラブ子は目を見開いて八郎くんを凝視していた。
「っていうか、どっから来たわけ?」
「実はこれこれしかじか」
「はあ!? あのでっかい鎧みたいなのが!?」
私が説明してやると、ラブ子はますます混乱したようだった。
「……っていうか、そのバカみたいな魔力で、逃げたのを追えないわけ?」
「あんまり細かい作業が苦手で……」
八郎くんはちょっと恥ずかしそうにしながらうつむく。
「はあ……。魔力だけがでかくて、器用さに欠けるわけね。っていうか、あのモンスターどもフッ飛ばした能力で十分器用な気もするけど……」
「この力もあんまり長くもたないっていうか、こうなると加減が難しくって」
「難儀なヤツねえ」
ラブ子は呆れたように言ってから、ユズルのもとに行ってしまった。
<どうにかなったようですね>
ホッとしていると、松上少年の通信が送られてくる。
<なんか変な逆転しちゃったみたいだけど。このままどうにかならない?>
<どうにか、とは?>
<敵のアジトでも一気に探知できないかなってこと――>
<そこまでできるか、どうか……。相手の残滓などわかりますか?>
<さて……>
サーチをかけてみるが、どうやら怪人が逃げた時に痕跡を消していったようだ。
<無理っぽいね>
<そんな感じではありましたな>
<しかし、さっきはまいったわ……。何か一気に力が封じられた感じ……>
<どうやらゆみかさんを標的に絞ったようですな。その結果、他が抑えられなくなったというところですか。渡くんがやらなくってもけっこうすぐ逆転できたかもしれません……。あっ>
松上少年、最後の方でいきなり声の調子が変わった。
<どしたの?>
<別の緊急事態ですぞ……。『7番』に至急戻ってください>
<へ?>
なんのこっちゃ、と思った時である。
<緊急連絡――>
いきなり、別の通信が横入りしてきたではないか。
つなぐと……。何と『7番』研究所が襲撃されている映像である。
何か翼を持った連中が、次々に飛来しているところだ。
こりゃまずい。同時多発的な攻撃だったのか……?
「緊急時だ。みんな、今から来れる者は『7番』に急行!」
私は叫ぶが、どうやら通信は他のみんなにも送られている様子……。
まず真っ先に私がワープして戻っていくと、
「うわお」
研究所の周辺は、鳥のような姿の武装集団に囲まれていた。
いや、というか……あれは。
ヴァルキリー???
あの色無シルバと同じような装備をした集団なのである。
その数は12、3か。だが、さっきの妖怪たちよりも格段に強そうだ。
こりゃ、一人だと確実にやられていたな……。
焦るべきか、ホッとするべきかわからない私のそばに、他の仲間たちが跳んでくる。
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