その233、危険な旋律の恐怖
「ぎゃおおおーーーーーーーーー!!?」
怪人は悲鳴を上げて吹っ飛んでいく。
どうやら耐久性はそうでもないようだなー。
チャンスなので私は急いで追いかける。いっそ、このままとどめといきたい。
だが、寸前で私の攻撃は回避された。
否。こっちのほうが攻撃を受けたのである。
怪人からではなかった。まさか、他の妖怪どもか?
<魔力反応。高熱源確認――>
軽くサーチをしてみると、すぐさま反応するものがある。
見れば、朱色の鳥みたいな姿をしたものが、空中でホバリングしているではないか。
いわゆる、赤系を中心とした派手な色彩の鳥型モンスターだった。
不死鳥とか、金翅鳥という感じの姿。
それが炎をまとってこっちに飛んできた。
「なんのこれしき……!!」
迫りくる爪に、私は刃を大型化して挑んだ。
何度も競り合うが、怪人ほどの威力は感じれない。
これならば、一気に倒せるか……?
「邪魔だ!!」
私は刃に魔力を集中させて、一気に斬りこむ。
と、怪鳥は口からは強烈な火炎を吐き出してきた。
瞬間的に障壁を張らねば、まずかったかもしれない。
障壁越しにも、その熱と威力が伝わってくるほどだ。
だが。
<魔力翼展開――開放>
私は両腕に魔力の刃を翼のように広げ、炎ごと怪鳥を切り裂いた。
怪鳥は二つに分かれながら、地面に落下していく。
ふう。やれやれだ。これで怪人を追える。
しかし、ホッとする暇はなかった。怪鳥は一羽ではなかったのである。
闇を朱に染めながら次々に飛んでくる怪鳥の群れ。
もはや周辺は妖怪大戦争状態の有様である。
「さすが、ヒーローだ。なかなかやるねえ……」
怪人が翼を広げながら、不気味に笑った。だが、ダメージは残っているようだ。
私が向かうと、怪人はまたも不気味な旋律を発した。
途端に、私は眩暈をおぼえ、動きが鈍くなってしまう。
そこに、怪人が回転しながら襲いかかってきた。
避けようとするが、翼の一撃を受け、ビルに叩きつけられる。
まずい……。あの音のせいか……?
動こうとしても、体が思いどうりにならない……。目の前が暗い。
<危険。危険――>
ヘルメットの音声も、ひどく遠くに聞こえる。
これは、ついにやばいか?
そう感じた時、地面から雷撃が迸った。
雷撃は怪人を貫き、空中に放り出す。
やったのか……? と、思ったけれど、怪人はあわてて逃げ出したらしい。
雷撃はあちこちに飛び、妖怪たちを次々に薙ぎ払っていく。
「黒羽さん、大丈夫ですか!?」
見ると、私の前に青い髪をした少年のような美少女が浮かんでいる。
あああ……。八郎くんか……。脱皮した姿は久々に見たな。
「まあ、なんとかね」
言ってから、私はある程度力が戻ってくるのを感じた。
何とか自分で飛びながら、八郎くんの前へ出る。
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