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その218、目覚めるシルバとの会話


サブ連載もよろしくお願いします。

https://book1.adouzi.eu.org/n9219gd/1/





「とりあえず多重結界を張っておいた。すぐに暴れ出しても大丈夫のはずだ」



 特別治療室で、魔法陣を複数展開させたヅカテ氏が言った。


 魔法陣はすぐに見えなくなるが、必要時にはすぐに発動する仕掛けである。



「そもそも、彼女はどういう人物なんです? いや、学校に届けられている情報などはダミーでしょうけれど……。それにしても……」


「提出された書類では、母親と二人暮らしってことになってるわねえ。連絡先を調べてみたらダミーだったけど。君の言うとおりね」


「どういう教育を受けたのやら――かなり無茶な訓練をしているな。ざっと調べてみたが、魔力関係の部分がかなり負担を強いられている。本人が資質に恵まれてなきゃあ死んでるぞ」



 作成したカルテを見るヅカテ氏は呆れたように首を振った。



「そんなに?」


「まあ、下手しなくても虐待案件だわな。本来ならば、こんな無茶をしなくっても高レベルの魔法使いになる力がある。無茶に無茶を重ねているよ」


「それで……。治りますか?」


「そりゃ本来そっちが本職だから治すがね。本人がおとなしく治療を受けるのが前提だ」


「やれやれ……」



 私は困り果てて天宮シルバの寝顔を見た。


 と、彼女が口がパクパク動いたような?



「起きたの?」


「いや、寝言らしいな」



 特殊ガラス越しに唇の動きを見て、ヅカテ氏は言った。



「何て言ってるか、わかります?」


「ちょっと待てよ……。ふむ、何かお母さんとかごめんなさいとか……」


「はあ……」



 何となくバックボーンみたいなのが想像できる気がして、私はうんざりとなった。


 あくまで想像でしかないから、断言もできないのだけれど。



 見ていると、天宮シルバは苦しそうに身をよじり、やがて目を開いた。


 鳶色の瞳が不安そうに、周辺を見ている。



 やがて、彼女は私たちに気づいたようだった。


 途端にシルバは跳ね起きようとするが、魔法陣が展開してすぐさま動きを封じる。



「一応治療中の患者だから、負担をかけたくはないんだがなあ」



 ヅカテ氏は困った顔で頭を掻いている。



「ちょっと、話してきましょう……」


「大丈夫かい?」


「さあね。何かあればヨロシクお願いします」



 私は素手であることを強調するように、両手を振りながら治療室に入った。



「気分はいかが?」



「…………」



 シルバは野良猫みたいな目つきでこっちを睨んでくる。



「警戒するのは勝手だけど、暴れないでよ。いちいち拘束するのは手間なんだから」


「私をどうする気」


「さあ。とっとと警察に引き渡したいところだけど、引き取ってくれなくてね」


「……」



 と、シルバはいきなり魔法を使おうとした。途端にまた魔法陣が発動。


 シルバはリングで拘束されて、ベッドに横倒しになった。



「悪いけど、逃がすわけにはいかないのよ。逃がしたら、あんたまたテロ活動するでしょ」


「……あれは必要なことなの」


「日本をメチャクチャにする必要なら、ますます逃がせないわね」


「そうしなければ、解放されない。あなただってそう……」



 取り付く島のないシルバの言動に、私はため息を吐き出す。


 いやはや何とも……。これは宇宙人とでも話している気分だな……。








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