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211/301

その211、転校生は鳶色の瞳


サブ連載のほうもよろしくお願いします。

https://book1.adouzi.eu.org/n9219gd/1/





「大変なんですよ!! ユズルくんに彼女ができたんですって!」



 学校で、登校するなりゆみかが走り寄ってきた。



「ああ、ラミアの……」


「そうなんですよ! あ、知ってるんですか?」


「まあ、色々あってね……」


「何だか急な感じで、私も驚いたんですけど。知ってる魔法少女でしょ、いやーホントに何て言うか、意外というか」


「振られたから、傷を忘れたくって早くくっついたんじゃないの?」


「え。そうだったんですか!?」


「相手の弱ってるときに付け込むのは、よくある手でしょ」


「えー、でも、見た感じすごく真剣だったですけど……」


「コスい手段を使うからって、恋心が軽いとは言えないんじゃない? 逆に真剣だからこそ、手段を選ばずにとりに行くってこともあるでしょ」


「あ、なるほど……」



 私の適当な言葉に、ゆみかは納得したような顔でうなずいている。


 あんまり納得されても困るんだけどね……。経験上のことじゃないし。



「うーん。悪い子じゃないみたいだし、これで良かったんでしょうか?」


「それは即答できないけどね」



 ラミアに喰われて、良かったの悪かったのか。


 ただまあ、魔女党にシンパシーを感じる連中よりは億倍マシであろう。



「うーん。ユズルくんが魔法……少年。後輩になるのかあ……」



 ゆみかは違う意味でも思うところあるようだ。


 それでもやっぱり、恋愛的な似合いはないのは、アレだが。


 やっぱり見込みなかったわけである。



「ねー、聞いた? 聞いた?」



 しょーもないコイバナの最中に、エミリが軽い調子で割り込んでくる。



「なにかしら」


「今日ね? うちに転校生がくるって話だよー」


「このご時世に?」



 魔女党たちのドタバタで休学したり、やめたりする子も多い現状。


 我が校……魔法学校にやってくる女子がいるとは。



 どうやら、その噂は本当であったらしく――


 担任の武市綾子が、一人の少女を連れてやってくる。



 ボブカット風のきれいな黒髪をした、物静かな雰囲気の少女だった。


 人形のように整った顔立ちの、美しい少女である。



「天宮シルバです。よろしく」



 少女は挨拶をして、軽く一礼する。顔を上げると鳶色の瞳が小さくまたたいた。


 ふむ。どうやら、かなり訓練を積んでいるように見受けられるな。


 声も鈴を転がすような美声だ。



 魅力的なのだが、同時に人を跳ね除けるような壁も感じられる。


 担任が去った後も、あまり話しかける生徒はいない。



「天宮さん? よろしくねー。私、吉田エミリ」



 エミリが軽く話しかけるのだが、



「よろしく」



 と、抑揚の少ない声で言っただけで、あまり反応はない。


 ずいぶん愛想がないな……。



 そう思っていると、携帯に連絡が入ってきた。


 近くの街に、大型モンスターが出現――とのこと。



「おっしゃ!!」



 勢い込んでまず飛び出したのは、蛇塚ラブ子である。


 やれやれ、はりきっているな……。さて、私も続きますか……。









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