その211、転校生は鳶色の瞳
サブ連載のほうもよろしくお願いします。
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「大変なんですよ!! ユズルくんに彼女ができたんですって!」
学校で、登校するなりゆみかが走り寄ってきた。
「ああ、ラミアの……」
「そうなんですよ! あ、知ってるんですか?」
「まあ、色々あってね……」
「何だか急な感じで、私も驚いたんですけど。知ってる魔法少女でしょ、いやーホントに何て言うか、意外というか」
「振られたから、傷を忘れたくって早くくっついたんじゃないの?」
「え。そうだったんですか!?」
「相手の弱ってるときに付け込むのは、よくある手でしょ」
「えー、でも、見た感じすごく真剣だったですけど……」
「コスい手段を使うからって、恋心が軽いとは言えないんじゃない? 逆に真剣だからこそ、手段を選ばずにとりに行くってこともあるでしょ」
「あ、なるほど……」
私の適当な言葉に、ゆみかは納得したような顔でうなずいている。
あんまり納得されても困るんだけどね……。経験上のことじゃないし。
「うーん。悪い子じゃないみたいだし、これで良かったんでしょうか?」
「それは即答できないけどね」
ラミアに喰われて、良かったの悪かったのか。
ただまあ、魔女党にシンパシーを感じる連中よりは億倍マシであろう。
「うーん。ユズルくんが魔法……少年。後輩になるのかあ……」
ゆみかは違う意味でも思うところあるようだ。
それでもやっぱり、恋愛的な似合いはないのは、アレだが。
やっぱり見込みなかったわけである。
「ねー、聞いた? 聞いた?」
しょーもないコイバナの最中に、エミリが軽い調子で割り込んでくる。
「なにかしら」
「今日ね? うちに転校生がくるって話だよー」
「このご時世に?」
魔女党たちのドタバタで休学したり、やめたりする子も多い現状。
我が校……魔法学校にやってくる女子がいるとは。
どうやら、その噂は本当であったらしく――
担任の武市綾子が、一人の少女を連れてやってくる。
ボブカット風のきれいな黒髪をした、物静かな雰囲気の少女だった。
人形のように整った顔立ちの、美しい少女である。
「天宮シルバです。よろしく」
少女は挨拶をして、軽く一礼する。顔を上げると鳶色の瞳が小さく瞬いた。
ふむ。どうやら、かなり訓練を積んでいるように見受けられるな。
声も鈴を転がすような美声だ。
魅力的なのだが、同時に人を跳ね除けるような壁も感じられる。
担任が去った後も、あまり話しかける生徒はいない。
「天宮さん? よろしくねー。私、吉田エミリ」
エミリが軽く話しかけるのだが、
「よろしく」
と、抑揚の少ない声で言っただけで、あまり反応はない。
ずいぶん愛想がないな……。
そう思っていると、携帯に連絡が入ってきた。
近くの街に、大型モンスターが出現――とのこと。
「おっしゃ!!」
勢い込んでまず飛び出したのは、蛇塚ラブ子である。
やれやれ、はりきっているな……。さて、私も続きますか……。
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