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206/301

その206、惚気話など聞きたくもないのに



 テロで召喚されたモンスターは、小型のヒポグリフだった。


 さすがに警察では手に余るが、あっさり捕獲できる相手でもある。



 殺すほどでもないし、生かしたモンスターは研究対象として需要が高い。


 特殊な檻に閉じ込めた後、ブレード関係の研究施設に移送となった。



 さっさと用事が終わったので、途中で出てきた学校に戻る……。


 教室に戻ると、ちょうどラブ子も戻ってきたところだった。



「あ」


「やあ」



 ラブ子は私を見ると、軽く手を上げる。



「色々用事があって大変だね、魔法少女は」


「稼がないといけないからさ」



 私が言うと、ラブ子はニヤニヤして目じりを下げていた。



「ふーん。お金がいるなら、うちに協力してくれない? 人手不足なの」


「条件次第だね」


「おや」



 前はすぐに断ったのに、今回はなかなか乗り気じゃないか?



「稼げる大型モンスターはサキュバスたちに回されてるんだよねー」



 と、聞いてもいないのに説明するラブ子。



 なるほど。確かに基本能力の高い彼女らに任せたいところだろう。


 同じ金を払うなら、優秀な人材を使いたいのが人情である。



「借金でもあるの」


「ないけどさ。将来の結婚資金とか子育てのために」


「え」



 またえらく現実的な話になってきたな。



「今からそんなの貯めるんだ。えらいねえ……」


「いや、まー、すぐに結婚から妊娠出産までいくかもだしさあ」



 ラブ子はエヘラエヘラと笑って、頭を掻いている。



「……そーなんだー」



 私はとにかくそう流すしかない。



「彼がまだ学生だし、色々大変になると思うから。私としてもね!」


「学生結婚はハードだと思うけど」


「だからこそ、何があってもいいようにお金がいるんじゃん?」


「えらいねー」


「ま、国に戻ればそんなにお金はいらないけど、日本こっちで暮らすかもだし?」


「そっかー。どっちにしろうまくいくといーねー?」


「絶対うまくいかせるって。そのためにも稼がないと」


「まー、働き口が欲しかったらいつでも連絡して?」


「おー、ありがとね!」



 適当に合わせると、ラブ子はあくまで上機嫌だった。


 うまくいったのか、無理やりどうにかしたのか知らんけれど。



「そーいえば、自慢の彼氏ってどんな子なのかしらね」



 私はついそんなことを言ってしまった。



「えー!? もう、しょーがないなあ!?」



 ラブ子は勿体ぶっていたが、頼んでもいないのに携帯の写真を見せてくる。


 本当、見たくもないのに……。



 映っているのは、ラブ子と――やはり岡田ユズル少年であったが。あったのだが……。



「……あんた、これあんまり人に見せないほうがいいよ」


「なんで」


「いや……。エロ画像じゃん。あんたほとんど裸だし」


「水着みたいなもんなのに?」



 ラブ子は不思議そうにしているが、くれぐれもネットに上げるなと言っておこう。









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