その190、松上邸でゆみかへの新装備と
サブで軽いSF昭和戦前ものを書いてます。そのうち投稿するかも。
「やあ、待ってましたよ」
松上邸につくと、すぐに松上少年が私たちを出迎えた。
「お茶とお菓子をお出ししたいところですが、まずはこっちへどうぞ」
と、私とゆみかは倉庫のような場所に案内される。
何やら家具やら本やらが雑多にしまわれており、少々埃臭い。
「ここです」
松上少年が倉庫の床を指すと、そこに地下へ続く階段が出てきた。
「黒羽さんの秘密基地ほどのものじゃないですがね、僕なりに工夫して作った工房です」
そういうわけで、地下の工房に案内されると――
色んな機材や魔法の道具が陳列されている中に、大きな招き猫みたいなものがあった。
サイズは2メートルほどで、真っ白。石像みたいだが、蝋のような質感。
「なに、これ」
「わ。かわいいかも」
「ゆみかさんの補助をする魔法ツールです。以前より作っていたものが完成しました」
「ほー……」
私や松上少年の者と比べるとずいぶん小さい。それに可愛いデザインではないか。
純粋魔法少女のゆみかにはよく似合っているかもしれないが。
「これ、どうやって使うの?」
「後はゆみかさんに主人の紋章をつけてもらうだけです。持ち主認証ですか」
「ふーん……」
ゆみかは興味深そうに猫の像を撫でた。
すると、ふわっと猫の像が輝き出し、三色に変わっていくではないか。
いわゆる、三毛猫というやつだな。いよいよ招き猫だ。
色を得た猫型ツールは四つ足で歩き出し、ゆみかに頭をすりつけた。
「こんなのもらっていいの?」
「ええ、色々役に立つと思いますよ」
遠慮がちなゆみかに、松上少年はうなずいた。
「嬉しいけど……でも、ちょっと大きすぎるかな?」
ゆみかは猫型をなでてやりながら、困った顔で笑う。
確かに。いくら小さめでも、一般家屋に置いておくにはサイズがでかい。邪魔だ。
「心配ご無用です。邪魔なら魔法空間にしまっておけますぞ」
「そうなの」
ゆみかが目を閉じて手をかざすと、猫型の足元に魔法陣が出現。
猫型はゆっくりと魔法陣に沈み、消えていく。
「ある程度の自己修復機能もありますし、必要な時まで待機させておけます」
「そっか。便利だねえ……」
「さて、それはそれでOKとして、問題は黒羽さんですね」
「そー。スーツが不調。壊れかけ」
私はちょっと大げさに肩をすくめてみせる。
「とにかく、一度スーツのほうを見せてくれますか」
「こういうのは初めてだな……」
私はワンドを振るってスーツとヘルメットだけ独自に出して見せる。
出てきたスーツは、特に異常は見えず、新品同様に見えた。
「なるほど。以前と変わりなくか……。なるほど、なるほど……」
しかし、松上少年は出てきたスーツを四方八方から見つめ、頭を振る。
「やっぱり、限界がきてしまったんですな……。本気で戦う以上、このスーツを使うのは少し無理があるでしょう……」
「そうか。うん、やっぱり、そうか……」
「これをくれた相手との連絡がついたりは、しませんよね……」
首を振る私に、松上少年は目を閉じたままヘルメットに触れる。
「何か策があるかもしれませんので、工夫してみますが、あまり期待しないでください」
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