その17、ヒロイン登場!?
――魔力集中攻撃。大型攻撃魔法。
新技のイメージが、浮かび私をカッと熱くさせた。
ここで、大技で一気に倒す……!
そう決めたけど、まだ蜘蛛糸でやられたままだ。
何とか脱出したいけど、気がはやるばかりである。
まだ飛んでいられるけど、動きは鈍い。
この蜘蛛糸、物理的な拘束だけじゃない。
どうやら、こっちの魔法や魔力を封じる力があるようだ。
それでも完全ではないので、今は何とか飛べている。
でも、これじゃただの的。
やっぱり、鈍ったところを逃すつもりはないらしい。
黒蜘蛛は、今まで以上に蜘蛛糸を連射してきた。
今度はほとんど命中。
私は雪だるまみたいになって落下してしまった。
糸玉のせいで、落ちた衝撃波はない。
ないけれど……動けない。
まずい、まずい、まずい。
――魔法力燃焼。封魔に対抗。
魔力をガソリンみたいにして、発火。
これで糸を焼き切れば……!
私は何とか身を起こす。
けれど、落っこちた私を狙い黒蜘蛛が突進してきた!
その巨大な顎は、蜘蛛というよりトラかライオンみたいなだ……。
いや、むしろカバ?
急がないと……!!!
私は半ばヤケクソで魔力を燃焼させる。
ボッと紫の炎が、私を拘束する蜘蛛糸についた。
けど、ダメだ。間に合わない!!
敵はもうすぐそこ……。
その時、不意に薄いピンクの閃光が走った。
光は黒蜘蛛を直撃し、動きを一瞬鈍らせる。
なんだ……?
黒蜘蛛にダメージは……ないみたい。
だが、蜘蛛は何か反応して私から気をそらしている。
見ると――
校舎の上空に、可愛らしい衣装の女の子が一人。
何か魔法の杖っぽいものを構えていた。
あれって……。
「リリアン……ゆみか?」
私は小さく、それこそ蚊の鳴くような声でつぶやいた。
空には、魔法少女となったリリアンゆみかの姿があったのである。
もう今さらだけど……。
完全にアニメからそれたな、これ。
と、黒蜘蛛はその凶悪な顎を空のゆみかに向けた。
標的は完全に移行してしまったらしい。
ゆみかは空から何度も魔法を放っているが、効かない。
アニメで見た、あの光景だ。
……まあ、アニメではこんな化け物蜘蛛でなかったけどな。
そして、今はチャンスである。
私は一気に魔力を燃やし、全身の蜘蛛糸を焼き切った。
――緊急警告。魔力残量わずか。




