その164、ベルタエルフは素敵な美女
ベルタエルフの女性は、美しいだけではなかった。
……まあ、なんというか。色んな意味ですごい迫力である。
かなり下品で猥雑な表現だけれども……。
『エッッッッッッロ!!!』
と叫びたくなるような色気と魅力を持っていた。
ウェーブの入った薄い緑の髪に、褐色の肌。エルフらしい横長の耳。
そして、胸には迫力満点のバストが揺れている。
お尻も同じく重量級だが、肥満という印象はない。
むしろ、全体的に引き締まった極めて筋肉質な体型だと言えた。
赤い瞳は、細めながら妖しく神秘的な輝きを帯びてこちらを見ている。
しばし、挨拶代わりの雑談を交わした後、
「……それで、狙われている男子の保護、についてなのですが」
「もちろん、喜んで」
松上少年が切り出すと、コマサは大きな胸に右手を添えて微笑んだ。
「では……」
「ええ。私たちの国で、丁重に保護いたします」
保護ね……。何というか、どうも何か引っかかるものを感じるのは何故だろう。
「あのう……。ひとつ、よろしいでしょうか?」
「ええ、どうぞ」
私が手をあげると、コマサはフッと表情を和らげて言った。
「失礼ですが、これに関してあなたがたの利益というか、それは」
「男の子や若い男性が来てくれるのは嬉しいですよ、それだけで」
「……」
やっぱり予感は当たったかもしれない。
「あのですね。つまり、これも失礼なのですが、保護された男性をどのように扱うとか」
「それはもちろん。養子として受け入れますし、結婚相手としても」
あああ。
やっぱり、そういうことらしい。いや、最初からわかっていたことか?
「なるほど、なるほど。それを望む人は多いでしょうね、やっぱり」
こんな魅力的な妖精族に誘惑されれば、誰だってうなずきたくなるだろう。
「でも、あくまで一時的に預けるだけで、ことが収束すれば帰ることを望む人は……」
「帰りたいと望まれる人は、もちろん。お帰ししますよ。」
望まれたらですが、とコマサはやっぱり微笑んだ。
これはつまり、この妖精たちに若い男子をくれてやるということになるわけか。
「もちろん、日本国に対しては最大限の援助をお約束しましょう」
と、コマサは自信たっぷりに言った。
「それは嬉しいですね」
松上少年は愛想よく笑いながら、頭を掻いていた。ただし、
『まいったな、こりゃ……』
そんなニュアンスが感じられるが。
私としても、何ともまいった気持ちだった。
彼女たちの支援は欲しい。
けど、それはつまり若い男の子たちを彼女らに差し出すということだ。
優しいエルフ属の美女たちに夫として、あるいは子供として受け入れられる。
多分本人たちにとっては、幸福だろう。
しかし、それは日本の人的資源を売り渡すということでもある。
ましてや、狙われるのは魔法の資質を持った貴重な人材の卵たち。
将来のことを考えると、『はいどーぞ』というわけにはいかない。
かといって、現状頼れるダイノヘイムの乏しいコネクションの一つ。
それをみすみす潰せない。
あああ。本当にまったくもってどうしたもんだか……。
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