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148/301

その148、助っ人はカブトムシ



「どっせい!!」



 突如太い声がして、私の前から鋏の敵が消えた。


 いや、真横に蹴り飛ばされたのだ。



 前には、黒い装甲スーツの男が肩を上下させながら立っている。


 ヘルメット前面には、金のカブトムシマーク。



<田中くん!?>


<間一髪でしたか?>



 田中くんは私に通信を送ると、蹴飛ばした鋏怪人のほうへ向き直る。



「仲間か……」



 鋏は田中くんを見て、面白そうにニタリと笑う。



「ふん」



 田中くんはメットの下で鼻を鳴らし、ゆっくりと構える。



「しゃ!!」


「なんの!!」



 二人は同時に動き、一瞬で間合いを詰めた。


 黒い拳とダークグリーンの鋏がぶつかり合い、魔力を伴った火花を散らす。



 鋏の重たい攻撃にも、田中くんは負けていない。真正面から殴り合っていた。


 殴り合いが続くが、どうやらテクニックでは鋏に、頑丈さは田中くんの様子。



「ち!!」



 いくらやりあってもらちが明かず、鋏は忌々しそうに叫んで飛び上がった。


 ガン……! と、つま先が鋭く田中くんの顔面を蹴り飛ばす。



 いけない。



 私は思わず飛び出しそうになったが、寸前で止まる。


 蹴った鋏の足を、田中くんがしっかりつかんでいたからだ。



「ふんぬ!!」



 田中くんは鼻息荒く叫んで、足ごとを鋏怪人を振り回した。


 のみならず、そのまま何度も地面に叩きつけていく。



「ぐが……! ぎゃ! げげ……!!」



 叩きつけられる度に、鋏は異様な叫びをあげた。


 しかし、田中くんの手は止まらない。



 相手が結構美人なのに、まったく手加減しないようだ。


 そういうことすら、頭から外れてしまっているのかもしれない……。



 何度か叩きつけて相手が動かなくなったのを確認してから、ようやく止まった。


 その時には、鋏怪人はもうズタボロになっていた。



 よほど強い力で振り回され、叩きつけられたらしい。


 見れば地面もすっかり様子を変えてしまっている。



「すごいな……」



 私はそうつぶやくしかなった。


 とにかく、死んでいるのかいないのか知らないが、まずは拘束を――



 私が近づこうとすると、



「……かあ!!」



 鋏怪人はいきなり跳ね起きて、田中くんに何かを吐きかけた。


 ブクブクと泡立つ、赤黒いもの……。



「うわ!?」



 不意打ちを喰らった田中くんは驚いて顔を振る。 


 その隙に、鋏は空高く飛び上がっていた。



「あ、待て!」



 私はあわてて魔弾を撃つが、相手はあっという間に高高度に行ってしまった。


 ある意味、ほれぼれするような撤退ぶりである。



 確認すると、あの怪物ガニも姿を消していた。


 残っているのは、あちこちへこんで要修理の蟹型ツール……。









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― 新着の感想 ―
[一言] 田中くん的には黒羽さんを助けられて大金星、敵に逃げられてしまったので全体的にはプラマイゼロでしょうか? プロペラ攻撃だと逃げられないくらいの重傷を負わせられたのでしょうが、さすがにそこまで…
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