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116/301

その116、絵に描いた餅では意味がない

会話シーンばかり続いています。説明回ばかりともいいますか。



「でも、男性魔法使いがたくさん必要な事態なの。魔女狩りには、ヤタガラスが」


「そうです」



 言いかける私を、松上少年は片手で制した。



「この先に高確率で起こる魔女狩りの大量発生ですが――現状のままでは以前よりはマシだがそれでもかなりの被害が出るでしょう」



 空中に、様々なグラフが所狭しと展開する。


 どうやら、異世界転移の際にこちらの大気内魔力と向こうの魔力がぶつかりあい、



「その結果として、魔女狩りがわんさか出てきちゃうようなのです」


「でも、男性魔法使いを集めても、全員が全員戦えるとは……」


「いえ。そうではなく、用は魔力の質。そこなんですよ」



 次に出てきたのは、何かの設計図のようだ。


 どうやら、魔法陣を応用した結界を生成するもののようだけど……?



「理想としては、これを日本の各所に設置して、ネットワークで結びます。そして魔女狩りが発生する前に打ち消して、発生を大幅に減らすというもの。さすがにゼロにができませんが、被害を格段に減らせるでしょう」


「すごいじゃない」


「でも、あくまで理想です。さっきも言ったようにそれには……」


「男性の魔法使いがいるわけね」


「ええ。異種族の女性魔法使いでも、代用はできません」


「けど、なんで男性? 魔女狩りの特性はわかるんだけど……」


「それは人間という種のの魔力、その特殊性ゆえかなあ」



 ヅカテ氏が言って、トンと空中を指で叩く。


 すると、一枚の白黒写真が現れた。眼鏡をかけ、着物姿の男性だ。



「彼はこの世に存在する霊的な力……魔力を、観音力と鬼神力の2種があると言っていてね。ま、実際の魔力とはそう単純な善悪とかに分けられないんだが、男女で魔力の差異があるのは事実だ。で、そこから名前を拝借して女性の魔力を観音力としよう。で、男性の魔力は鬼神力であると。魔女狩りとはいわば過剰な観音力の増加によって発生する特殊モンスターだ」



 嗚呼。まさに、魔法時代の公害。無作為に魔法を得て、乱用した結果の産物。



「その特殊性ゆえに、魔女狩りは女性の魔力・魔法を無効化する性質を持つ。これは他の種族には見られない人間特有のものみたいだね。実に興味深い。で、魔女狩りは男性の鬼神力には抑え込まれ、あるいは打ち消される。しかし、別に女性の魔力が男性に効かないということはない。全くない。これも注目ポイントだ」


「ヅカテさん、講義はまたの機会にするとして、もうちょっと具体的なことを……」



 話がそれそうだったので、私は修正を促した。



「ああ、そうだね。要はこの特性を応用して、男性の魔力を利用したアンチ魔女狩り装置をば造ろうというわけだ。この製造やら設置自体はそう予算を食うものじゃない」


「コストが良いのがけっこうなことですね。でも、それには――」


「そう、男性魔法使いがいる。あるいは大きな魔力を持った男性がね」



 言って、ヅカテ氏はため息。



「でも、異種族と関係性の微妙な現状では難しいわけだ」


「困りましたね……」


「そう現在資質のある候補者を捜索しているけど、男性自体がわりと減ってるでしょ?」



 松上少年は片手を振って、空中のグラフ類を消した。



「あんまり年少者に協力を得るのも考えものなんですよ。負荷が大きい」


「負荷が大きいと?」


「後に色んな障害が起きる危険性もある。負荷が減るように調整してもいいけど、そうなれば圧倒的に魔力が足らないわけです」


「……困ったわね」


「……そう困っているわけです」


「困ったねえ」



 いつの間にか、私たち3人は頭を突き合わせてうなだれていた。






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