表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
第一章 アズガルド大陸

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/227

敵国の切り札ゲットです

***


西部王国、人間大陸随一の魔法学園が存在し、数多くの大魔法使いを生み出した王国。

魔法と魔術を巧みに行使し、他の大陸より数百年先の繁栄を獲得しているという。


***


ベルアルが軍会議で苦虫を噛みつぶしたような顔でその場にいる全員に言う。


「諸君、西部前線の状況が芳しくないのはとっくに知っているだろう。正直、今回の侵攻において西部王国が魔導砲を持ち出したのは考えられる状況だったが、考え付いても現状我々にはどうすることもできない」


***


魔導砲

西部王国の切り札の一つ。

数百メートルを超える巨大な砲身にドラゴンの心臓を植え付けた巨大な大陸間破壊魔力砲。

その巨大な姿は竜の首を想像させ、放たれる暴力的なまでの魔力の奔流は直線状のあらゆる生物を蒸発させ、あらゆる物体を消し飛ばす。


***


礼儀もへったくれもなく、北王宮殿に飛び込んで軍会議の部屋をドアを蹴り開け、開口一番ベルアルに大声で尋ねる。


「ベルアル!王国存亡の危機か!否か!」


魔導砲については以前のワールドボス討伐戦の時に動画で見たことがある。一撃でワールドボスの体力を半分消し飛ばせるような核弾頭みたいな兵器だ。そんなものを都市に撃たれたら堪ったもんじゃない。


「クロウ殿!?」

「答えろ!」

「助力を依頼したい!」

「承諾した!」


急いでいたので、そのまま霊馬を召喚し、その場で飛行モードになってもらい、宮殿の窓ガラスをぶち破ってベルアルに手短に尋ねた。空を飛んだまま後ろ手で魔帝の権能を行使し、<魔導:時間遡行>でぶち破ったガラスを修復し、そのまま次のガラスをぶち破り、修復してはなりふり構わず西部前線へと爆速で飛んでいく。


西部前線の状況はある意味ではべオスたちのいる南部より悪かった。強力な西部魔法兵の集中砲火により、城塞都市を守る魔法障壁は今にも消滅しそうで、南部王国兵が無尽蔵に城壁へ登ろうとしている。また、その魔法兵の後方では既に魔導砲が持ち出され、その竜の首は都市を向いてチャージを開始していた。絶体絶命。クルーリのように裏切者はおらず、前線の北方兵たちは果敢に撃退しているが、それも時間の問題。今はとにかく手早く現状を打開しなければいけなかった。


クロウはアイテムボックスから痛み止めのポーションを取り出すと、一気に二本飲み干す。


「魔王及び魔帝権能解放」


そういうと、クロウの体が大きく跳ね上がる。そしてクロウの体中に魔力の素になる魔素が充満する。それらは周囲から暴力的に魔力やMPを吸い取りながら、クロウの体の中に入り込み、やがて体を支配するように、クロウにもう一つの心臓が生成された。


魔王の権能、その一つに二つの命というものがある。曰く、魔王は生物としての心臓と、魔素でできた心臓の二つがあり、同時に二つとも破壊しなければ永遠に死ぬことはないという。


魔帝の権能、その一つに魔素支配というものがある。曰く、魔帝が存在する空間では、魔帝のみがあらゆる魔術魔導魔法を行使することができ、そのほかの生物は一切の魔素を伴う行為を禁止され、かの帝の前ではただの塵芥に過ぎないと。


クロウはそんな権能を二つ同時に行使した。代償は魂を引き裂かれるような激痛が襲うことだが、ある程度は事前に飲んだ痛み止めで緩和できていた。そして、クロウは姿かたちを魔帝のまま、その暴力的なMPと魔力を持って一つの魔法を唱えた。


「召喚:<六道顕現・餓鬼道>」


そういうと、巨大な赤い渦が西部魔法兵と南部王国兵の足元に現れた。誰もがその渦に気を取られていると、中から()()()()()()()()()が出てきた。背丈が1mを超えない小さな鬼は、近くにいる兵士に飛び掛かる。だが、その口を開けて兵士に嚙みつこうとした瞬間、兵士は全身が火に包まれ、そのまま炭となった。それを見た小さな餓鬼は怒りと悲しみが混じった甲高い声を上げ、次の兵士に飛び掛かった。魔法兵と王国兵達が事態の異常さに気づいたのは、その赤い渦からひっきりなしに出てくる赤い餓鬼を処理できなくなってからだった。一体一体は非常に弱く、一撃で倒せるくらい弱い。だが足元の赤い渦から無限に何体も何体も何体も出てくる。しかも触れられば一瞬で燃えあがり炭になる。前線はあっという間に崩壊し、魔法が使えない魔法兵と恐怖で逃げ出した王国兵は全て餓鬼の餌食になった。もちろんその間、クロウも何もしてないわけではなく、こっそり魔導砲に近づき、魔帝の権能で魔導砲に刻まれた使用者登録を抹消。こっそり西部王国の切り札を拝借した。あと西部魔法兵の装備も何セットか剥ぎ取り、これら全て領地に持ち帰って研究することにした。


気が付いたら敵兵の悲鳴は止み、敵兵は全滅したようなので、全ての餓鬼を渦に帰し、餓鬼道を閉じた。そして偽神の効果で、西部前線の城壁の上に()の魔導砲を生やしておく。魔導砲そっくりだが、威力は本物の2分の1にも及ばない。だが見た目はそのままなので、それなりに威圧できるだろう。クロウは魔王と魔帝モードを解除し、ゆっくりと愛馬に乗って再びベルアルのところへ向かった。


***


空に浮かぶ魔帝

全身から吹き出る魔力はそのまま物理的威圧となってその場にいる全ての者を平伏させた。

魔法を少しでも習ったものならわかる。根本からの違い。夥しい魔帝のMP量は、そのまま覆せない実力の差となって心を破壊する。


一人の魔法兵は愚かにも天に浮かぶ魔帝を<鑑定>しようとした。

彼女がスキルを発動しようとした瞬間、頭が爆ぜた。

どうやら魔帝の持つ情報量と魔力を読み込んで鑑定しようとした彼女の頭が耐え切れず、そのまま爆裂したようだ。


そして足元の渦、魔帝が生み出した赤い渦は、悍ましい小鬼を無数に生み出した。

餓えた小鬼は次々と近くの魔法兵に飛び掛かり、燃えカスへと変えていく。

王国兵も最初は対応できてたが、次第に数が増え、手に負えなくなり、彼らも灰になった。

そんな惨状を天にそびえる彼は、ただじっと空虚な瞳で見つめるだけだった。

ああ、神よ、私はなぜここに.....


***

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ