表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された人質聖女なのに、隣国で待っていたのは子犬系王子様との恋でした  作者: 海空里和
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/44

【幕間】

 ノアがフレヤと合流する数時間前。


「ノア、今日はめでたいな~」


 裏方として動いていたノアは、数人で固まっていた騎士のグループに捕まっていた。


「みんな、飲みすぎじゃないか?」


 すでにできあがった騎士たちに水を差しだすも、逆に酒をすすめられる。


「ノアも飲もう~」


 仕方なく一杯だけ付き合うことにした。が。


「あれ、フレヤさん」


 騎士の一人がフレヤを見つけ、ノアが反応する。


 フレヤはキリと楽しそうに話している。


「あの二人、仲いいよなー」

「そうそう、よく話してるし」

「……そう、なのか?」


 キリはよく働くが寡黙だ。フレヤと話すところを見たことはあるが、そんなに頻繁なのかと驚いた。


「あの二人、できてんのかな~?」

「はあ?」


 ぐいっと酒を飲み干して心を落ち着ける。


「なんだなんだ、ノア、お前がフレヤさんの本命か?」


 酔っぱらった一人がノアに絡む。


「竜騎士じゃないやつなんてダメだ!」


 ノアはまた酒を飲み干すと、グラスをテーブルにだんっと置く。


「ははは、お前、フレヤさんのお父さんかよ!」

「なんだなんだ、竜騎士ならいいのか~?」

「なら俺、立候補しようかな~」


 酔っぱらった騎士たちが悪乗りで騒ぐ。


(そうだ……竜騎士じゃない僕なんて……)


 どんどん注がれていく酒を次々と飲み干す。


「その辺にしとけ」


 酒を取り上げたのはエミリアだった。


「ノア、聞こえてたぞ。フレヤがそんなもんで男を判断するものか」


 そうだ。彼女は肩書きや噂で人を判断する人ではない。


「フレヤは美人でいいやつだからな。他の男に取られるぞ」


 ――だめだ。


 そう思ってフレヤのほうを見れば、すでにキリはおらず、ユリウスと話していた。

 二人の距離は近く、フレヤの態度も砕けているように見える。


(フレヤさんは……兄上みたいな人が好きなのかな?)


 それなら敵わないと思うのに、足はフレヤに向かっていた。


(兄上にはエミリアがいるんだから、フレヤさんが傷付くだけだ)


 言い訳を並べながらノアは走り出していた。酔っぱらっていたため、判断能力が鈍っていたのだ。


 なお、この後の一世一代の告白も忘れることになるとは、このときのノアは知らない。

沢山のお話の中からお読みいただきありがとうございます!次話より第三章に入ります!

ぜひ作品のブックマークをしてお待ちいただけると嬉しいです(^^)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ