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心を舞いゆく風花は、フェルメールブルーの空に

作者: 逢乃 雫

吹きゆく風のように


咲きゆく花のように



頬にそっと


空からひとひら



舞い降りる


風花(かざはな)を感じながら



冬紅葉は


まるで金色の粉砂糖を



景色にやさしく


ふりまいたように



夕紅色の


冬木道に見つけた



鮮やかに


映える冬ばらの花びら



道にそよぐ


冬青(そよご)はしなやかに



風冴ゆる空の


フェルメールブルーに



青く瞬く


星を追いかけながら




風のように 


星のように



南の夜空へと


浮かび上がる光は



(そら)を駆ける


おおいぬ座の星々



季節を描く


星のイーゼルの上で



ひときわ煌めく


シリウスは絵の具星



心冴ゆる


頬と宙に瞬く


風星(かぜぼし)を瞳に映しながら




風のように


花のように



星座を導く


ミルザムは先駆ける光



こころに描く


青写真の一歩ずつを



星を見上げて


大地に踏みしめながら




風は目には


見えないけれど



冬に咲く花があり


冬にも茂る葉たちが



風の行き先を  


やわらかにそよいで



こころに


透明な絵の具で描く



未来という


まだ見ぬ景色へと



誰かが描いた


道ではなくて



自分で描く


軌跡を輝かせるのは


自分自身だから




頬にそっと


空から舞い降りる



ひとひらの


風花のように



冬銀河は


まるで星の絵の具を



夜空にやさしく


ふりまいたように



星冴ゆる


宙には冬にこそ輝く



シリウスが


見守るように瞬いて




風のように


花のように



こころに吹いて


こころに咲いて



そして



こころへと


そっと とけゆく


ひとひらの、風花のように



見つめる瞳に


映る光は、フェルメールブルーの空に




















12月頃から見頃のおおいぬ座は、全星座の星で最も明るいシリウス(ギリシャ語で「光り輝くもの」)が、ミルザム(アラビア語で「先駆者」)の星に続いて夜空に上ります。


シリウスは「青星」や「風星」、「絵の具星」とも呼ばれます。画家のフェルメールが、ラピスラズリを原料にして描いた青色は「フェルメールブルー」と呼ばれます。


冬に咲くバラは、冬薔薇ふゆそうびと呼ばれ、「輝かしく」の花言葉があります。冬青そよごは常緑樹で、冬も青い葉が茂ります。風花かざはなは、晴れた冬の空に雪が花びらのように舞うことです。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
白と青の美しさ。 そして黄金色も赤も、その色を纏った景色を想像するのが、心を浄化してくれます。 星の絵の具があったら、私はとびきり煌めく3つ星を描くかも(笑) こんな風に一つ一つのお言葉がとても綺麗で…
今回もすごく良かったですが、特に こころに 透明な絵の具で描く のところから 軌跡を輝かせるのは 自分自身だから というところまでが とてもとても心に沁みました。 なんかちょっと泣けます。 …
 ラピスラズリの流れを残すフェルメールブルーをタイトルに、雲がかかる想いや思考も風に流されるように晴れ渡り、いずれは宝石のような青き輝きを放つのでしょう…☆  一際輝くシリウスを道導に進めば、おおいぬ…
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