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【3巻8/2】嫌われ妻は、英雄将軍と離婚したい!いきなり帰ってきて溺愛なんて信じません。  作者: 柊 一葉
番外編

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146/155

番外編SS 特に何ということもない話

とある夜、アレンディオは部下たちを執務室に集めた。


その表情は真剣そのもの。

何かとんでもない問題が起こったのだ、と集まった面々はごくりと唾を飲み込む。


「よく来てくれたな。これより重大な案件を議論する」


アレンディオの声は、いつもに増してよく響いた。

高まる緊張感。

いつもはのほほんとした空気を放っているジャックスでさえ、隣に立つノーファと同じくらい真剣に耳を傾ける。


ユンリエッタも、ルードでさえも、アレンディオの言葉の続きを神妙な面持ちで待った。


「書籍特典SSのネタがない」


「「「「………………」」」」


しんと静まり返った室内で、時計の針が動く音だけがやけに大きく聞こえる。


最初に口を開いたのは、スッと右手を上げたユンリエッタだった。


「それは全年齢ですか?」


「当たり前だ」


「では、わたくしに出せる案はございません」


「諦めが早い」


何事もなかったかのように、素早く手を下ろすユンリエッタ。

その表情は「あとは皆様で相談を」と丸投げする気満々の澄ました無表情だった。


「あのー、俺あんまりわかってないんすけど、1巻って俺とノーファは出てないから関係ないんじゃ?」


ジャックスから指摘を受け、アレンディオはカッと目を見開いて叱責する。


「おまえっ……!1巻に出てるからな!?」


「どこに!?」


「第32話!俺がこの部屋でソアリスに改めて告白したとき、ノックもせずに俺を起こしに突撃してきた騎士はおまえだ!!」


「うわっ、そんなの誰も気づいてませんって!」


呆気に取られるジャックス。

アレンディオは「関係ないとは言わせん」と勝ち誇った顔になった。


(アレン様、俺は1巻出てないので関係ありませんよ)


普通顔でまじめという理由でソアリスの護衛につけられた、存在感の薄いノーファは心の中で密かにそう突っ込む。


「俺は、SSでソアリスといちゃいちゃしたい……!!だが、需要があるのかわからない!」


悔しげな声。

「きりがいい数字だから」という理由だけで「10年」戦地へ送られた将軍は、本編では満足できるようなシーンが少なかったと嘆く。


「わかってる。俺はオチ要員なんだ…!ルードが何かやらかすか、俺が何かやらかすか2択なんだ」


「私を巻き込まないでくれます?」


補佐官が呆れまじりに突っ込む。


「だいたい、番外編なんて散々ここでやったはずだ!偉い人に叱られるまでは、色々やってしまえと自由奔放に書いたはずだ!それが、今さら『表で使えそうなネタが見つからない』だと!?」


「あの、そろそろ出版関連でアレなんで、本当にまともな番外編にしないと消されますよ」


「いっそ消してくれ!そして将軍も辞めさせてくれ!」


嘆くアレンディオに、ユンリエッタが哀れみの目を向ける。


「諦めが悪いです」


「…………」


このままでは埒があかない。

ため息を飲み込んだルードは、アレンディオの背をポンと叩いて言った。


「わかりました。どうにか皆でひねり出しましょう」


その言葉に、仲間たちは思った。


(((巻き添え決定?)))


今夜は帰れない。

全員の予想が一致する。


「誰得か?なんて考えていては、一向に話は進みません。ここはもう、アレン様が喜ぶ内容だけに的を絞りましょう」


「そうだな。お前の言う通りだ、ルード。そもそも俺は常にソアリスの幸せしか考えてないし、ソアリスがいればどこでも何でも喜べるし、大した問題なんてないような気がしてきた」


「ええ、そうです。特務隊は何やってもいいし、SSだって何やってもいいんです」


悪魔に勇気づけられたアレンディオは、途端にやる気を取り戻した。


「今すぐ邸へ帰る!ソアリスと一緒に幸せを噛み締めながら、幸せな二人のエピソードを作るんだ!」


「ええ、それがいいです。では、お邪魔になりますので私たちはこれにて失礼します」


「あぁ、深夜にすまなかったな」


爽やかに去っていくアレンディオ。

残された部下たちは、安堵の息をつく。


(あとは奥様に任せましょう。人身御供のようですが、アレン様がいちゃいちゃを御所望ですから…)


もう終わったと思っていた番外編に、引きずり出されること数回。

そろそろ終わりにしてほしい、と願うルードだった。




SQEXノベルさんより11月6日(土)刊行!


『皇帝陛下のお世話係~女官暮らしが幸せすぎて後宮から出られません~(1)』(ISBN:978-4757575646)


挿絵(By みてみん)


書籍版も、名前は全部ふりがな付きです!読みやすい(^O^)


名家の娘なのに、父に逆らって働きに出るヒロインのお話です!

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― 新着の感想 ―
[一言] SSのネタでしたら、双子ちゃんももう少し自我のみえる感じで登場して欲しいです。ルチアちゃんしか、あまり出てこないので、どんな双子ちゃんなのか、見たいです。
[一言] お疲れ様でした。すごく楽しかったです。、私的には、妹の       ニーナ押しです。強くたくましく 働き者!
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