第70話 困ったな
シズネさんから改めて連絡が入り、その人物がこの町に工房を開いたみたいでそこで顔合わせをすることになった。
「はじめましてハガネと言います、よろしくお願いします。」
「こちらこそソラです。よろしくお願いします。」
「「⋯⋯⋯」」
工房の中は鍛冶屋さんみたいな道具が沢山あるのが見えるけど綺麗に整理整頓されているのでスッキリしている、道具を溜め込んでいると聞いたからもっと乱雑になっているかと思ってたよ。
出て来たのは人族の女の子みたいでスチムパンク風のメカニックのような姿をした人なんだけど私と同じく話すのは苦手みたいだ。
「えっと、何かお探ししているものがあるとか。」
「そっそうですね、私の従魔が目立たないようにそれを何とか出来るような物がないかな〜と。」
暫しお互いに沈黙した後、う〜んと何やら考え込んだハガネさん。
やっぱりそんな物はないのだろうか。
「⋯今ある道具ではそういったものが無いです、でも心当りならあります。」
どうやらそれを作る材料が足りなくて出来ないものがあるらしい。
出来そうなのが迷彩服の様に姿を隠す様な物か、水の様に透明化する物、光や鏡のような物を使った目の錯覚を利用する物などが上げられた。
どれも作るのに量がいるほか、希少ドロップするようなものが必要な物もあり頓挫している物だそう。
アレーナ町の周辺に出るモンスターではあるから地道に集めればいけないことはないけど、ユウヒをその間ずっと留守番させるのはちょっとね、それにイベントが近づいていることもある。
さて、どうしようかな。
ーーー
ハガネさんとフレンドになり、取り敢えず必要な物と数を教えてもらい工房を後にした。
あまり長い期間ここに滞在すると掲示板で出たユウヒや私の事を知った人が興味本位で来るかもしれない、せっかく勇者関連のクエストをやってるのに邪魔されたくない。
ここでの勇者関連の話がすぐ終わるならいいんだけど、エルフの国の様にクエストがあると長引きかねないしね。
宿に戻る前に勇者の事を闘技場に行って確認するのが先かな?
また留守番しているユウヒとコハクにはお土産を忘れないようにしないといけないし、と考えていると。
「あのっ、すみませんっ」
突然、後ろから誰かに話かけられた。




