第23話 小さな出会い
しばらく辺りを探索してみたけれど見つからず、一度戻ってみようと引き返そうとすると、近くで大きな草をかき分けるようなガサガサ音が響き渡った。
どんどん私達の方へと近づいてくる為、戦闘準備に入るとその正体が見え始めた。
「✕っ✕✕✕✕〜!」
近づいて来てやっと分かった、凄く小さいよ!
小人族専用言語が取ってないから何を言っているか分からないけど、泣きながら小さい男の子が走って来ているので助けてほしいのだろう。
後ろから追いかけて来ているマウリの集団から。
「みんな取り敢えず助けるよっ!プリンは間違っても小人族は攻撃しないようにっ」
槍を振り回しマウリを吹き飛ばし、人命救助優先の為プリンに指示を出す。
コハクは几帳面だから心配ないけど、プリンはうっかりプチッとやりかねないから⋯。
ーーー
無事にマウリを一掃し救助を終えたけど、小人族と言葉が通じ無さそうだからどうしよう、種族専用言語の事すっかり忘れてたからね。
うーんと悩んでいると、男の子が話し掛けてきた。
「タスカタ、アリガト」
たどたどしいけれど共通言語で話せるようだ。
「オレイ、スル、クル」
男の子が手招きしながら、走り出すので追いかけてみる事にした。
器用に木の根を避けながら進むので途中見失いかけたりもしたけれど、何とか案内された場所に辿り着いた。
森の中にポッカリと直径30メートルほどの円形で一見何もない草だけが生えた空間だが、男の子が何かをかざすと、まるでヴェールが取れたように結界らしきものが消えて、巨木が一本出現した。
掲示板の小人族が書いていた通り根っこが凄くて、所々虚があるようだ。
男の子が中に入って行くと、しばらくして誰かを連れて出てきた。
男の子より少し高めの若い男性の住人小人族みたいだが、どんな立場の人なんだろう?
「ようこそ旅人の天族の方、我ら小人族の仲間を助けて下さりありがとうございました。」
「私はこの隠れ里で唯一共通言語を話せるシルファと言う者です。この子は共通言語の練習中でして、上手く話せないからと貴女を私の元へ連れて来たようです。」
なるほど、共通言語が通じると分かった男の子はシルファさんに通訳をしてほしかったようだ。
その男の子はと言うと、私とシルファさんが話している間に急いで木の根虚の一つに入って行ってしまった。おそらくお礼を取りに行ったのかもしれない。
シルファさんにこの迷いの森の事を聞いてみたら、
隠れ里の結界によって小人族が襲われ難いように外側に霧が発生しているらしい。
小人族には霧が見えないようで、旅人の小人族があの掲示板に霧の事を書いて無かったみたい。




