キャラクター紹介 第九章まで
※ ネタバレ注意。第八章後から第九章終了までの内容を反映しています。
※ 作中シナリオ順の紹介です。『☆』で区切ってあります。
※ 作中において名前が出て活躍したキャラクターのみの紹介です(一部例外あり)
※ ここで新たに登場したキャラクターには(New!)マークが付いております。
☆主人公一行
●刑部 竜一
オーガの金棒でヘムンドゥの群れと戦おうとするが、結局は銃頼りになってしまった。
上位個体と一対一になった時は決め手として使えるものの、多対一で素早い相手には不向きだった。
フォレスとの模擬試験では、オーガの金棒による打撃は通じず、銃もあまりダメージがないどころか、拳打で銃を破壊されてしまった。
変則的な手段として、中庭全体に地雷を敷き詰めて自分諸共に爆破するというやり方を使わなければ勝利できなかった。
スヴェリエ王都では一人でダンジョンに潜り、魔力銃についての考察を深め、魔力砲撃を攻撃のみではなく回復にも用いた。
ダンジョン最下部のミノタウロスを一度も死ぬ事なく倒そうと考えるも、想像以上の速さと攻撃力を前にあっさりと殺されてしまった。
●ククノ
竜一が契約している精霊の一体で、木属性。
木々を伸ばして襲い来る狼のモンスター達を締めあげて、ついには首を引きちぎってしまった。
裏界では激務に取り組んでいるらしく、死ぬほど忙しくて疲労困憊であったらしい。
昇格試験では竜一が破壊した中庭の草木を元に戻すために召喚された。
●パチャマ
昇格試験で竜一が破壊した中庭を元に戻すために召喚された、大地を司る精霊。
●リチェルカーレ
ヘムンドゥ討伐時はセリンも行動を把握できておらず、おそらくその場を離れていた。
王都クリスティアニアでは、アイグルによる人々の洗脳を解いた。冒険者ギルドでは『隠居』と称された。
刀を扱う事も出来るため、ギルドの昇格試験では居合い抜きを使ってトロルを一刀両断している。
空間転移能力も彼女の前では無意味であり、スーがその場から逃亡しようとしたのを空間に干渉して阻止している。
通信をしてきたヴェルヴァラも逆探知で位置を把握し、ボコボコにした上で拉致してきた。
カルセルの下には護衛と裏切り防止を兼ねて『狭間の空間に住まう怪物』の一体をメイドとして派遣した。
ミネルヴァから与えられた仕事の一つとして『命の種』の暴走によって生まれた『管理外世界』の消去を定期的に行っている。
その際に残された『世界の残滓』はリチェルカーレにとって良き報酬であり『力の源の一つ』として使う事になる。
ちなみに賢者ローゼステリアやその弟子達は、多かれ少なかれ『世界の残滓』を保有しており、この保有数が力の多さにも繋がっている。
ヘルゴ大司教を支配していた首飾りは普通に破壊したら内部の『穴』が暴発して大惨事になるものだったが、彼女はそれをいとも容易く破壊。
その後に残った『空間の穴』もあっさり消去してしまった。
●エレナ
ドラクセルスでは、領域内では致命傷でもすぐ死ななくて済む『女神の花園』を展開して支援。
馬鹿げた法力を遠慮なく使って身体能力を高め、トロルの首を千切り飛ばしてしまう程の蹴りを放つ事が出来る。
スヴェリエ王都では悪徳神官を成敗し、困っている人々を助け回り、アンティナートの開放も進めて行った。
ゼッテルヴァルでは幼少期の恩師であるヘルゴ大司教と再会。邪悪なる術によって変わり果てた大司教と戦い、その術から解き放つ事に成功する。
この際、アンティナートの力をさらに使いこなせるようになり、ついに『自分の世界』を作り出せる領域に至った。
洗脳から解放されたヘルゴ大司教は、ミネルヴァ聖教の裏切り者になるのを覚悟で全面的に彼女の味方となって支えてくれる事になった。
レミアが対峙したクラーケンの死骸によって汚染されかけた海を綺麗に浄化した。
●レミア
ヘムンドゥの群れを相手にしても、飛び込んできた瞬間に視認できない程の速度で切り捨てて終わらせるなど、全く相手にもなっていない。
それでも過去の事から自身を未だ力不足だと思っており、シルヴァリアスを真に使いこなすための修業を続けている。
リチェルカーレにより修業場として『管理外世界』の一つへ案内され、そこで世界一つが丸々敵と言わんばかりの大量の敵を用意された。
スヴェリエからタサヴァルタへ渡る際、クラーケンを剣で横に切り裂き、続けて縦に切り裂く事であっさり退治してしまう。
今までは力を無駄に使っている傾向にあったが、一瞬だけ一部分だけ解放して力を振るうなど、細かいコントロールが出来るようになった。
●セリン
ヘムンドゥ討伐時は陰からの支援に徹し、密かに仲間達をサポートした。
セリンは竜一に力を振るっている事を隠していたが、師匠であるフォルが自慢げに話していたためバレバレであった。
完全に気配を消してトロルの目前まで歩いていき、身体を縦に切り裂いた後、倒れ込んでくる所を斬首した。
スヴェリエ王都アルマーグでは、罠に警戒して完全に気配を消して仲間にすら存在を忘却させており、ラアルの罠を破るのに貢献した。
●ハル/影宮晴秘
契約精霊キオンとのコンビでヘムンドゥの群れと戦う。トロル程度ならキオンの力を借りずに倒す事が出来る。
昇格試験では自身を囮にしたキオンのビーム砲撃でフォレスに負けを認めさせたが、倒し切れなかった事を悔しそうにしていた。
皆が『力の発現を封じる手錠』をあっさると粉砕する中、自分だけそれが出来なかった事で実力不足を痛感。
スヴェリエ王都で一人でダンジョンに潜るも、油断してその身に毒を受けてしまった。
モンスターとの遭遇をやり過ごすため、オーガへと変身するが、そこへ運悪く冒険者が現れてしまう。
戦闘を避けるためわざと暴れて逃げる事に成功するが、そこでハルは毒の苦痛が消えた事に気付く。
変身を解除したり、あえて自傷した後に変身して元に戻ったりする事で、自身の能力が『変身した後の姿に元々の姿の状態は適用されない』事に気付く。
周りの人間達が異常過ぎるから己を低く見てしまうだけで、一般的な冒険者基準で言えばハルは充分に強いのだが、その自覚はなかった。
変身能力の反則技に関しては自身の切り札とするため、現時点では仲間にも伏せておく事にした。
●キオン
ハルとコンビを組み、ヘムンドゥの群れと戦う。己の身を肥大化させる事で、大柄な上位個体とも渡り合う。
フォレス相手には劣勢を強いられ、肥大化して突撃するも瞬間的に闘気を爆発させた彼に動きを止められた上に投げられてしまう。
その後、契約主であるハルを囮にして、契約主には全く効果がないビーム砲撃を放つ事でフォレスに負けを認めさせた。
●死者の王
最近影の中に籠りっぱなしだったせいかストレスが溜まっていたらしい。
発散のために眼力で瓦礫を崩壊させて狼のモンスターを威圧した。
後に『堕落した転生者達』の一員であるアルやラアルを、自らの配下としてアンデッド化した。
●ルー・エスプリアムール
闇の力を宿した短剣でヘムンドゥと戦い、突き刺した箇所から闇の力を流し込んで討伐を果たす。
トロル相手には精霊の力を借りず、短剣で少しずつ肉を削って弱らせ、首を突き刺してトドメを刺すというえげつない戦い方をした。
ヴェルンカストの力をその身に取り込んだ状態ではフォレスの拳を片手で受け止め、拳を握り潰す程の力を発揮する。
ヴェルンカストに連れられて『闇の領域』を訪れ、闇の精霊達との交流を果たす。
契約の影響で過剰な魔力の漏出が無くなっていたため、精霊に触れても悪い影響を及ぼす事がなくなっており、思う存分に精霊とのスキンシップを堪能した。
その属性や見た目から人間に忌み嫌われており、人間不信になっていた精霊達もルーに対しては心を開き全面的な信頼を寄せるようになった。
●ヴェルンカスト
一瞬で膨大な闇の力を流し込み、ヘムンドゥの頭を爆破させ絶命。その様子を見せる事で他の個体も恐怖させた。
フォレスとの昇格試験では、物は試しにと解放した闇の暴風によって一瞬にして消し飛ばしてしまった。
主であるルーを闇の領域へと案内し、配下の精霊達と引き合わせた。この事をきっかけに、主は飛躍的に成長を遂げる。
●フォル・エンデット
世間においては生成が難しく高価な最上位の毒回復薬『ヴェレーノ』を自作できる。
賢者ローゼステリアのしごきで毒をその身に受けた際は、全身が溶けそうになったらしい。
竜一の専属になってからは度々弟子のセリンの事を自慢げに話しており、セリンが戦う際も姿を現しては応援を送っている。
リチェルカーレの提案で、竜一達の噂を各所で振りまき『堕落した転生者達』の刺客を引き付ける作戦を担う事に。
●ミネルヴァ
王都の宿屋で竜一に『転生者』についての話を聞かせる。
あまり向こうの世界から魂を取り過ぎるのは良く無いらしく、転生者は極力増やさないつもりとの事。
また、存在の格としてはミネルヴァの方が『地球の上位者』よりも格上であるらしい。
ミネルヴァ聖教の祭儀では、大司教の演説にいちいちツッコミを入れていた。
不届きな考えを抱くヴェーゼルには罰を与え、自身を強く進行するウーデンミネルヴァ大聖堂には加護を与えた。
☆294~
●ヘムンドゥ(New!)
ドラクセルスを囲む山脈に生息する、灰色の狼タイプのモンスター。
非常に縄張り意識が強く、領域内に侵入した者に対しては問答無用で襲い掛かる。
それ以上に恐ろしいのは仲間意識で、仲間を倒した相手を決して許さず、仇を求め何処までも追ってくる。
一般個体の他に各所の群れを統括する上位個体や、全てを統括する支配個体が存在する。
一般個体は体長二メートルくらいであるが、上位個体は体長五メートルほどに達し、毛並みも濃い。
現支配個体が死者の王に屈服したため、上位個体達により新たな支配個体を決めるための戦いが始まったという。
☆386~
●ヘムンドゥ(支配個体)(New!)
同胞に拭い切れぬ恐怖を与えた死者の王を指名し、自ら滅するべく呼び寄せた。
身体に幾本もの傷が走る黒い毛色の個体で、体高の時点で五メートルに達し、体長はその数倍ある程の巨体。
死者の王と対峙して間もなく早々に格の違いを見せつけられてしまい、走馬燈が過ぎる。
生きているのが嫌になるほどの恐怖と、殺される事に対する恐怖という二律背反を突き付けられた果てに、降伏という道を選んだ。
……フリをして拘束が解けた瞬間に自害を狙うも、それすらも見抜かれ、今度こそ真に降伏し『首輪』を付けられた。
☆299~
●アンシアーノ(New!)
ドラクセルスのキャンプ地の管理人であり、ギルドマスターでもある老人。
かつてはヘムンドゥの支配個体と何度も戦ったほどの実力者で、支配個体側も『恐ろしく強い冒険者』として認識していた。
☆302~
●アイグル・アトソン(New!)
王都クリスティアニアで誰からも好かれている、王都で一番人気の冒険者。
王都の英雄とも称されており、王都の誰しもがアイグルのために行動し、王都の全てが味方でありアイグルを護る。
男性達はアイグルを全力で助けようとし、女性達は身体を売ってまでアイグルのために金を稼ぐ。
また、女子更衣室に突撃して別の誰かが窓から覗いている事を指摘しても、女子更衣室に入ったアイグル自身は怒られない。
女性に最も嫌がる事をしつつ「女性の嫌がる事をするな」と主張するなどの言動の矛盾も、周りから全く批判されない。
実は無意識に領域を展開しており、本人の全く知らないうちに王都内の人々を操り、自分の都合の良いように事を運ばせていた。
故にその罪を追及しても全く認識できておらず、家族と対面させて話をさせる事で己の能力を自覚させるに至る。
王都の人達からボコボコにされた後は、ミネルヴァの力で能力を消したが、王都の人達からの風当たりはまだまだ強いだろう。
元々は竜一達と同じ『地球』出身の異邦人であり、魂を新生されル・マリオンの住人として生まれた転生者。
十歳までは純粋なアイグルとして育つが、十歳になった時に転生前の記憶を取り戻すと同時に力を発現。
前世の名前は春日井楼利。世界的に疫病が蔓延し自主規制を強いられるような時代で在宅勤務中に死亡。
☆304~
●エシラ・アトソン(New!)
アイグルの妹。アイグルが転生者である真実を知らされた後も、兄に対する気持ちは変わっていない。
☆307~
●イチエ(New!)
王都クリスティアニアの冒険者ギルドの受付嬢。
結構ズケズケ物事を言う性格で、アイグルの影響で冒険者ギルドがクソ忙しい中、体よくサボるために昇格試験の担当者となった。
あえて竜一達の一行を煽るような事を言ったりもしたが、リチェルカーレによって釘を刺されて以降は自重するようになった。
お金を握らされたら試験結果を盛るらしい。先代ギルドマスターのイチゴは父。
●トロール(New!)
王都付近の森に生息する、小柄なモンスター。
人間に対しては小さな悪戯をする程度で、人間からも『妖精』のように思われており敵対はしていない。
外来種のトロルによって迫害を受けているため、人間を見かけると助けを求めてくる。
●トロル(New!)
王都付近の森へと進行してきた外来種。数メートルはあろうかという巨漢で、パワー全振りで守備力は低そうな外見。
彼らが体内に有する魔石は紫色のゴツゴツとしたもので、大きさは野球ボールほど。一応は肉も食料になるらしい。
トロルの中でも違うタイプが存在するようで、脂肪を蓄えた力士のような姿のトロルや、オーガのように筋肉質なトロルも居る。
☆309~
●ガンプ(New!)
竜一達の昇格試験の実技担当。Aランク冒険者だがガラが悪く、試験でも度々不正を行うクズ。
いきなりそのクズっぷりを発揮したため、女性陣一同から容赦なくフルボッコされた。
『冥王のゆりかご』によって死んでも蘇る状態にされているため、昇格試験中に何度も死んでいる。
過去に「俺の女になるってんなら一発合格させてやってもいい」と女冒険者に持ち掛けており、口車に乗ってしまった者もいた。
☆310~
●フォレス(New!)
王都クリスティアニアのギルドマスター。
上半身は胸部アーマーを装着するのみで、まるで鍛えられた己の肉体を周りに見せつけているかのような筋骨隆々ぶり。
Aランク冒険者のガンプとは幼き頃から共に夢を追ってきた仲だったが、当時のギルドマスターのイチゴの推薦でギルドマスターを継ぐ事を決める。
その影響で共に冒険する事が出来なくなり、仲間達もフォレスとの交友で組んでいたため離れていき、どんどん歪んでいってしまった。
フォレスはそんな彼に昇格試験の試験官などギルドの仕事を任せるなどして厚遇し、何とか機嫌を取ろうとしていたが、それも叶わなかった。
不正をしていたガンプに代わり、竜一達の試験官を務める。
闘気を爆発させて肥大化したキオンの突進を止めた上に投げ飛ばし、腕でハルの剣技を裁く技量も見せる。
ハルが自らを囮にして撃たせたキオンのビーム砲撃の直撃を受けるが、全身が焼かれたようになりながらも致命傷は負っていなかった。
ルーとヴェルンカストを相手にした際は、圧倒的な闇の力を前に手も足も出ず、二回も殺される事になってしまった。
全力で闘気を高め、三戦の如き姿勢で身を固めた時には、その肉体はオーガの金棒で殴られようともビクともしない堅牢さを誇る。
しかし、中庭を丸々爆破する竜一の自爆攻撃には耐えられずに爆散してしまった。最終的に『流離人』の力量は充分であると認める事になった。
力量だけならもはやSでもいいと認めた事もあり、本来ならAランクから渡す冒険者用の連絡カードを渡す事に決めた。
かつてのBランク昇格試験で既に流離人がAランク以上に相応しい実力である事を知っているため、Aランク昇格のために訪れた際は試験を免除した。
☆311~
●イチゴ(New!)
王都の先代ギルドマスター。駆け出しの頃からフォレスの面倒を見ており、引退する際はフォレスに後を託した。
受付嬢イチエの父でもあるが、コネなどは使わずちゃんと試験や面接を経てヒラ受付嬢から採用している。
先祖は『和国』の出身者であるらしい。
☆317~
●イー(New!)
『堕落した転生者達』の一員で、チームのリーダー。赤色の短い髪で、軽装鎧に大きな剣を背負う戦士タイプ。
他の仲間達もだが『堕落した転生者達』に属している者達は皆元地球人が転生した存在である。
元々の世界を切り捨てた身で郷愁や未練などは微塵もないため、地球人時代を掘り起こされる事を嫌う。
イーは『何でも斬れる力』を与えられており、力を溜めた時間に応じてどんなものでも斬れるようになる。
他の仲間達にも共通している事だが、彼らの能力には『際限が無い』という点が共通している。
アル以外揃って異空間に閉じ込められるが、話を聞こうとしていたアルが気絶したため異空間から解放される。
竜一達の一行には逆立ちしても勝てないと悟り、それなら裏切り者として刺客を放たれた方がマシだとして開き直った。
その際、自分達に牙を剥いてきたアルを始末するように言われ、アルの首に剣を振り下ろすが……斬れなかった。
結局サンがイーの剣を踏みつける事で首を落とす事になり、未だにアルへの情が残っていたイーは救われる事となった。
アイグルを勧誘するためにやってきたが、竜一達に敗れた事やアイグルが力を失っていた事もあり、どちらにしろ失敗する運命だった。
最終的にはヴェルヴァラの旅に同行。共にヴィルシーナ魔導国に向けて旅立つ事になった。
●アル(New!)
『堕落した転生者達』の一員で、フード付きのコートを纏った黄色い髪の少年。言動が高圧的で慢心が見て取れる。
他の仲間達が捕らえられた後も竜一達を相手にイキっていたが、あっさり倒されて拘束されてしまう。
竜一達に勝てないと悟り組織を裏切ろうとしていた仲間達に絶望し、仲間達を殺す事で『裏切り者を始末した功績』を得ようとする。
その際、仲間達からは恨み辛み含めて言いたい放題言われてしまっており、当人は口をあんぐりさせてガクガク震えていた。
本人は自分達を誇り高き『実働部隊』であり、沢山いる同胞達の中から最前線で動く役目を与えられた『選ばれし者』と思い込んでいるが、実際はパシリである。
袂を分かった事で、ケジメとしてイーによって首を落とされる事になるが、イーが躊躇ったため最後の一押しをしたのはサンであった。
死亡したアルは死者の王に忠誠を誓う配下としてアンデッド化させられた。
首を切断されたデュラハンのような状態になりつつも、明るく軽口を叩くなど整然とノリは変わらない。
イーから再び仲間に誘われたが、自身は闇の住人として生きていく事を決め、王の下にとどまった。
後に王の傘下になったラアルに対して先輩風を吹かすが、ガキの言葉だと一蹴されてしまった。
●サン(New!)
『堕落した転生者達』の一員で、緑色のモヒカンが目立つ体格の良い男。見た目に反してヒャッハー系ではなく、頼れる兄貴系。
サンは『身体強化能力』を与えられており、力を溜めた時間に応じて肉体を強化する事が出来る。
裏切ったアルを始末するべくイーが首に剣を振り下ろしたが、情が残っていたために手を止めてしまった。
そこでサンが剣を踏みつけてアルの首を落とした。心優しいイーに出来ない事が分かっていたために咎を引き受けたのだ。
●スー(New!)
『堕落した転生者達』の一員で、感情の起伏に乏しく、淡々とした話し方をする少女。
目的を優先してその場から脱しようとしたが、空間転移を先読みしたリチェルカーレ阻止される。
スーは『何処へでも移動できる能力』を与えられており、力を溜めた時間に応じてその移動範囲は増す。
彼女の力もまた理論上は際限がなく、その気になれば常軌を逸する程の距離をテレポートする事が出来てしまう。
しかし、彼女自身が試した限りでは『地球の表から裏へ飛ぶ』くらいの移動には数分間の集中が必要。
●ウー(New!)
『堕落した転生者達』の一員で、「ですぅ」「ますぅ」口調でゆったりとした話し方をする桃色の髪の少女。
ウーは『回復能力』を与えられており、力を溜めた時間に応じてその効能は増す。
傷の治療のみならず、疲労感や病気の回復、果ては欠損レベルの重傷すら直す事が出来てしまう。
しかし、この世界に生きる者達には蘇生を行う事が許されていないため、蘇生は不可能。
☆320~
●ヴェルヴァラ・アイコーシャ(New!)
『堕落した転生者達』の参謀。長い金髪を揺らす美形の男で、ガリア王国の貴族アイコーシャ家が嫡子だった者。
一昔前の西洋の騎士を思わせる服装を身に纏っており、見た目で身分や位が高そうなイメージを思わせる。
名前が示す通り、転生前は『ベル○イユのばら』を愛読しており、格好もその影響。実はアイコーシャ家に転生したのはミネルヴァの采配。
派遣していたイー達に位置把握魔術と監視魔術を仕込んでおり、アルが死んだ事で緊急事態と判断され彼が気付く事となった。
しかし、通信を送ってきたのが運の尽き。リチェルカーレに逆探知され、ボコボコにされた上で捕獲された。
タコのように腫れ上がった顔になってしまった彼だが、なおもこっそり通信で助けを求めようとしたため、通信先の相手を捕縛されてしまう。
参謀という幹部の立ち位置であるが、通信能力を買われて伝令役を任されているだけで、実は戦闘能力はそんなに高くない。
最終的にはリチェルカーレの紹介で、ヴィルシーナ魔導国のローゼステリア魔導学院への保護を求めて旅立つ事になった。
☆323~
●ファースト(New!)
『堕落した転生者達』のボス。組織を作った最初の存在。公に姿を現した事がないが、声色は男であるらしい。
参謀であるヴェルヴァラとも壁越しにしか話した事がなく、その際にも「ファーストとでも呼んでもらえれば」と言っていた。
さすがに『邪悪なる勇者達』のボスと合流する際は、失礼に当たると判断したのか直接対面して話したとの事。
☆326~
●カルセル(New!)
スヴェリエ王都アルマーグ警備団の団長。いくつもの勲章が装着された軍服を身に纏った、サラサラした金髪をなびかせる美形。
王都に来訪した竜一達を問題事を起こしたとして捕らえたが、ラアルによって仕込まれた罠だと判明して誤解は解けた。
実は侯爵の家系であり、捕らえたお詫びとして竜一達を王宮でおもてなしする事にしたが、そこには貴族ならではの打算があった。
おもてなしの料理にゲマイン卿の配下のメイドが毒を仕込んでいたが、それを見抜いた上で逆にカルセル卿を罠にかけた。
また、この騒動を機に他の貴族達への威圧として凄腕冒険者の後ろ盾が欲しかったらしく、竜一達の力を買ってその意図を申し出た。
一方でカルセルも竜一達のバックアップを約束し、互いの利益が一致した事もあって手を結ぶ事となった。
竜一達が離れた後の不安を打破するため、リチェルカーレが眷属の一人であるメイドを派遣した。
しかし、そのメイドの正体は異形の怪物である。カルセルの護衛であると同時に、カルセルの裏切り防止でもあった。
●ラアル(New!)
『堕落した転生者達』の刺客。スリットの深いチャイナドレスのような服を身に纏う妖艶な女性。
お約束のようなお団子付きの黒髪ロングヘアーで、武器として鉄扇らしきものを持っている。
竜一達を罠にかけて警備員に捕らえさせ、警備団のアジトに無味無臭の痺れ粉を仕込んで動けなくした。
しかし、セリンによって罠を打破され、背後から胸部に刃をねじ込まれた上に内部から爆破されてしまう。
死に際に己の身体を爆散させて猛毒を巻く罠を仕込んでいたが、それすらも読まれてエレナにガードされてしまった。
血肉と化した彼女は死者の王によって再生させられ、アンデッドとして配下に加わる事になってしまう。
☆330~
●ゲマイン卿(New!)
アルマーグの貴族。脂ギッシュな太めの中年男性で、分かりやすく豪奢な格好をしている。
カルセルの提供した料理に毒を仕込み、その料理を食べて苦しむ様子を見に来たが、効果が出ない事に内心で驚いていた。
エレナから色っぽくお酒を提供しされた事でそれを飲んでしまい、顔色が悪くなり床へ倒れ込んでしまう。
☆335~
●ミノタウロス(New!)
適正冒険者ランクBの十階構造ダンジョンのボス。柄の長い大型の片刃斧を持った牛頭のモンスター。
身長はオーガと変わらないが、力自慢だったオーガを上回るほどの圧倒的な筋量を誇っている。
一度は竜一を殺すが、蘇ってきた事で動揺した隙を突かれ、金棒で左足を砕かれた後、頭を砕かれて絶命した。
☆341~
●メア(New!)
闇の精霊。闇の精霊達の町を統括する立場の存在であるが、闇の精霊全体で言えばナンバー3の実力者。
闇は『魔』や『邪』と言った悪しき力に近しく、姿形にも禍々しさや悍ましさが表れる事が多いため、人間から忌み嫌われやすい。
しかし、ルーはそんな事お構いなしに皆を等しく最大限に愛し好意を向け、人間に対し負の感情を持っていた精霊達の心すらも開いていった。
そんな光景を見たメアは、自身を筆頭に闇の精霊達の全てがルーに力を貸す事を誓い、約束する。
☆343~
●ヘルゴ大司教(New!)
学業の都市ゼッテルヴァルの大聖堂を任されている大司教。
エレナが幼少期の頃に指導を受けていた存在でもあり、その時の事を思い返す限りでは大層な人格者であったらしい。
しかし、大聖堂で再会した時には欲にまみれた邪悪な存在と化しており、自身から放つ邪悪なる力で信者や聖堂職員らを汚染していた。
さらには邪悪なる力を放つ首飾りによって異形化。エレナと激闘の末、身体に入り込んでいた首飾りは除去される事となった。
その後はアンティナートの力でヘルゴ大司教の根源を支配していた術を解除され、元の穏やかな人格者としての姿を取り戻す。
以降はエレナの頼れる協力者となり、ミネルヴァ聖教を裏切る事になるのを承知の上で信者を上手く扇動し、組織ごと後ろ盾となった。
タサヴァルタ王都ウーデン大聖堂の司教を捕縛するため、自身の立場が必要だと感じたエレナの呼びかけに応じ馳せ参じた。
☆349~
●旅する魔女ライゼ
『内側に刻まれた術式で極小の空間の穴を開き、その状態を維持する事で恒久的に力を取り出す』という高度な魔術道具を作れる存在として名前が出された。
実はかつてコンクレンツで語られた『アースシュテルヴェン王国』で起きた史上最悪レベルの惨劇を引き起こし、処刑されたという当人でもある。
ライゼもまた賢者ローゼステリア十二人の弟子の一人であり、リチェルカーレ曰く彼女は「処刑されたくらいでくたばるようなタマじゃなかった」らしい。
人間の愚かさと醜さを見る事を楽しみにしていて、あえてそういう状況に介入して最後に『救い』か『破滅』かの選択肢を与えるという。
☆351~
●病滅皇アロスティア(New!)
聖教の歴史書に描かれていた、伝説的な歴代教皇達。
当時世界的に流行していた病を滅し、疫病の危機から人々を救った。
アンティナートから顕現し、ヘルゴ大司教の支配を解いた。
●魔壊皇シェイタン(New!)
聖教の歴史書に描かれていた、伝説的な歴代教皇達。
自ら最前線で魔物と戦い抜いて魔界の侵略者を打ち倒し壊滅させた。
アンティナートから顕現し、ヘルゴ大司教の支配を解いた。
●統世皇ジュモーグス(New!)
聖教の歴史書に描かれていた、伝説的な歴代教皇達。
人と人との争いを止め世界を一つにし、その世界の統一者となった。
アンティナートから顕現し、ヘルゴ大司教の支配を解いた。
●エレファルーナ・フォン・アザマンディアス(影武者)
ヘルゴ大司教の『魂』という根源の部分を支配し、人格や思想をほぼ作り替えていた黒幕。
エレナが術を跳ね返した事により、術者当人は血を吐いて倒れる程のダメージを負わされる事となった。
それにより、オリジナルが近い場所まで迫ってきている事を察して激しい敵意を抱く。
ヘルゴ大司教曰く『人間という範疇を超えた別の何か』で『恐怖という概念が形を成して具現化した』ような存在。
リチェルカーレ曰く『禁忌の集合体』であり、既に救うのも手遅れでどうしようもない化け物に仕上がっている可能性がある。
☆355~
●クラーケン(New!)
スヴェリエとタサヴァルタの間の海にあるマーリアン島周辺を縄張りとする海の怪物。
数十メートルはあろうかという巨体で、刃を通すのが難しい程の弾力と、即座ではないが割と素早く再生する回復力を持つ。
レミアによって十字状に切り裂かれて絶命し、撒き散らした血肉が海を汚染したが、エレナによって浄化。
クラーケンは絶命したが、肉塊にはまだ生命力が残っているため、しばらくの間は自動的に再生し続け体積が増えていく。
上手くコントロールすれば少量の肉から大量の肉を採取する事が出来るため、クラーケンの肉塊を適切に管理できる者は重宝される。
☆360~
●ヴェーゼル・フォン・アザマンディアス
ヴェーゼルの所業を聞かされたミネルヴァによって処され、突然の腹痛に襲われた。
神懸かり的な力故に、総本山に集う世界最高峰の法術使い達が治癒を試みても一向に改善出来ず、一日中トイレに籠る事となった。
☆363~
●アニス
元田舎の村娘から野盗に身をやつし、最終的に神官として更生の道を歩み始めたという波乱に満ちた人生を歩む女性。
闘気に適性があったため、他の神官の護衛をしたり、不正に手を染める教会関係者を取り締まる武装神官として活動している。
そんな折、行脚に出る神官クラルの護衛として共に旅に出る事になり、現在はエスタルド大陸へ渡るに至る。
武闘神官としてのキャリアが浅いためか、クラルの護衛なのにクラルに助けられてしまう場面がちょくちょくある。
そんな己の未熟さを恥じており、オルソネーヴェの群れに襲撃されて倒れた後、自身の罪の痛みを思い出した事でスキルが発現。
かつてリチェルカーレに切断された手首が再び裂かれて血が溢れだす代わり、爆発的な力が体の奥底から湧いてくる。
●クラル
冒険者パーティ『龍伐』に所属している神官。現在は修業のため、一時パーティを解散してソロで活動中。
リチェルカーレにボロ負けした際、強くなるため修行先として神官エレナを紹介され、そのエレナのアドバイスで各地を行脚して回っている。
最初は国内が範囲だったが、やがて国内も巡り切ると、さらに見識を広げるために他の国へと飛び出していった。
護衛として武闘神官のアニスと共に行動しているが、彼女自身がランクの高い冒険者であるため、実はそこそこ白兵戦もこなせる。
そのため、オルソネーヴェの群れに追われた際、アニスの負担を減らすために囮となってある程度の数を引き受けたりもした。
●オルソネーヴェ(New!)
エスタルド大陸の北西端にある、雪が降りしきる半島アラクシャに住まう魔獣型モンスター。
いわば体長五メートルに至る巨大な『熊』とでも言うべきモンスターであり、白い毛皮に剣のように大きく鋭い爪、岩をも砕く牙を持つ。
子供をコミュニティ単位で育てており、子供を手にかけた相手に対しては群れが結集して襲い掛かる習性を持つ。
大きく吠える事で仲間とのコミュニケーションを取り、抜群の連携で獲物を追い詰めていく。
この世界には動物としてブルアン(地球で言う熊)が存在し、そのブルアンが瘴気の影響でモンスター化したパターンの一つ。
各地を巡るという作品の都合上、その土地土地で一期一会というキャラクターも存在します。
ただ、この先またかつて訪れた場所を再訪する展開があるかもしれませんし、必ずしもフェードアウトする訳ではありません。
少なくとも主人公達に積極的に関わった人達は、今後において何かしらの活躍があると思います。




