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異世界の流離人~俺が死んでも世界がそれを許さない~  作者: えいりずみあ
第七章:唐突に始まる学園モノ? 魔導学院編
290/494

キャラクター紹介 第七章まで

※ ネタバレ注意。第六章後から第七章終了までの内容を反映しています。


※ 作中シナリオ順の紹介です。『☆』で区切ってあります。


※ 作中において名前が出て活躍したキャラクターのみの紹介です(一部例外あり)


※ ここで新たに登場したキャラクターには(New!)マークが付いております。

☆主人公一行


刑部(おさかべ) 竜一(りゅういち)


伝説の賢者ローゼステリアと対面を果たし、リチェルカーレや王の本名を知る事となる。

何故かフォル・エンデットからは真のご主人様として仕えられる事になった。

エメットの勧めで精霊学科に体験入学し、精霊召喚に挑戦。前代未聞の八体同時召喚を成し遂げる。


ルーの精霊契約や精霊を用いての模擬戦、初のダンジョン探索などをこなし、リチェルカーレの補助として教育実習にも参加。

後に暴走した精霊クーの騒動に巻き込まれ、裏界『風の領域』へ行き、そこで想像を絶する巨大な精霊達と遭遇する。



●リチェルカーレ


今回は彼女の発案でヴィルシーナ魔導国のローゼステリア魔導学院へ行く事に。

目的は母親的存在である賢者ローゼステリアとの再会だった。長年ツェントラールへ引きこもっていたため、会うのは久々。

学院滞在時は強引過ぎる荒療治で問題児クラスを改善、教育実習で外へ出た所で弟弟子のカンプナルと再会する。


ちなみに本名は『カリーノ・スフィアティッヒ・プリリエースヌウィー』という。本人はこの名前をあまり快く思っていない。

と言うのも、名の由来がローゼステリアが異邦人から聞いた『可愛い』という単語のうち、三種類を語感の良さで並べたものであるがゆえ。

カリーノがイタリア語、スフィアティッヒがオランダ語、プリリエースヌウィーがロシア語である。


赤ん坊の時に拾われた子であるため、彼女が本来与えられるはずだった名前に関しては不明。

世界各地に残る『賢者ローゼステリアと十二人の弟子』の伝説の中には、大人の姿かつカリーノの名で残っている。



●エレナ


その治癒技術を活かし救護の補助をするどころか主力とも言える活躍をし、可能な限り学院のスタッフにその知識と技術を教えた。

法力の効率的な運用方法を教え、治癒対象の仕組みを生物学的な意味で詳しく伝える事で、法力が弱い者であっても治癒術の効果を高める事に成功。

ただ、あまりにも効果の高い治癒能力のためか、生徒講師問わず今までよりも無茶をしてしまう者達が増えてしまったという。


クーが暴走した際は現場の治癒要員として引っ張り出され、荒れ狂う精霊の力の中に取り残されたマーナを救い出す事に成功する。

その後はアウラの転移に巻き込まれて裏界へ。図らずも今回初めて訪れる事になった訳だが、想像を絶するとてつもないスケールに驚きを隠せなかった。



●レミア


同じ冒険者パーティとして竜一に同行してきたが、今回は出番が少なめ。


竜一が活動する陰で、卓越した戦闘技術を活かして魔導師達の実戦能力を強化するための臨時講師を務めていた。

ただ魔術を使うのみならず、前衛戦を挑まれても対応できるような魔闘術、武器に魔力をまとわせて闘う方法などその指導は多岐に渡る。

彼女の教えを受けた生徒達は、皆等しく『魔導師達は接近戦に弱い』という認識を覆す程の接近戦技術を身に着ける事が出来た。



●セリン


同じ冒険者パーティとして竜一に同行してきたが、今回は出番が少なめ。


裏方のサポート役として学院の清掃、食堂、事務方などあらゆる場所に顔を出しては如何なくその力を振るっていた。

明らかに常識の範疇を超えた超絶的な技術と知識、そしてそれらを手早くこなしてみせる圧倒的な速度は元々のスタッフ達の度肝を抜いた。

複数人分の作業も並行してこなすなど、フォル・エンデット譲りの『メイド力』はここでもそのチートぶりを発揮していた。



●ハル/影宮晴秘(かげみやはるひ)


竜一と共に異邦人と言う事で精霊術師学科の授業を体験し、精霊召喚にも挑戦。

無事にキオンというパートナーと巡り合い、ハル自身のスペックの高さもあってか早々に好成績を残す。


彼女は竜一と行動を別にするようになった後も、継続して学科の授業を受け続けていた。 

今までの経験や知識はあったが、精霊術師としては始まったばかりであるため、慢心する事なく基礎から学んでおく事を重要視。

呑み込みが早く瞬く間に知識と技術を吸収し、早々にクラスナンバーワンだったジニーとユピテルのコンビにも迫った。



☆237~


●ローゼステリア十六世(New!)


ローゼステリア魔導学院の校長を務める女性。十六世と付いてはいるが、初代の直接の子孫ではなく何の血縁関係もない。

学院で代々続く伝統として、ローゼステリアの名を冠する学院の校長を務める者に『ローゼステリア○世』という称号が与えられている。

赤い髪をポニーテールでまとめ、赤茶系の魔導師ローブを身に纏っているため、外見としては非常に鮮やかで派手派手しく見える。


校長は公募で選ばれ、最終的に様々なテストを経て世界中から募った実力派魔導師達の中から実技・知能共に最も優れた存在が任命される。

そのため、一般的な人間の中では最強クラスであるが、アルヴィースなどの伝説級の存在と比べると、どうしても劣ってしまう。


学院の顔として対外的な仕事を全て請け負っているため非常に忙しく、滅多な事では学院に顔を出さないレアな存在と化している。

表向きには『世界最強の魔導師』とされているため、学院生はもちろん外部からの人気も高く、海外諸国からは国賓待遇でもてなされる事すらある。

一方で実際の実務能力はそう高くなく、想定外の状況に陥るとテンパってしまう事もあり、そういう時は秘書のエメットに丸投げしてしまう。



●エメット・ベルダージュ(New!)


代々のローゼステリア魔導学院の校長に仕える秘書。何代も前から業務を続けているため学院の事情に詳しく、時には校長ですら頭の上がらない存在。

異邦人であり現地人と比べて並外れた実力を持つ元『邪悪なる勇者達』の全力全開の魔術を軽く防ぐなど、その実力はとてつもない。

それもそのはず、彼女こそ伝説の『賢者ローゼステリア』であった。本人曰く『世間って色々と面倒臭いから』という理由で秘書を演じている。


彼女がローゼステリアである事も相まってか、実質学院は彼女が取り仕切っているようなもので、校長の行動は上手い事彼女が誘導している。



☆238~


●ヘクセ


元『邪悪なる勇者達』の一員。リチェルカーレによって制裁された後は組織を脱退し、更生の道を歩み始めた。

しばらくの間リチェルカーレが作り出した異空間で、異形の存在を相手に死に物狂いの訓練を続け、邪神の力を失った代わりに新たな力を得た。

最強魔術の『世界最大の巨大列車砲』を強化した他、無属性の破壊魔術『フラゴル』や『鏡の迷宮』といった新たな魔術も習得。


後に正式に魔導学院の講師として迎え入れられ、その卓越した魔術を生徒達に教えていく事となる。



●ムスクル


元『邪悪なる勇者達』の一員。リチェルカーレによって制裁された後は組織を脱退し、更生の道を歩み始めた。

しばらくの間リチェルカーレが作り出した異空間で、異形の存在を相手に死に物狂いの訓練を続け、邪神の力を失った代わりに新たな力を得た。

作中ではヴェスティア、リーヴェと共に三人がかりでエメットに挑んだが、最終的に手も足も出ないままに破れてしまった。


後に正式に魔導学院の職員として採用され、用務員として学院の運営に携わる事となった他、実戦訓練の対戦相手を務めたりもしている。



☆239~



●リーヴェ


元『邪悪なる勇者達』の一員。リチェルカーレによって制裁された後は組織を脱退し、更生の道を歩み始めた。

しばらくの間リチェルカーレが作り出した異空間で、異形の存在を相手に死に物狂いの訓練を続け、邪神の力を失った代わりに新たな力を得た。

作中ではヴェスティア、ムスクルと共に三人がかりでエメットに挑んだが、最終的に手も足も出ないままに破れてしまった。


後に魔導学院の救護班として迎え入れられ、その高い治癒力やスキルで職務に貢献していく事となった。

また、同じ職場に居合わせる事になったエレナからも様々なノウハウを学び、法術の腕前が飛躍的に向上している。



☆240~


●ヴェスティア


元『邪悪なる勇者達』の一員。リチェルカーレによって制裁された後は組織を脱退し、更生の道を歩み始めた。

しばらくの間リチェルカーレが作り出した異空間で、異形の存在を相手に死に物狂いの訓練を続け、邪神の力を失った代わりに新たな力を得た。

作中ではムスクル、リーヴェと共に三人がかりでエメットに挑んだが、最終的に手も足も出ないままに破れてしまった。


後に魔導学院の職員として採用され、学院内の警備を担う他、生徒の非行や職員の不正などについても目を光らせる役割を与えられた。



●ローゼステリア(New!)


伝説に語られる賢者その人。世間ではローゼステリアは数百年前の存在であり、人の寿命を超えて現存している事は知られていない。

長い金色の髪を頭頂部で束ね左目に片眼鏡を装着した美しい女性で、ドレスのような意匠の黒みがかった装飾品がゴテゴテの魔導師ローブに身を包んでいる。

リチェルカーレにとっては自身を拾って育ててくれた母替わりであるが、母が名付けた本名については不満げであり、それが理由で喧嘩した事もある。


今までにリチェルカーレを含めて計十二人の弟子を育てあげており、そのいずれもが伝説に名を残している程の存在にまで成り上がった。

例外的な『神の如き上位存在』を除けば作中最強の存在であり、リチェルカーレをもってしても未だに敵わないと言わしめるほどの圧倒的実力を有する。

致命的な攻撃を受けて死んでもすぐ何事も無かったかのように再出現するなど、竜一とは違う意味で『不死』の領域に達している。



☆241~



●フォル・エンデット


実は賢者ローゼステリアの弟子の一人で、序列は二。リチェルカーレに次ぐ古参で、実力も次ぐ。

姉弟子にあたるリチェルカーレに対抗心を抱いており、漆黒の服装なのも黒色の衣装を好むリチェルカーレに対抗したもの。


自身の存在を世界と一体化させて『現象』とも呼べる存在となっており、世界の好きな場所に自身の分体を自由に顕現できる。

その数に限りは無く、同時に何体も存在する事が可能で、その気になれば辺り一面を分体で埋め尽くす事すら可能。

世界と一体化している間は存在が希薄となり、人々の記憶から忘れ去られてしまうが、強大な力を持つ存在には効果が薄い。


その状態でそんなに力が強くないはずの竜一に存在を認識された事により、彼女は運命めいたものを感じる。

それも相まってか、竜一こそ終生の御主人であると考えるようになり、仕える事を誓うようになった。


ちなみに今までずっとツェントラールに仕えていたのは、ツェントラールに篭っていたリチェルカーレを心配しての事だった。

超えるべき目標として対抗心を抱き、正面では張り合ってばかりだが、内心ではそういう気持ちも持ち合わせている。



●死者の王


彼もまた賢者ローゼステリアの弟子の一人で、序列は四。上はリチェルカーレ、フォル、アルヴィースの三人。

男の弟子としては一番の古参で、いわば『長男』にあたり、他の男弟子達からは兄として慕われている。

元々はミネルヴァ聖教の教皇であったが、後進に道を譲ってからは更なる高みを目指してローゼステリアの弟子に志願した。


本名は『ハイリヒ・フォン・アザマンディアス』であるが、リッチ化の影響で自身では名乗れなくなってしまった。

外部の人間が口にするのは問題ないため、本名を知るローゼステリアが口にした事で、竜一達も彼の本名を認識する事となった。

実はエレナの先祖にあたる存在だが、彼は「まだその時ではない」として、エレナに素性を明かすのを先送りにしている。



☆242~


●レーレン・エンセニャール(New!)


ローゼステリア魔導学院の精霊術師学科で講師を務めている女性。当然の事ながら、自身も精霊術師である。

想定外のトラブルに弱く、講師の立場も忘れてワタワタと慌てふためいてしまう事もある。


極限状況下で開花する力もあると考えているため、模擬戦でイジメに近いような一方的な試合運びがあっても止める事はしない。

それは学院の治療体制がバッチリである事や、本当にヤバイ時は自身で止められるからと考えているが故の事である。

しかし、精霊の暴走事故が発生してからはその姿勢も問題視され、最終的にしばらくの減給や研究の禁止が言い渡された。



☆243~



●サディーク(New!)


シリア陸軍の第一軍団兵士。戦場カメラマンだった頃の竜一の、現地での戦友。死に際も見送ったのも彼である。

竜一が命懸けで助けた少女アマルを親代わりとなって育てており、いつか希望に満ちた安全な地に送り出そうと考えている。

現在は部隊のまとめ役にもなっており、都市ダルアーで反政府勢力の残党と戦う日々を送る。



●アマル(New!)


竜一が自らの命と引き換えに助けた少女。サディークが父親代わりとなって育てている。

サディークが所属する部隊の中ではマスコット的存在になっており、皆から可愛がられ大切にされている。

特に女性兵士達からは勉強を教えてもらったり、自らの身の守り方を教えてもらったりしている。



●ジェール(New!)


ロシア軍から派遣された軍事顧問。二十代と若めながら本国の徹底的な訓練を潜り抜け、発展途上国の軍に指導できる力量を持つ。

ある日、任務に出て以降からしばらく行方不明となっていたが、後に無残な姿となって基地へと戻ってくる事となる。

配信された映像では拷問の様子が映されていたが、ジェールは最後の最後まで弱音を吐かず、死の間際まで不敵に笑ってみせた。



☆244~


●キオン(New!)


ハルの精霊召喚に応じて現れた小型の動物型精霊。モチーフは小型の鹿類であるキョン。

本来のキョンは不気味な鳴き声であるが、彼は可愛らしく「キョン」と鳴く。ハルにとってこの鳴き声は何やらモヤるらしい。

小型ではあるが契約主のハルの力を反映するかのように高い潜在能力を見せており、いきなりの模擬戦も勝利で飾る。


力を開放する事でヘラジカのような大きな姿になる事が出来るが、この姿をハルに嫌われないか不安視している。

だが、その姿も「カッコイイ」と言ってもらえた事で、以降は躊躇いなく大型化するようになったとか。



☆245~


●ワイティ(New!)


竜一が契約した精霊の一体。マスコットじみた三頭身くらいの小さな人型で、サラサラの金髪が腰まで伸びている。

目元が隠れるほどに前髪は長く、頭には一対の小さなツノがある。胸元と腰回りは羊毛の如き白いモコモコに包まれている。

基本的にのんびり屋で間延びした話し方をし、語尾を「~」で伸ばしがち。


雷を司る精霊であり、彼女の意志で『雷の使用そのもの』を封じる事が出来る。

また、並の精霊ならば弾け飛んでしまう程のルーの力をその身に受けても、多少デブる程度で済んでいる。

彼女が最初に竜一の呼びかけに応じたため、契約した精霊達の中では筆頭扱いとなっている。



●ウェスタ(New!)


竜一が契約した精霊の一体。赤髪のおかっぱ頭で眼鏡を着用し、ビジネススーツを身にまとったキャリアウーマン風の姿。

ワイティと同じく三頭身くらいの小さな人型で、眼鏡を人差し指でクイッとするのがクセとなっている。

炎の精霊であるが『氷のように』冷静な性格をしたクールビューティ。物腰は非常に丁寧で、常に落ち着いている。

ただし、腐れ縁である水の精霊ヴァルナとのやりとりにおいては、感情を乱してしまう事もある。


竜一の精霊召喚時ワイティにしがみつく形で一緒に現れた精霊で、ヴァルナに煽られる形で多人数契約を望んだ。

とは言え、彼女自身も竜一の有する気の魅力に惹かれていたため最終的には己の欲に従った形となる。



●ヴァルナ(New!)


竜一が契約した精霊の一体。ボサボサのショートカットで少年のように見えるが女性型精霊である。

水色の髪は属性通り水の精霊らしい特徴だが、性格は『炎のように』熱くまるで体育会系の少年のようなノリ。

炎の精霊ウェスタとは腐れ縁。割と考えなしに発言したり行動したりするため、ウェスタからよく説教されている。


竜一の精霊召喚時ワイティにしがみつく形で一緒に現れた精霊で、竜一の力に惹かれたためウェスタを巻き込み多人数契約を望んだ。

ウェスタ共々『母様』なる存在を恐れており、何やら常にル・マリオンに滞在し続ける事が出来ない理由があるらしい。



☆247~


●ユピテル(New!)


ジニーの契約精霊。銀髪をポニーテールに纏め、まるでビキニのように布面積の少ない衣装を身に纏うグラマラスな女性型の精霊。

雷の精霊であり、己の実力に絶対の自信を持っている。口調も尊大で高飛車な話し方をするが、恐怖を与えられると大きく取り乱してしまう。

実はワイティとは繋がりがあり、向こうからは『ゆっぴ~』と呼ばれる。過去に圧倒的なトラウマを植え付けられてしまった経緯がある。


ワイティの前では赤子のように捻られてしまったが、クラス内においては他の追随を許さない圧倒的実力者である。

講師陣の契約精霊のほとんどと互角に戦えるほどの力量もあり、精霊としては決して弱い存在ではない。



●ジニー・ランプロス(New!)


ユピテルと契約している精霊術師学科の生徒でクラス一の実力者。金髪の縦ロールが派手。

国内では有数の貴族家系であり、その身分に加えて実力もある事でかなり尊大で高飛車な一面がある。

そんな性格であるが故か、ユピテルという似た者精霊を召喚して契約するに至った。


異邦人でありキオンと契約したハルが短期間で一気に肉薄してきたため、一方的に強いライバル心を抱いている。

ユピテルと比べ危機感知に鈍感で、無自覚に無謀な事をしてしまう危なっかしい一面がある。



☆249~


●ルー・エスプリアムール(New!)


通称『精霊殺し』と呼ばれる少女。彼女と契約した精霊は次々と非業の死を遂げているため、そう呼ばれる事になった。

周りから危険視されてその噂が魔導学院にまで届いたため、精霊術師の保護も兼ねて学院へと編入された。

実は『超過剰供給体質』という症状の持ち主で、内に想像を絶する程の力を蓄えている上に、精霊に供給する力量を加減できない。

いわばコップに水を注ぐつもりで大瀑布を叩きつけていたようなもので、並の精霊ではそれに耐えられず死んでしまっていた。


後に『契約者殺し』と呼ばれる、人間の力を過剰なまでに吸い尽くす闇の精霊ヴェルンカストと契約を結ぶ事になる。

尋常ではない力を供給してしまうルーと、膨大な力を吸い尽くすヴェルンカストは、運命とも言えるレベルで噛み合ったのだ。

外見が恐ろしく放つ力も恐怖を呼び起こすヴェルンカストを全く恐れず、ヴェルちゃんという愛称で呼んでいる。


精霊術師としての経験が浅いためか、教師相手の模擬戦でヴェルンカストの大き過ぎる力を全力で放とうとしてしまう。

ヴェルンカストからあまりにも状況を考えない事を説得された事で、力の扱い方をようやく考えるようになる。

だが、それでも学院講師からは手の余る存在となってしまい、もはや誰も彼女達を指導する事は出来ないと匙を投げられる。


学院から追い出される形になってしまったが、代わりに竜一達の旅に同行する事で学ぶようエメットから提案される。

せっかくだからとこの機会に広い世界を見て回るのもアリかと考えたルーは、そのまま旅に出る事にした。



☆250~


●タルタ(New!)


竜一が契約した精霊の一体。腰まで届くようなサラサラした黒髪にパッチリした目つきの少女型精霊。

髪色以上に黒いワンピースを身に纏っており、闇の精霊ではあるが暗い印象はなく、ノリが良く明るい性格で割と軽い口調で話す。

ワイティにしがみつく形で一緒に現れた精霊で、竜一の力に惹かれたため多人数契約を望んだ。


ルーに契約精霊を紹介するために現れ、裏界の『闇の領域』の最深層――ヴェルンカストの眠る地へと導いた。

その後はルーの指示でうっかり大陸を沈めようとしてしまったヴェルンカストを止め、己の身体を縮小化させる方法を教えた。



●ヴェルンカスト(New!)


裏界の闇の領域、その最深部に封印されていた闇の精霊。

邪神を自称しているが、これは後述する事件の影響で名乗るようになったもの。


外見としては鋭い牙が並ぶ大きな口に、見る者全てを射殺すような鋭い目。人外ならではの紫という体色。

頭部には神官が被るような帽子を身に着けているが、それを突き破るようにして巨大な角が左右に伸びている。

長期間封印されていたためか、金属パーツが各所にあしらわれた豪奢な衣装は全体的に朽ちている。


人間界へ行きたいがあまり、無差別に精霊召喚に応じては契約を結ぼうとし、分不相応な者達から容赦なく力を奪い死に至らしめていた。

本人としては人間を殺すつもりなど毛頭も無いのだが、彼の人間界顕現のために求める力があまりにも大きすぎたのだ。

人間側から邪神と扱われる程の事態を重く見た精霊側は、人間達によって討伐される前に彼を裏界の奥深くへと封印する事を決定した。


その後は長きに渡って封印されるが、タルタの手引きによってルーと言う少女と巡り会う事になり、念願の精霊契約を果たす。

最初は本体そのままの大きな姿で人間界へ出てしまうが、このままでは主と共に居られないという事で、タルタから身体を縮小する術を学んだ。

以降は小柄な状態でルーのそばに付き従っているが、状況によっては空気を読んで透明化し、周りを警戒させないようにもしている。



☆252~


●マーナ・パラヴィーナ(New!)


精霊術師学科に所属する男子生徒。小さな馬型の精霊クーと契約している。

弱気ながらも心優しい少年で、例え死んでも蘇る仕組みの精霊であっても傷ついてしまう事を嫌っている。

そのためクーがピンチになるといつも身を挺して庇っているが、それが却って精霊の成長を阻害している事に気付いていない。


クラスからは最弱と馬鹿にされ、模擬戦でいつも少なくない怪我を負わされている。

そのダメージ源はほとんどがクーがピンチになる度に自ら出て行って庇ったものであるため、ある意味自業自得である。

だが、ある模擬戦でに相手精霊の攻撃を致命的な形で受けてしまい、瀕死の重傷に陥ってしまった。


その影響でクーが暴走してしまうトラブルが発生するも、クーの暴走は抑えられ、マーナは治療を受けて回復。

クーを巡って起きた様々な出来事を一切知らないまま、再びクーと共に過ごし始めた。



●クー(New!)


マーナと契約している精霊で、小さな馬のような姿をしている。基本的に「クー」としか鳴かない事から、マーナはクーと名付けた。

音声的には鳴き声しか聞こえていないが、契約者であるマーナは何となく意思のようなものを感じられるらしく、意思疎通は出来ている。

ただしそれも完全ではなく、ピンチの時に立ち上がって戦おうとする闘志を察してもらえず、マーナに庇われる事もしばしば。


ある時、マーナが瀕死の重傷を負った事で感情を抑えられず力が暴走してしまい、一時は消滅の危機に陥った。

しかし彼の本体である『クサントス』と接触した事で無事に回復。力をコントロールする術を学んで再びマーナと共に過ごし始める。

クサントスの分体ではあるが、繋がりは完全に断ち切っているためクーという一個体として独自の意識で存在する事が可能。



☆254~


●プルファソラ(New!)


レーレン教授の契約精霊。木属性の上級精霊であり、模擬戦時などは教授と共に授業をする事もある。

草花で精巧に作られたようなドレスを身に纏う、緑色のロングヘアーが美しい女性タイプ。


ルーが仮契約していた人工精霊との組み手をずっと担当していた事から、ルーに対する思い入れは強い。

しかし、ルーがヴェルンカストを召喚した時は相手のあまりの強大さから絶望してしまった。

小柄になったヴェルンカストを相手に油断せず戦い抜いたが、力の差があまりにも大きく最後は闇に呑まれて消滅してしまった。


……だが、そんな状態になってもまたしばらくすれば復活してくるのが精霊という存在である。




☆268~


●ブレン・ディング(New!)


ヴィルシーナ魔導国より手配されている外法術師。

元々は高名な術者であったが、後に魔術師の学校へスカウトされそこで己の研究に没頭していた。

しかし、モンスターの生態調査をきっかけとして、その独特な生態の魅力に取りつかれる。


以降はモンスターを利用した実験に傾倒し、新たなるモンスターを生み出すなどの領域に行きついてしまう。

しかし、そのモンスターが研究室を脱走して近隣の新たなる脅威となった事で騒ぎとなり、最終的にモンスター製造の首謀者として逮捕される。

彼は既に自身を人ならざる者へと改造しており、収監後その力で密かに脱獄して逃げ延びつつ新たなる実験を繰り返していた。


後に魔導国に作った地下研究室でテュランに追い詰められるが、最高傑作の合成獣ドラゴンに乗り込み逃走。

だが、相手が悪く最終的には完膚なきまでに叩きのめされ、捕らえられる事になってしまった……。



●テュラン(New!)


ヴィルシーナ魔導国の依頼を受け悪を狩る者。

凄まじいレベルの格闘術の使い手で、巨大な合成獣ドラゴンを徒手空拳のみで完膚なきまでに破壊した。

テュランはあくまでも仮の名であり、本来の名はカンプナル(後述



☆270~


●カンプナル(New!)


テュランの正体にして、賢者ローゼステリア十二人の弟子の一人。


上半身が裸で、ボサボサに乱れた茶色の長い髪をなびかせた筋肉質の男性。額には白いハチマキが巻かれている。

下半身を包むズボンは白いながらも土埃などの汚れや傷みが激しく、かなり使い込まれている。

ほんのりと黒ずんでいるその肉体は極限まで鍛え抜かれている事が遠目にも伺え、見た者の全てが口を揃えて『格闘家』と断言する程。


膨大な闘気を爆発させて己の能力を高める『動』の化身ともいえる存在で、格闘という分野においては他の弟子の追随を許さない。

その拳の一撃は、作中でことごとくの攻撃を完封し、まともにダメージを受けた事のないリチェルカーレに傷を付け血を流させるほど。

また非常に頑丈であり、岩山をいくつも破壊し胸元に掌の痕がハッキリ残るほどの一撃を受けても五体満足で起き上がってくる。


意外に面倒見も良く、リチェルカーレに押し付けられた問題児クラスの面倒を見て、生徒一同に高いレベルの魔闘術を身に付けさせた。



☆273~


●ミスラ(New!)


竜一が契約した精霊の一体。全身が淡い輝きに包まれた、長い銀の髪の少女型精霊。

白いワンピース姿で、まるで寝起きのようにとろ~んとした表情をしており、話し方は常におどおどした感じ。

光の精霊であり、文字通り光の速度で移動できるため宇宙規模でもない限り空間転移よりも早い。


暴走するクーを抑え込めるだけの光球をあっさり生み出すなど、見た目に反して内に秘めている力は強い。



☆275~


●アウラ(New!)


竜一が契約した精霊の一体。淡い緑のポニーテールを揺らし、アラビアの踊り子みたいな衣装を身に纏っている少女型の精霊。

風の精霊であり、ギャルみたいな口調で仲間の精霊には態度も悪いが、主となった竜一には砕けた口調ながら真摯に接する。


裏界の風の領域へと導き、クーの本体であるクサントスと引き合わせて形を失ったクーを元に戻す事に貢献した。

そのついでに竜一達を連れて風の領域を案内し、想像を絶する裏界の世界観を見せつけた。



☆276~


●クサントス(New!)


裏界の風の領域に住まう精霊。全長及び全高が数万メートルはあろうかという超巨大な馬型の精霊で、風の精霊でも五本指に入る存在。

人間の言葉で話す事が出来、口調も紳士的。だが、その巨体ゆえに拡声器の如く辺り一面に声が響くような感じになってしまう。


かつて寝息のような感じで無意識のうちに大きな力を放出してしまい、大きな力であるが故に自然と一つの形を成して新たな精霊が生まれてしまった。

それがマーナの契約精霊であるクーだった。クサントスが意識して生み出したものではないため、分体でありながら本体との繋がりはない。

とは言え、クーの力の大元には違いなく、形を失ったクーを元に戻すことには成功している。ついでに制御できない力も制御できるように調整した。



☆277~


●エン/トゥー/トレー(New!)


風の領域にある湖を泳いでいる亀。甲羅が島となっており、そこに様々な風の精霊達が暮らしている。

信じられない程の巨体であり、甲羅だけでもは数万メートルはあるクサントスが余裕で駆け回れるほどの大きさがある。

実際に見た竜一はクサントスの体長を基準にして、およそ全長千キロメートルはあるのではないかと推測した。


亀は他にも何体か存在し、個体によって島の様相が異なり、春夏秋冬それぞれ違う特徴を持つ。

固体名もあり、アウラはエン、トゥー、トレーという三匹の名を挙げた。クサントスが居る亀はエンである。



●コロラビス(New!)


背中に十の湖を持つ尋常ではなく巨大な魚型の存在。ちなみに湖は一つ一つが、上記の亀達が何匹も余裕で泳げるほどの大きさがある。

湖は身体の中ほどに五つずつ二列に並んでおり、前後に頭部と尾が伸びている形状をしている。現世の魚に例えるなら『サンマ』のような外見。

竜一の推測では優に百万キロメートルに達する程の大きさがあり、地球から月までを往復してなお余りあるくらい。


一応は精霊のカテゴリではあるが、裏界の構成要素でもあり『風の領域そのもの』でもあるため、契約や召喚は出来ない。

明確な意思は持っておらず、意思疎通は出来ない。しかし、上位存在の指示で進行方向を変えるなど簡単な指示は聞いてくれる。



☆280~


●ラフィリア(New!)


地元の墓地へ墓参りに来ていた、まだ十代も中頃であろう少女。

この地に墓地が建てられる前に一体何があったのかを知りたがっており、旅慣れた雰囲気のライゼならば知っているかもと話しかけた。


ライゼの語る話から正しく推測を立てたり、話の中の人物の愚かしさを察するなど、年齢に見合わず考え方が達観している。

また、話の内容からライゼこそが件の魔導師である事を見抜き、魔導師が寿命を超越する事なども知っており、頭の回転が速く理解力も高い。

性知識についても正しく把握しており、男女無くして子は生まれず、女の中に男の血が流れている事も知っている。


ライゼの話に強く興味を惹かれたため、孤児院から巣立ちライゼの旅に同行する事を決めた。



●旅する魔女ライゼ(New!)


煤けたコートを身に纏い、頭部をフードで覆った姿で世界中を旅している女性。

空間収納術を会得しているが、荷の重さを感じたいという理由で背中に荷物が沢山詰まっている大きなリュックを背負っている。

右手に長い杖を持っており、これは市販品ではなく彼女にとって唯一無二の専用に作られた品である。


フードの下はおさげでまとめた茶色い髪をなびかせた美女で、同じ女であるラフィリアも見惚れる程。

世界各地を旅しつつ行く先々で人助けを行っている善良さを持ちながら、その一方で人間の醜さと愚かさを見る事を楽しみにしている。

ヴィーラス王国やモーテリスにもそういう理由で入り込んでおり、特に後者では国の終焉を招く直接的なきっかけを作った。


墓場で出会ったラフィリアという少女の才覚に興味を抱き、旅に誘おうとするが、向こうの方から同行を希望された。

ラフィリアには今後の過程で自身が伝えられる事を全て伝えるつもりである。

各地を巡るという作品の都合上、その土地土地で一期一会というキャラクターも存在します。


ただ、この先またかつて訪れた場所を再訪する展開があるかもしれませんし、必ずしもフェードアウトする訳ではありません。


少なくとも主人公達に積極的に関わった人達は、今後において何かしらの活躍があると思います。

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