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この青く美しい空の下で  作者: しんた
第十四章 流れ落ちる想い
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登場人物紹介14

◇プリーモ・リガッチ

 獣王国リシルア街門守護任務に就く、犬人種(いぬひとしゅ)の男性。

 ヨランダとは同い年で同期ということもあり、非常にいい友人関係。

 息がぴったり合うことから、将来は夫婦だなと同僚や上司に言われ続けているが、当人達からすると仲のいい友人止まりで、恋愛対象にはならないようだ。



◇ヨランダ・バッソ

 獣王国リシルア街門守護任務に就く、狼人種(おおかみひとしゅ)の女性。

 プリーモとは同期で同い年ということもあり非常に仲がよく、息もぴったり合う。

 正直なところ、上司や同僚に冷やかされ続けているのが最近うざったく感じているが、プリーモとはこれからもいい友人関係で居続けたいと彼女は思っているようだ。



◇アドリア・ラメッラ

 獣王国リシルア所属冒険者ギルド素材買取館専属受付業務担当兼、素材鑑定士というとても長い役職についているが、要するに素材鑑定と受付もしているお姉さん。

 可愛らしいくるんと曲がった角を二つ頭に乗せている、羊人種の女性。

 ギルドマスターの言い付けで、ヴァンが来るのを待ち構えることになってしまったが、彼がリシルアを去った理由を人伝で聞いていた彼女は、恐らくはもう戻って来ないだろうと思っていたようだ。



◇パメラ・レンツィ

 獣王国リシルア所属冒険者ギルド素材買取館専属素材鑑定士。牛人種の女性。

 アドリアとは幼馴染で、とても親しい友人関係。

 とても眠たそうにしている彼女は、のんびりおっとりとした口調だが、頭の中では物凄い速さで思考が巡っているのだと本人は語る。

 後に知り合うこととなるロザリアとも仲が良く、三人でお茶や食事をしながら楽しく話をしているようだ。



◇ロザリア・ラヴェッリ

 通称"運び屋"と呼ばれる、獣王国リシルア所属冒険者ギルド公認運搬士兼冒険者で洗熊(あらいぐま)人種の女性。剣士(フェンサー)として活躍。

 既に彼女はゴールドランク冒険者を優に超えるだけの実力を持つ超一流の冒険者だが、プラチナランクとなると都合が悪くなる為に現状を維持していると本人は語る。

 もし昇格すれば即引退する覚悟で冒険者を続けるも、どちらかと言えば今の運搬士の方が彼女にとっては合っていると最近では感じているらしい。

 素材買取館に入ってきたイリスを見て、鳥肌が立つほどの強者であることを悟った人物で、涼しい顔を常にしていたが内心では相当驚いていたようだ。



◇グラツィエッラ・オルドリーニ

 獣王国リシルア所属冒険者ギルドマスターで山荒(やまあらし)人種という、とても珍しい種族の女性。

 ヴァンとロットがリシルアに来たくない理由の大きなひとつで、彼女と関わりを持ちたくないと本気で思っているような人物。

 ファルですらも快く思ってはいなかったが、今回の件で全身が拒絶するほどの嫌気が溢れ出てしまったようだ。

 冒険者を駒扱いする彼女は、ヴァンのこともそう言葉にしてしまい、イリスを怒らせた。思えば、人生であれほど怒りを見せたことはなかったと後に彼女は語るも、仲間の為に憤った彼女に誇らしく、また感謝をするヴァンだった。

 頑なに人を信じていないようにも思えてしまう彼女が、一体何を経験してそうなってしまったのか、それとも初めからそういった性格だったのか。それを知る者はいない。



◇バジーリア・アンフォッシ

 獣王国リシルアにある宿屋"朝月(あさづき)の泉亭"の主人で、鹿人種の女性。

 数年前、酔った男性客が誤って女性の部屋を開けてしまい、四階から壁ごと吹き飛ばした姿に発狂しそうなほど驚愕し、このままでは本気で取り返しの付かないことになりかねないと感じた彼女は、女性限定の長期滞在者専用階層に改築したようだ。

 以前長期滞在していたファルが単独(ソロ)冒険者ではなく、仲間を連れてきたことに涙を溜めながら喜んだ。

 どうやら彼女も独りでいるファルに、内心ではかなり不安を感じていたようだ。



◇ウルバーノ・トロヴァート

 獣王国リシルアにある飲食店"秋空の宴亭"のウェイター。

 百九十センルもあるとても大柄な男性で、鎧のような筋肉を身に纏う熊人種。

 目付きも体格も鋭い印象を強く受けるが、とても優しい紳士。


 元ゴールドランク冒険者の重戦士(ウォリア)

 リシルアで冒険者を続けるも、この国の冒険者気質に合わないと感じていた。

 冒険者に向いていないのではと考えることも多くなり、酒に浸ることも珍しくはなくなってきたある日、偶然とはいえ部屋を間違えて入ってしまい、着替え中の女性にぼこぼこにされることとなるも、鎧のような筋肉に護られ、軽症で済んだようだ。

 そんな出逢い、もとい出遭いをした女性とは永遠の愛を彼らなりに誓うことになるが、四階から吹き飛ばすような女性とそういった関係になるとは、その時の彼には露ほども思ってもみないことだった。



◇マルツィア・トロヴァート(旧姓アレッサンドリ)

 獣王国リシルアにある飲食店"秋空の宴亭"の料理人で豹人種の女性。

 元ゴールドランク冒険者の重戦士(ウォリア)

 世界的に有名な超一流の料理人、ミランダ・ルエルの弟子のひとりで、将来は料理店でもするかなと思っていた矢先に彼女と出逢い、料理の基礎から熟練技術まで彼女から直接指導され、満足のいく料理を作ったマルツィアに優しく微笑みながら、再びふらりとどこかへ向かって行ったようだ。


 現実の夢として持つようになった料理店を開く資金を稼いでいた矢先、未来の夫となるウルバーノと妙な形で出逢うことになる。

 着替え中の彼女に目を背けて謝罪した彼に、女性としての魅力を感じないのかと本気で苛立った彼女は、ウルバーノを宿屋の壁ごとぶち抜くほどの拳を繰り出した。

 馬乗りになってぼこぼこに殴り続けるも、涼しい顔で謝罪し続ける彼を前に、苛立ちを更に募らせていったようだ。

 現在でも仲良く二人で"秋空の宴亭"を経営している。



 ◇ジルド・パローロ

 リシルア元老院ヴェネリオの付き人の一人で、雑用から身の回りの世話までなんでもこなす。(いたち)人種の男性。元ゴールドランク冒険者の狩人(ハンター)

 礼儀正しく常識人ではあるが、頑なな性格にヴェネリオも少々困惑している。

 将来は彼の後釜に据えるつもりではあるようだが、本人は謎の忠義心からそれを断り続ける。



◇ヴェネリオ・ブラーガ

 千二百年続くリシルア元老院のひとりで、狸人種の男性。

 世界の安寧を導くため、決して語ることのない語り部として歴史を噤み続ける。

 そんな時に現れたイリスへ、元老院の間に四百年以上伝わってきた謎の種を託す。

 そうすることが、元老院達に課せられた使命のように思えていたようだ。


 大のお酒好きで、特に仲間内で呑む酒を何よりも好む。

 まるで自分達の役割を達せられた気持ちで呑んでいた酒の味は、彼の長い人生の中でも飛び切り美味しく感じられたようだ。



◇ミレーナ・ミルリム

 ミレイの母でアレイの妻。兎人種の女性。

 イリスの存在を娘からの手紙で聞いていたが、フィルベルグギルドから届けられた無常な訃報は彼女も、そして夫も失意の底に叩き落すこととなる。

 何も考えられず、呆然としながらも涙が止まらない彼女達は、まるで時が止まったかのようにただただ生きる気力をなくすも、生きることを諦めなかった。

 ただただ惰性のように生きる日々を過ごしていると、遠い地で娘が妹と慕っていたイリスが立ち上がり、前へ進み始めたとの手紙を受け取る。

 そんな彼女に活力を分けてもらえたミレーナ達も、少しだけ前に進むことができた。

 愛娘を大切に想ってくれているイリスに心からの感謝を捧げながら、彼女達の帰りをリシルアで待ち続け、娘の眠るフィルベルグへの旅支度を始めた。



◇アレイ・ミルリム

 ミレイの父でミレーナの夫。兎人種。

 戦闘には向かないどころか、本来は戦うことすらできないとまで言われている兎人種で冒険者を続けるミレイを、手紙では一切語ることはなかったが心から心配していた。

 彼女に何が起きたのか、その詳細を知ることができない手紙を受け取り、真実を知りたいと思えるも、見たことも聞いたこともない症状で娘が旅立ったと聞き、ひたすらに喰らい日々を妻と送っていた。

 娘の前では妻と仲がいい姿を常に見せていた二人だったが、何よりも娘を愛し、彼女のことが誰よりも大切だった彼らにとって、フィルベルグ冒険者ギルドから送られてきた訃報は、心臓が止まるほど凄まじい衝撃を受けた。

 それでも少しだけ前に進むことのできた切欠を暮れたイリスに、心からの感謝をしながら、彼女と逢える時を心待ちにしていた。


 愛娘の姿をした何かが、世界を滅ぼしかけていたなど話せるわけもないイリス達は、その件について口を噤むことしかできなかったようだ。



◇リリアーヌ・クラヴリー

 リシルア一と言われるパティシエールを母に持つ少女。白狐(はくこ)族。

 この国の英雄の一人と言われているヴァンに憧れを抱き、彼がいると街中で聞いた彼女は家にすっ飛んで帰り、自分にできる精一杯のクッキーを焼いて彼の下を尋ねる。

 残念ながら彼の眼前で転げ、作ったお菓子を地面にばら撒いてしまい、身体の痛みよりも彼の為に頑張ったものがだめになってしまったことが何よりも辛かったようだ。

 それを見ていた彼は、ボウルの中に残されたクッキーを摘み、口へと運んだ。

 あまりのことに呆気に取られた彼女だったが、彼の優しさに瞳を潤ませた。


 現在はヴァン達の帰りを待ちながら、母の英才教育という名の花嫁修業の真っ最中のようだ。当然、彼女がそれに気づいている様子は微塵もない。



◇ソランジュ・クラヴリー

 リシルア国一番と呼び声の高い、凄腕のパティシエール。

 パティスリー"ジョリ・フィーユ"を経営。国内外に高く支持されている。

 母子家庭で娘リリアーヌにはとても寂しい想いをさせてしまっているが、寂しいながらもひとりでお菓子を作って遊んでいる娘に申し訳なさを強く感じている。

 そんな時、娘がずっと憧れていたヴァン・シュアリエと出逢ったと聞き、驚愕しながらも娘の持つ剛運に運命すら感じたという。


 現在は娘をヴァンの嫁に選んでもらうために、日夜勉強を教える毎日だが、当の娘はただただ彼に喜んでもらえるのならと、甲斐甲斐しく頑張っているようだ。



◇クラーラ・ペルティ

 マルツィアの仕入先でもある"ペルティ食材店"の店主。

 (てん)人種の女性で、百四十センルという子供のような小柄な体格から、街中を歩いていると心配した人に『お母さんは?』と声をかけられることがとても多いらしい。

 そこいらの食材屋では取り扱えないような、とても質のいいものを仕入れている店で、一流料理店御用達となっているのだだが、一般のお客様にも提供する。

 この店で購入した米と緑茶葉は、この先の野営地で美味しく頂いているようだ。

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