表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この青く美しい空の下で  作者: しんた
第八章 その大切なはじまりを
224/543

登場人物紹介8

◇ヨンナ・レーン

 エルマ冒険者ギルド所属の受付嬢。人種の中年女性。

 見た目は中々に勝気な様子を見せるが、中身は非常に涙もろい。

 ギルドマスターであるタニヤと共に、誰もが関われずにいた孤児院の運営を影ながら支える。実際に資金面での援助は大して行えなかったことに申し訳なく感じる彼女は、できる限り子供達の為にと自分にできることをしていった。

 現在はタニヤと共に孤児院の運営に尽力しながら、子供達と楽しく過ごしている。



◇タニヤ・パーテライネン

 エルマ所属冒険者ギルドマスター兼エルマ評議員の一翼を担う高齢女性。

 ギルドマスターでありながら評議員も勤め、更には誰もが手を出したくとも出せずにいた孤児院に、自らの給金のほぼ全てを注ぎ込んで子供達と共に生活をしていた。

 実際にはそれも限界になりつつあり、これ以上孤児が増えてしまえばとても一人では守り切れないだろうと危機感を覚えていた矢先、イリス達がエルマへと訪れることとなる。

 彼女はそれを最高の幸運と言葉にするも、どこか運命的な何かを感じていたようだ。

 子供達の繊細な心に触れることに恐怖を抱きつつあったようで、どうすれば一番子供達の為になるのか考えていくもいい考えは生まれず、徐々に心が追い詰められていった。


 イリス達がエルマに来るまではぎりぎりの生活を子供達としていたが、それも今ではなくなり、潤沢とはいかないまでも徐々に集まってくる資金に涙することもしばしばあるようだ。

 現在も笑顔と笑い声の絶えない孤児院で、子供達と楽しく幸せに暮らしている。



◇ディルク・カウニッツ

 エルマに来てイリスが路地に座っていた彼を見つけ、この街の事情について気になる切欠をくれた少年。

 冒険者である両親とその仲間達が予定を過ぎても帰らず、ギルドは捜索隊を派遣するも、運悪く危険種ギルアムの痕跡を発見してしまい、捜索活動は断念させられてしまう。

 そんな時イリス達と出会い、両親達を探しにいってくれるという彼女に心からの感謝をする。その際に見せた十歳という年齢でありながらもしっかりとした信念を持つ姿に、他の孤児達と同じように彼もまた強い心を持つのだと知ることができた。

 父譲りの強さと、母譲りの優しさを受け継いだ、信念のある少年。


 現在は幸せに両親と暮らす一方で、将来は冒険者ではなくエルマの、特に孤児院のみんなの為に何かがしたいと思っているようだ。

 毎日孤児院に通いながら、イリスに教えて貰った調薬の勉強を真剣に取り組んでいる。

 最近、テアのことが気になっているようだ。



◇ドミニク・カウニッツ

 チームドミニクのリーダーでゴールドランク冒険者。ディルクの父。

 今回の件で命の危機を痛感させられ、一歩間違えば大切な息子を孤独にしてしまうところだったと恐怖し、冒険者を引退することを決意した。

 以降はディルクとの時間を大切にしながらも、新設コミュニティー"エルマの庭"運営に携わり、孤児院やエルマに住まう人々の為に奮闘する毎日のようだ。



◇イザベル・カウニッツ(旧姓プールネン)

 チームドミニクのメンバーでシルバーランク冒険者。ディルクの母。

 夫であるドミニクと同じように危機感を痛感させられた彼女も今回の件で冒険者を引退し、家族との時間をとても大切にするようになった。

 以降はお世話になったタニヤへの恩返しにと、孤児院に深く関わる仕事に就く。

 冒険者でいる時よりもずっと笑顔が増えたと息子に言われ、嬉しく思いながらもどこか申し訳なく思ってしまう彼女だった。



◇アウレリオ・メルガル

 チームドミニクのメンバーでゴールドランク冒険者。

 かつては年齢と経験からチームを率いていたが、本人は教えることはできても統率は向かないと随分前から思っていたようだ。

 そんな中、リーダーとして頭角を現してきたドミニクにその座を譲り、気楽なご意見番兼いち冒険者として活動を続ける。

 イリス達に救われた事件をきっかけに冒険者を引退し、以降は訓練教官をしながら孤児院に足しげく通っては、年少組の子供達の遊び相手になっているようだ。



◇ルジェク・パヴラート

 チームドミニクのメンバーでゴールドランク冒険者。

 ノーラと非常に相性が良く、いつも意見が合う。

 第一印象から彼は惹かれていたのだが、それを語ることはなく、寧ろ一緒に楽しくいられることの方が幸せに思えてしまったようだ。

 イリス達に救出されて以降は冒険者を引退し、前々から夢だった雑貨屋さんの経営をしている。看板娘としてお手伝いしてくれるノーラと一緒になることができるのは、お店を開店して五年後の話となる。



◇ノーラ・ヘーネス

 チームドミニクのメンバーでゴールドランク冒険者。

 いつも意見が合うルジェクとは非常に仲が良く、酒好きという共通点もあり良く二人でいる所を目撃されるが、彼女としては特に異性として意識をしている訳ではないようだ。

 イリス達に救出された際、出遭ったギルアムに心が折れて以降は剣を置くこととなるが、後悔など微塵もなく、あの時は本気でダメだと思ったと笑い話にしている。

 現在は孤児院の経営に微力ながら力を貸す一方で、ルジェクの夢を手伝う形で雑貨屋の売り子兼呼び込みなどの仕事をこなし、その五年後に自然と結婚することとなる。



◇ユーリヤ・フレンツェン(旧姓ヘルトリング)

 アウレリオが率いていた時代のメンバーで元シルバーランク冒険者。

 地力を上げる為にアルリオンに滞在していたが、西門近くの花屋を経営する細身でひとつ年上の男性エトヴィンに一目惚れをして、一大決心で告白する。

 見事成就したのを切欠に冒険者を引退し、以降は花屋の売り子として過ごすこととなった。麗しい姿も相まって評判もかなり良く、売り上げにも貢献しているようだ。

 現在でもアウレリオ達とは連絡を遣り取りしていて、最近三人目である女の子を授かったのだとか。幸せ一杯の手紙がエルマに届けられる度にアウレリオ達は、美味しいお酒をたらふく飲んでいるそうだ。



◇エルマ孤児院の子供達

 エミリー五歳、ハンネ六歳、ジゼル六歳、コレット六歳、ネリー七歳、アニタ七歳、ジュリー八歳、フラヴィ十歳、ロラ十一歳、カティ十一歳、テア十二歳。

 ロジェ六歳、トマ六歳、イーヴ七歳、コーディ七歳、セルジュ八歳、パトリス十一歳。


 年少組の子達は両親を知らず、年長組の子達は両親に何があったのかを知りながらも孤児院で生活を共にする。

 下の子達はタニヤをお母さんと呼び、上の子達は母親のように慕っている。

 イリスとの出会いが転機となり、その暮らしを一変させることとなる。


 現在ではテアを中心とした年長組の子達は、自然回復薬の生産に力を注いでいる。

 孤児院の資金としてタニヤの力になれていることが何よりも嬉しいようだ。

 実際に作られた薬の品質も悪くはなく、いずれは高品質のものを安定して作れるのではないだろうかとエルマの薬師達は舌を巻いているが、教えてもらった先生が素晴らしいからだとテア達は薬師達に語っている。


 沈みがちだった年長組の子供達は笑顔を取り戻し、今では毎日幸せに孤児院で過ごしているようだ。



◇リクハルド・ラハティネン

 職人区コミュニティー統括責任者兼エルマ評議員の一翼。高齢男性。

 元々はアルリオンに店を構えていた凄腕の鍛冶師だったが、エルマに移り住んでその技術を惜しみなく街の為に使い続けていった。

 イリスを一目見て、とんでもない奴がエルマに来たと認識をしたようだ。

 現在は職人区を統括しながらも、エルマの為にと尽力する。



◇ヘルガ・ラスク

 飲食街統括責任者兼エルマ評議員の一翼。中年女性。

 一口食しただけで全て理解してしまうという"神の舌"を持つイリスに隠しスパイスまで当てられ、驚きながらも面白い子だという認識をした。

 門外不出の配合を言い当てられたのは初めてで、これ以上ないほど驚愕していた。

 現在は飲食街を預かりながらも、時々子供達の元を訪れては食事会を開いてお腹一杯ごはんをご馳走している。その際の資金も全て自腹で行なっているようだ。



◇トゥロ・ハールス

 中央区統括責任者代理兼エルマ評議員の一翼代理。青年男性。

 本来はどちらも父の役目ではあるが、少々身体を悪くしたのを切欠に、彼を育成させようと画策しているらしい。

 彼の父トゥーレとリクハルドは友人関係に当たり、トゥロは知らないが彼を上にあげようと言葉にしたのもリクハルドである。

 当然、それだけの器を持つと確信してのことではあるのだが、本人からすると商売人として店に立つ方がずっと性に合っていると思っていたようだ。

 それもイリス達がエルマに来るまでの話で、現在では立派に中央区統括者と評議員を勤め、異例ではあるものの正式に評議員の一翼となった。



◇ベネデット・ヴェント

 住宅区統括責任者兼エルマ評議員の一翼。中年男性。

 イリスがエルマで初めて会った人物となるが、その立ち振る舞いで彼女が只者ではないと思っていた。

 暴虐とも言えるようなギルアムを討伐した彼女達に感謝をしながらも、その強さに少々羨ましさを感じてしまっている。それだけの力があれば、自分でも危険種討伐へ向かえるかもしれないと彼は思っていたようだ。

 現在でもエルマの城門に立ちながら、この街の警護と治安維持に努めている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ