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新大陸です

 新しい島は海から見た限りでは陸の端が見えなかったので大陸なんだろうと、砂浜に降り立ったアリエルはそう思った。


 砂浜からは一面に広がる海と、反対方向には街道と思われる道が見えた。

 兎にも角にも、まずは街や村、あるいはこの島に住む人かそれに準ずる会話可能な生物との接触をしたい所だ。

 その後にじっくりとカリーナ達を探すのがベストだろうと優先順位を組み立てていき、先ずは街道に言った。


 それから左右に伸びている街道のどちらに進むべきか見定めようと両側の道の先を見るが、建物らしきものは何も見えなかった。

 だから仕方なくアリエルは左に向かった。


「あー暑い…この島暑すぎんでしょ…」


 アリエルは歩きながらぼやく。

 上着は随分前に脱いでしまったので、もうタンクトップにミニスカート、下着しか着ていない状態だからこれ以上脱げない。


 そんな事を考え、水をガブ飲みしながら歩いているアリエルの前に黄色いワニのような見た事の無い魔物がのそのそと右側の森から出てきた。


「おわ! なにこのワニ…いや黄色いし魔物かな? 」


 ワニを見て一瞬びびったアリエルは、取り敢えず倒そうと、剣を抜くが、突然横から出て来た男が一撃でワニの首を切り落としてしまった。


「あー」


「よし、上手く狩れたな」


 ワニを倒した男は、黒髪黒目のややイケメンで、剣を構えているアリエルに見向きもせず剥ぎ取りを始めた。


「ねぇ」


「ん? あぁお嬢さん大丈夫…っておいおい! 女がそんな格好してちゃ危ないだろ! ったく、この辺は山賊とかも出るんだからもっと危機意識を持たないとダメだろうに、ほら…これでも着て」


 男は不機嫌そうに話しかけてきたアリエルを見ると、焦ったように説教を始め、自分が着ていた上着を渡してきた。


「暑いからやだ」


「やだじゃない、ほらこの上着は風通しが良いから着てもそこまで暑くならないって」


 そう言って無理やりアリエルに上着を着せた男は、次に鞄に入っていた水筒をアリエルに渡した。


「あ、冷たい水だ」


「あぁ凍らせてきた水だからな、暑いから遠慮なく飲みな」


「ありがとー、そうだ私アリエルって言うんだけど、お兄さんは?」


「ん? 俺はマグナだ、ちなみにもう28歳だからな、お兄さんっていうよりおじさんだな」


 マグナは笑いながらそう言うと、煙草を吸い始め、剥ぎ取りを再開した。

 そしてその姿が、様になっているのが少しムカついたアリエルだった。


「ねぇマグナ、私街か村に行きたいんだけど、後どれくらい行けば着くかな?」


「街なら後2時間位歩けば着くぞ、最近は物騒だし連れてってやるから日陰で待ってな」


 アリエルはマグナに手を引かれ日陰に座らされると、帽子を被らされ、ビスケットと新しい水を渡された。

 マグナは超が付く性格イケメンお兄さんだった。


 それから少しし、剥ぎ取りが終わったマグナは、自分の荷物と当然のようにアリエルの荷物を持った。


「ほらアリエル行くぞ、疲れたらすぐ言えよ、後小まめに水分補給とビスケットを食べるんだぞ」


「わかった、ねぇ手つないでいい?」


「あぁ構わないよ」


「ふふっお父さんが出来たみたい」


「俺はまだお前みたいな大きな子供が居る歳じゃないよ」


 アリエルの懐き度はもうMAXだった。

 マグナの父性にやられてしまったのだ。

 街に着くまでの2時間、アリエルはマグナに甘やかされ続けた、足が痛いと言えばおんぶしてくれ、汗をかいて体が冷えると風邪を引くと言って、小まめに顔と首の汗を拭いてくれる。

 さらには甘えれば頭を撫でてくれる。

 甘やかされるのが大好きなアリエルにとって理想の父親だった。


 街に着くと、マグナは普通に宿屋に案内したが、アリエルが父親と娘が離れるのはおかしいと訳わからない事を言い始め、結局マグナは困った顔をして家に泊める事を決めたのだった。


「なぁアリエルはこれからどうするんだ?」


「んー取り敢えず仲間を探すよ、そうだ、パパ最近4人組の女の子見てないかな? 全員美人だから目立つと思うんだけど」


「パパじゃないけど、見てないな」


 マグナがパパ呼びを否定すると、アリエルは拗ねたように抱っこを要求し、マグナ仕方ないとばかりにアリエルを抱き上げ歩き始めた。

 アリエルは既に大きな赤ちゃんになっていた。


 それから家に帰り、マグナがソファーに座ると、アリエルは当たり前のように膝の上に座った。


「パパ、おかえりのちゅーしようよー」


「ダメだ、そういうのは結婚するまで取っておきなさい、それと俺はパパじゃない」


 マグナはそう言ってアリエルをどかすと、風呂に入ってくると行ってしまった。

 そしてアリエルは当然のように乱入して行った。


「パパ洗って」


「はぁ…わかったよ」


 マグナは鋼…いやオリハルコンの理性を持つ男だった、彼はアリエルの裸体に一切興奮する事なく全身をしっかり洗ってやり、さらには一緒に湯船にまで入り20分ほど体を温めて風呂から出たのだった。


「ったくアリエルは着替えも1人で出来ないのか?」


「出来るけど、着せて欲しかったから」


「はぁ…困ったもんだ」


 マグナはそう言うと、ソファーで寝てしまったアリエルを抱え、ベッドに寝かせて毛布と掛け布団を掛けた後、サイドボードに水差しとコップを置き、テーブルの上に次の着替えを畳んで置いた後、部屋から出て行ったのだった。



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