魔物の大群です ?視点
迷宮都市エディタ、 この都市にはフィリスノア大迷宮という闇の女神の名前が付いた100階層を越える未走破のダンジョンがある。
このダンジョンは敵が強く罠も多いが、宝箱の中身や一部の魔物の素材が物凄く希少な物な為、常に一攫千金を狙う冒険者で賑わっている。
その為、この都市を拠点にするクラン…つまり冒険者の大規模なチームが多数いて、この都市は商人の数も多い為、エディタは交易の盛んな都市としても有名である。
そして現在この都市には、破壊獣キングビースト率いる、無数の魔物の群れが接近して来ており、この緊急事態に都市の住人には外出禁止令を出して迷宮を封鎖し、滞在している冒険者と、この都市が属する獣人国の国王が率いる兵士達が敵の侵攻ルートである三日月平原にて迎撃作戦を実行しており、三日月平原は血で血を洗う戦争の様な地獄と化していた。
そして、同時期、三日月平原の真逆にあるエディタ高原で、11人の男が、エディタを見下ろしていた。
「状況は?」
一人の男が、周りを見ながらそう聞いた。
「現在はエディタが優勢だが、討伐にはまだかなりの時間が必要だろうから、攻めるなら今だ」
「わかった、じゃあ行こう、この都市が我々混沌軍の常闇大陸制覇の為の最初の支配地になる……出撃だ」
リーダーである魔物使い、柳田玲がそう言い、男達はエディタに向かい進み出そうとするが…。
「あれ? こんな所で何をしてるのかな? 」
不意に聞こえた女の声に、柳田率いる男達は、素早く振り返り、武器を構えたが、そこに居たのは金髪で背の小さい女が一人だった…柳田が女を良く見ると、その女は剣を持っているがとても戦えるようには見えなかった為、取り敢えず隙を見て気絶でもさせて連れ去ると、後ろの男にサインを出し、女を油断させようと会話を試みた。
「あぁ、もしかしたらこっちにも魔物が来るかも知れないからな、念の為に巡回をしていたんだ」
そう言いながら月明かりが照らす女の顔を見ると驚いた。
(この女、美人だが右目と左目の色が違うとは……オッドアイと言うやつか)
「へぇ、そうなんだ、私はこんなとこでコソコソしてるから街に攻めこもうとしてるのかと思ったよ、ねぇ?…魔物使いさん?」
女の言葉に柳田は最大限の警戒をし、両手にダガーを構えて女を見据える、しかし女は全く動じておらず、相変わらずにこにこ微笑みながら柳田を見ていた。
「何だ貴様は……おい! この女を今すぐ捕らえて周りを偵察しに行け! 仲間が居るかもしれん! 」
柳田が叫ぶも、誰も動かない、イラついた柳田は部下に命令しようと後ろを見るが……部下の10人の男は全員白目になって倒れていた。
「なっ!」
「お仲間はお前がボケッとしてる間に全員殺したよ、後はお前で終わり 」
女はいつの間にかやたらと豪華な剣を抜いていた、この時柳田は、この女はヤバい、一旦引いて体制を整えようとバックステップを試みたが、足が何かに引っ張られ仰向けに倒れ込んだ。
何かと思い足を見ると、黒い霧の様な物が足に絡み付いていて、柳田は必死に足を振って霧を払おうとした。
そんな柳田に、女はゴミを見るような冷たい目で見下しながら感情の無い声で話しかけてくる
「自分だけ逃げようなんて卑怯な奴だねお前は、それと…安心していいよ、殺しはしないから……今はね、《我は望む、全てが叶う楽園の夢を》エデンドリーム」
そう言って女が柳田に手を翳すと、柳田は意識を失い、その場に倒れた。
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あれ……俺は…あぁそうだ、俺は常闇大陸を制覇したんだ。
思えば楽だったな…まぁ俺の魔物使いの能力を使えばこんなものだ、ほら見ろ! 俺の横にはさっきの金髪の女が寄り添って居るし、魔王国の玉座に座って沢山の女を侍らせている!
はーはっはっはっ、俺こそが魔王、俺こそが選ばれた者だ!
混沌の王も俺を認めて、この大陸の管理を任せた!
金も女も全て俺の物だ!
この世界は最高だ、力さえ有れば何でも思う通りになる、地球じゃこうはいかなかったからな……。
地球で王である俺を苛めていたカスも……ほら見ろ今じゃ俺の命令で床を舌で掃除してるんだよ! はーはっはっはっ!
笑えるわー、俺をオタクだのブサイクもやしだの言ってたのになぁ!
……何見てんだよ、あぁ、水月と星歌が気になるんだな、そりゃそうか、お前等のアイドルだもんな! だが今は俺の女だから見てんじゃねーよ!
ぶははは! 顔面蹴ってやったら鼻血出してやがる! おい、汚ねぇからちゃんと拭いとけよ! はははは!
あークラス召喚最高だわー、まさか、あいつらが見下す成り上がり小説みたいに上手くいくもんなんだな。
俺の魔物使いの力が強いのもあるが、小説の作戦とかを覚えてたのが大きいしな。
お蔭でハーレムも作れたし、最高ですわ!
さーて、次は光の大陸だな。
いや、このまま世界を支配してみるか?
俺なら上手くできそうだしな。
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そして、柳田が目が覚めると、先程まで居た魔王城の玉座では無く、何処かの地下室に手と足が壁に繋がれていて、今度は五人の女がそこに居た。
一人はさっき居たオッドアイの女だった、他には黒髪に青い目の女、紫のツインテールの幼女、贅の限りを尽くしたような禍々しい服を着た女に、柳田と同じ異世界人の女だった。
「おはよう、いい夢見れたかな? 何でも思い通りになって楽しかったでしょ? じゃあ本題だけど、これから拷問だよ、ここの拷問官の人は知ってる事全部言うまで止めないから、なるべく早くペラペラ吐いちゃってね、それじゃ」
柳田が呆然とする中、女達がそう言って部屋から出ていくと、拷問具を持った男が入れ替わりで入ってきて、柳田が質問を答えないと痛め付けを繰り返し、三日後、情報をあらかた抜いた後、柳田玲はこの世界に来て二ヶ月でこの世を去った。




