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錬金術に挑戦しました

 私は城に帰ってきた後、二人と別れ神殿と逆の方向にある工房があるとメイドに聞き、好奇心旺盛な私はすぐにそこを訪れて工房の鉄でできたゴツい正面扉を開けた。


「おぉー、何か本格的な感じ」


 入ってすぐに私が目をつけたのは鍛冶の設備だ、誰もいないから窯に火が入って無いが、周りには面白そうな物が沢山ある。

 私はまず大きいハンマーを持ってみようとしたが、持ち上がらない。

 なにこれ? 重すぎじゃねと思いつつ私は「ふぬぬ」と本気で力を入れて持とうとしたけど、結局ダメで、小さいのしか持てなかった。

 結果として私は鍛冶には向いてないなと思い、他のところに行くことにして、今度は逆の方に行って私が見たものは、所謂錬金術のアトリエと言うものだった。


「あー、大釜がある! やっぱ錬金術っていったらこれだよね! 私大好きだったんだよねぇ、アト●エシリーズ」


 私はこのシリーズを毎作やりこんでいた、錬金術で作れる道具を性能よく作るのが楽しかったし、戦闘も道具を使って上手く戦ったりするのが面白かった。

 そんな思い出に浸りつつ、机に置いてあった入門書を読んでみた。


 ふむ…やり方は簡単みたいだね、釜の水に材料を入れて、水の色が変わるまで魔力を込めた後火をつけて混ぜる、これだけ。

 よし、誰もいないしやってみよう、私はゲームの経験から薬品のクリエイト方面には自信がある。

 材料は…とりあえずドライフルーツでいいや。

 私は袋を開けてザザザと中身を水に入れて、魔力を水に込める。

 うーん、何か水に汚い油を入れたような虹色だけど…まぁ大丈夫だろ、私は釜の下に火をつけて混ぜ棒でぐるぐる混ぜる。


 五分ほど混ぜると、ポンっと音がして煙がもあっときた。

 失敗したかと思って釜の中を見ると、何故か袋に入った赤い飴みたいなのが3つあった。


「これどう見ても飴だよね」


 私は毒味をするために手に毒消しを持って、一つ袋を開けて食べてみた。

 

「あ、美味しい…ドライフルーツの味がするし、毒も無いっぽいね」


 まぁ最初だし飴でも完成しただけ凄いよね、取り敢えずあとの二つはカリーナとリップちゃんにあげようと決めて、釜の火を消して二人を探しに行く事にした。


 それから直ぐに寝室でお茶を飲んでるカリーナを見つけた。


「カリーナ、この飴あげる」


 私はほいっと、飴を手に乗せてカリーナの方に出す。


「飴? いつ買ってきたの?」


「これは私がドライフルーツで作ったんだよ、美味しいから食べてみてよ」


 そう言うとカリーナは私から飴を取り口に入れた。


「あら本当に美味しいわね、アリエルいつの間にかこんな美味しい飴を作れるようになって…」


 カリーナは微笑みながら私を暖かい目で見始めた。

 そんな子供を見るような目は止めて欲しいけど、まぁ、喜んでくれたからいいか。


 食べた後は二人で話をした、次は何をしようとか、リップちゃん可愛いとか他愛のない話だったけどね。

 そんな風に二人で話してると、部屋のドアが開いてリップちゃんが入ってきた。


「二人でなにしてるのじゃ?」


 リップちゃんは首を傾げながら聞いてきた。

 相変わらずふとした仕草がラブリーだなぁ。


「ふふ、少し話をしていたのよ」


「ほう、妾も話があるのじゃが」


「ねぇねぇリップちゃん、この飴あげる」


 私は話に割り込み、リップちゃんに飴を差し出す。

 リップちゃんは飴をじっと見た後、凄く驚いた顔をして私に問いかけてきた。


「アリエル、この飴はどうしたのじゃ?」


「それは私の愛のこもった手作りだよ」


 私は手でハートを作ってリップちゃんに笑いかける。


「お主、錬金術を使って作ったじゃろ」


「え? なんで解ったの?」


 私が錬金術でこの飴を作ったことを聞いたカリーナはえっ?って顔をした後、怒り出した。


「ちょっとアリエル! 私にそんな変なもの食べさせたの? お腹壊したりしたらどうするのよ」


「大丈夫だよ、ちゃんと私が最初に食べて大丈夫か確認してからあげたんだから」


「二人とも食べてしまったのか……」


 リップちゃんは呆れたように私を見た後、ため息をついた。


「これ何かやばいの?」


 私はビクビクしながら聞いてみた。

 これが変なものだったらカリーナにめっちゃ怒られるよ……。


「いや、これはスビリットキャンディーと言うものじゃ、妾も見るのは初めてじゃが、毒でも変なものでも無いが、国宝以上に貴重なものじゃ」


「これが? アリエルはドライフルーツで作ったって言ってたわよ?」


 カリーナは胡散臭そうに飴を見ながらそう言った。


「じゃが…信じられないかもしれぬが間違いないのじゃ、この飴はの、一つ食べると300年程老いることも無く寿命が伸びるのじゃよ」


 リップちゃんは困ったようにそう言って、私があげた飴を食べ始めた。


「うむ、美味しいのじゃ、これで妾達は後300年は寿命で死ぬことは無いのじゃ」


 ふむ、私はやっぱり錬金術の天才だったみたいだ。

 最初の作品が国宝以上のお宝だもんね、将来アトリエでも開こうかな、名前はアリエルのアトリエで。


「まぁこれから老いを気にしなくていいというのは嬉しいわね、後アリエル、今回たまたま上手く行ったからって調子に乗っていろんなものを作らないようにね」


 な!? 釘を刺されてしまった…。

 カリーナの言ったことは迂闊には破れない、怒ると怖いし。


「あ、そうじゃ、妾は話があったんじゃよ、今日人間の大陸に潜伏している密偵から報告があっての二人も興味があるじゃろうから伝えにきたのじゃ」


「そうなんだ、何か面白いことあった?」


「アリエル、そういう話じゃなくて真面目な話なのよ?」


 私は何か面白いお土産話あるかなと思って聞いたんだけど、真面目な話だったみたいだから少し静かにしてよう。


「ではまず、カリーナが一番気になってるじゃろう、アリエルについてなのじゃ」


「ええ」


 私の話? 前に言ってた捜索とかの事かな?


「アリエルの事はバレていると見て間違いないのじゃ、向こうの全ての国が捜索しておったらしい、そしてその中でもアリエルを捕まえて奴隷にしようとしているかなり危険な国があるみたいでの、二人はドクーズ王国という国を知っておるかの?」


「あっ、知ってるよ奴隷王国の事でしょ? あそこは治安最悪、人口の五割が奴隷で、王族は馬鹿とクズしか居ないんだよ、だからあの国は常に世紀末状態で、他の国からはドクーズ王国の奴は山賊と思えとまで言われてるんだよね」


「ほう、よく知っておるの、今のアリエルの説明は密偵の報告とほぼ同じじゃ」


 リップちゃんは驚いたと言って微笑んでいる。

 まぁこれでも元王妃候補だったからね、人間の国の事は結構詳しいんだよね。


「では次じゃ、人間に光の加護が無くなったらしいのじゃ」


「どういう事?」


「妾にもよく分からんのじゃが、大陸にある全ての光の女神の像が一斉に壊れたらしいのじゃ、なのであちらでは光魔法が使えないみたいなのじゃ」


「女神様どうしたんだろうね」


「そうね…思った以上に事態が悪化しているわね」


 光の女神様ね、重要そうだから覚えておこう。


「そしてこれが最後じゃが、異世界人という変な力を持った者を召喚していた国が判明した」


「「え! ほんと!?」」


 私とカリーナがシンクロした。

 無理もない、私達二人は奴等のせいで逃げ回ったりする羽目になったんだし、召喚した奴をいつかぶっ飛ばすっていつも言ってたもんね。


「うむ、アルゴス神聖皇国という国なのじゃが、光の女神の加護が消えた為、召喚が出来なくなったみたいなのじゃ」


「そんな下らないことしてるから愛想つかされたんじゃないかしら?」

 

「あぁ、有り得るね、しかもあそこは、全ての民は光の女神の元では平等とか言ってるけど、実際は権力絶対主義がガッチガチに根付いてる、上と下の差が激しい国だから、スラムもあるんだよね」


「人間の国とは難儀なものじゃのう」


 ほんと、めんどくさいよねぇ、私はここに一生住み着いて錬金術でもしていたいよ。


「まぁ向こうの不利益ばかりで良かったわ、私達には何の影響もないものね」


「そうだね、ねぇリップちゃん、錬金術やりに行っていい?」


「良いが、妾も付き合おう、アリエル一人だと何が起こるか分からんからの」


「なら私も心配だから行くわ」


 なんで二人は私を問題児扱いするんだろう?

 おかしい、街中で当たり屋から恐喝しようとするカリーナの方が間違いなく問題児なのに……。

 

 と思ってる間にアトリエに到着。

 私は大釜に魔法で水を入れて準備完了した。


「じゃあなに作るかリクエストを受け付けるよ!」


私はにこにこ笑いながら二人を見る。


「なら鉄でいいじゃろ、金属なら変なものも出来にくいじゃろうしの」


 ふむ、鉄か……なら目標は金だね。

 鉄から金を作り出すとか何か凄いことをする気分になる。


 まぁいい始めよう、まず鉄を入れる、次に水の色が変わるまで魔力をを込める……よし。


「なんじゃこの色は」


「うぇ、水に汚い油を入れたような色ね」


 二人とも水を見て苦い顔をしている。

 確かに最初見ると汚い水に見えるよね。

 わかるよその気持ち、私も最初そう思ったもん。


 さて次は火をつけて、ぐるぐる混ぜる。

 そしてまた五分ほど混ぜると、ポンっと音がして煙がもあっと出てくる。


「なんじゃ、失敗かの?」


「誰にでも失敗はあるから気にしなくていいのよ?」


「ちゃんと出来てるよ!」


 失礼な人達だよ、ちょっと煙が出たくらいで決めつけるなんて、私の職人魂につばを吐くような行為だよ。

 私はぶつぶつ文句を言いながら出来た金属をリップちゃんに渡す。


「なっ! プリズム鉱石のインゴットじゃと!? 何でこんな物が出来るのじゃ……」


「プリズム鉱石、魔法を完全反射させる性質があるのよね」


「うむ……アリエル他の材料でもう少しやってみぬか?」


 おぉ、私の作品を認めてくれたんだねリップちゃん!

 私は嬉しいよ、お客が喜んでくれると私も真心込めて作ったかいがあるってものだよね。


 そしてその後リップちゃんの勧めでいろんな材料で錬金術をする事になった。




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