病み…すいません闇です
タイトルと比べ内容が中々…
先代巫女登場(出番ほぼ無し
「ぐおおおお……」
楽冶は必死に悲鳴を堪えている。
そんな楽冶を見ながら、私は口に入った物を舐めて味わっていた。
楽冶の指を。
「くっ……ルーミア……」
楽冶が睨みつけてくるが、今の私には逆効果だ。
今の楽冶の視界には私しかいないだろう。ああ。何て素晴らしい事なんだろうか。
そしてついに楽冶の指を噛もうと、一回口を開けた。その瞬間。
私の意識は途切れた。
目が覚める。
私の身体はそこから動かない。
見てみると、よく分からないが強力な術式が書かれているらしい。
少し力を入れてみたが、動けそうにないので何故こうなっているのか考える事にした。
「あ……楽冶」
一番最初に出てきたのは楽冶で、そしてそれで終わってしまった。
だってそれが答えだから。
「あら?結構早く起きてたのね?」
これからどうしようか考えていた所で声が聞こえた。
その方向を見るとスキマ妖怪と巫女。そして
「楽冶!」
右手に包帯を巻いた楽冶だった。
「ったくよー。いきなりやってくれやがって……」
「ごめんなさい……」
「引っ付いたからいいけどよ……こいつらが来なかったら俺食われてたな」
「引っ付いたの!?」
スキマや初めて見た巫女が来たという事より、引っ付いた事のほうが驚きだった。
「永遠亭でな。お前が噛んでたら無理だった」
「ふふふ。感謝しなさい」
「……ていっ」
「あうっ!」
結構な勢いでチョップされた。痛い……
「全く。俺は食べないんじゃなかったのか?」
「てへっ」
「…………」
「ちょっと!ごめんってば!沈黙はやめて!」
調子に乗りすぎたようだ。
楽冶に白い目で見られるのを止めたい私は、何とか話題を……
「あなた達……よくあんな事のあとで、そんな会話できるわね」
「私。さっさと帰りたいんだけど」
話題を考え付くまでに何か言われた。
正直。よく分からなかったが……
「まあ。元から考慮してたしな」
「じゃあやめときなさいな……それより、言っておかなきゃならない事があるでしょ?」
「あー。忘れてた」
どうやら楽冶は私に用があるらしい。
「ルーミア。今から話すのは真面目な話だ」
「うん……」
雰囲気から真面目さ感じ取った私は、真剣に聞く事にした。
「ルーミア……」
ゴクッ
「二択だ。封印されるか死ぬか。どっちがいい?」
は?
「今……何て?」
「封印されるか。死ぬか。今のお前には二択しかない」
どう……して……?
「やっぱり楽冶を食べようとしたから?」
「違う」
「じゃあ私は邪魔なの?」
「違う」
「じゃあ……何?」
あれも違う。これも違う。
だったら何?
私は楽冶に答えを求める。
「実はなルーミア……」
そして楽冶は答えた。
「お前の能力が問題らしい」
「え?」
「ここからは俺もよく分かってない……紫。パス」
「早いわね……まぁいいわ。説明しましょう」
結局解答はスキマ妖怪から聞くことに。
どうやら私の 闇を操る程度の能力 が影響しているらしい。
闇を操る程度の能力。そんなに強くなさそうな能力だが、説明を聞くと大変な能力だった。
ただ単に暗闇を操るわけでは無かった。
色々あったので詳しくは教えれないが、私が選択を強いられている理由。
それは
心の闇
私とこの能力の付き合いは長い。
だが長さ故に、この能力と私の力が完全に絡まりあってるらしい。
「だから楽冶を食べようとしたのね……」
「そういう事。あなたの心の闇である 楽冶を食べたい って気持ちが強くなったのよ」
それであんな急激に食べたくなったのか。
「まぁ引き金は違うでしょうけど」
「え?」
「楽冶のこと。好きなんでしょう?」
私にしか聞こえない声で言ってくる。
私は少し赤くなりながら
「そうかも……」
そう言った。
「それで説明してくれない?選択肢の」
そろそろ聞いて覚悟を決めなければならない。
「あなたの力は強すぎるわ。心の闇。そして世界の闇。色々なものを操れる」
「私はそんな事しないわ」
「あなたがしなくても周りには影響がでてくるわ。あなた自身みたいに、少しずつ」
「…………」
何も言えなかった。
その通りだったから。そして言われたように、最初の犠牲者は私自身。
「それに……」
「何よ」
「次は多分楽冶よ?あなたは耐えられる?」
「っ!!」
耐えれない。
あの楽冶が闇に染まってしまうなんて……
私は今の楽冶が。
今の楽冶が?
どう思っている?いや簡単だ。今までに何回もヒントを得ている。
あとは気持ちにするだけ。
今の楽冶が好きだ
「……封印って。何するの?」
「あなたの力を小さくするわ。そしてあなたも生きれる」
「私は動けるの?」
「動けるわ。力を小さくするだけで、どこかに封印するわけじゃないから」
なるほど
「ただし」
「あなた自身も小さくなるわ」
「どうして?」
「さっき言った通り、あなたの能力はあなたの力と絡み合っているわ」
「つまり能力を小さくすれば力も小さくなる。つまり私自身も小さくなる。ってこと?」
「理解が早くて助かるわ。あと、今までの記憶は消える」
「何故?」
「副作用みたいな物と思って頂戴」
そういうことか。
そしてもう一つの選択肢は 死ぬ 生きていない。
「楽冶」
「何だ?」
「どっちがいい?」
「んなもん。自分で決めろや」
冷たい態度になる楽冶。
やっぱりさっきの事が……「まぁ」
「俺はルーミアが変わろうと態度は変わらないからな」
「それって……」
「あ。小さいルーミアも見てみたいかも」
「……クスッ」
私は笑う。
もう決まった。
「おい!何故笑った!」
「私。封印をお願いするわ」
「分かったわ」
「無視!?」
さっきまで殆ど話さなかった巫女は、分かっていたかのように札を取り出す。
「これを髪にでも結べば終わりよ。ただ。封印される者は自分じゃ無理」
「楽冶!」
「今まで無視してたくせに生意気だな!おい!」
愚痴りながらも札を手に取る楽冶。
「この辺りでいいか?」
「まかせるわ」
「……ったく。じゃあ結ぶぞ?」
「あ。ちょっと待って!」
「?」
私は楽冶に抱きつく。
「私が小さくなっても仲良くしてよ?」
「もちろんだ」
「あと……今まで言えなかったけど」
「何だ?」
「……好き」
「え?何だって?」
声が小さすぎたのか楽冶は聞き取れなかったらしい。
けれど、それくらいでいい。言葉にして言えたのだから。
「気にしないで……結んでいいわ」
「……そうか。じゃあやるぞ」
「うん」
こうして私は封印された。
幽香が興味本位で封印を解いたのでここにいるが、そう長くないかもしれない。
また。小さい時は忘れていた記憶も今はある。
懐かしい。温かい記憶。
さて
「明日まで後10分ね」
時計を見ながら、私は今日の残り10分を、これからする思考に使うのだった。
まぁルーミアも妖怪だから、ちゃんとした好意の表し方を知らなかったんですねー。
強かったから特に。
まぁ何かそんな感じです←逃げました
ルーミア√俺得!って人は何人くらいいるんでしょうか?
小さくても大きくてもルーミアです。愛してあげてください。




