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東方楽々記  作者: COPPE
第八章 妖怪の山を登ってみた
221/223

物好きな河童

あらすじ


お前来月から○○県で仕事な←あ。はい。

交替勤よろしゅうな←あ。はい。

ノルマ達成できなかったら残業な←あ。はい。

ノルマ遅れてるから休日出勤な←あ。はい。

仕事やる気あるんか?←あ。はい。


遅れて申し訳ありません。



雛は帰りました。



さて。雛が帰ってから三十分ほど経つのだが、いまだにとりは説明をやめる様子はない。雛と話してたのも三十分くらいだと思うから、大体一時間は語りっぱなしだということになる。人間は好きなことを話し出すと中々止まらないが、それはどの種族でも共通のことであるらしい。

さすがに説明を全部聞くのは面倒なので、そろそろやめさせることにする。いい加減疲れた。



「それでね!結局最初に戻るんだけど!(ポンッ)……何?楽冶。今からが面白いところなんだけど」

「俺の作るきゅうり十本で手を打たないか?」

「ちょっと少なくない?」

「二十本!」

「もう一声!」

「うむ。では二十五本でどうだね?」



「……」

「……分かった。三十本だ」

「さすが!楽冶分かってるね!」



にとり。見つめるだけで五本足すなんて恐ろしいやつ……いや、きゅうりだから別にいいけど。それよりもさすが金にうるさいだけあって上手いな。



「けど楽冶家無いんでしょ?」

「ああ。それでお前に相談しに来たんだ」

「え?私は家建てるのは専門外だよ?」



大丈夫だ。建築に関してはお前の苦手なやつにやってもらうから。あの大酒飲みのやつらに。



「ああ……うん。分かった」

「それでだ。にとりには雛の家にあった自動風呂沸かし機を付けてほしくてな」

「ええー。今は気分が乗らないんだけど……」

「五十本!」

「よし!その話乗った!」



ちょろいぞにとり……












「ねえ。楽冶暇でしょ?」

「暇じゃない」

「暇だよね?じゃあ手伝ってよ」

「いやだから「手伝って」……はい」



という会話があった為、にとりを手伝うことになりました。いや、いいんだよ?本当は暇だったし。けど暇でも暇じゃないって言いたくなるんだよ何故か。逆に忙しいのに暇って言いたくなる時もあるよな。



「分かるけど今は本当に忙しいんだからさ。ほら、そのボルト取ってよ」



本当に忙しいとのことなので、言われた物をにとりに届ける。あれなんだな。河童もそういう感性?みたいなのあるのか。さすが盟友。



「いや盟友関係ないと思うけど……それよりさあ、雛とはどうなの?」

「どうって何だ?」

「どうって……相変わらず最低野郎なんだね」

「ん!?」



いま笑顔で罵倒しませんでした!?気のせいか?気のせいなら……俺が疲れてるんだろう。ここの所多少の癒しはあったといえ、色々大変なこともあったし。

……気のせいですよね?



「うん。別に楽冶が最低クソ野郎なんて誰も言ってないよ?」

「女の子がそんな言葉を使うんじゃありません!つか言ってるじゃねえか!」

「うるさいなぁ。尻子玉抜くよ?」



すいませんでした。ごめんなさい。本当はそんなもの無いと思うけど何か怖いので謝りますすいません。

てかにとり……お前本当に俺を盟友だと思ってるのか?それにしてはちょっと言葉が荒いというか何というか。



「え?楽冶は別に盟友だとは思ってないけど?」

「だよな……って、思ってないんかい!」

「いくら私でも盟友を罵倒するわけないじゃんか」



つまりあれか。他の人間は盟友だと思ってるけど、俺だけは盟友の仲間外れだということか。何だそれ……何故か目から水のようなものがでているような気がするぞ。



「いや、どう見ても涙でてないから」

「俺の嘘泣きを見破るとは……で。何で俺は盟友扱いされてないんだ?」



今までにとり以外にも結構散々な扱いを受けているので、この程度で泣くような俺ではない。嘘泣きもバレたところで、疑問をストレートに聞くことにする。ちょっと前に盟友同士の挨拶をした気がするが、恐らくそれはただのノリだろう。



「え!?いやそれはその……あれだよ」

「いやどれはどのどれだよ?」

「えーとね……あ!そこにある部品取って!」



急な話題逸らしはやめろ!凄い気になるし、嫌な予感しかしないだろ!



「……この部品だろ?」

「ありがと」

「で「ストップ!この話題はストップ!」」



話題を戻そうとしたものの阻止されてしまった。しかしにとりの慌て様……嫌な予感から、何か違う予感へと変わっていく。実はにとりのやつ、何か恥ずかしいことを思ってるんじゃないかと。

それならそれで言ってくれれば……いや言わせてやるぜ!



「それで「次にその話題だしたら滝壺の上から猛スピードで下まで落とすから」ごめんなさい。もう言いません」



こわっ!河童こわっ!しかもにとりの能力って水を操る程度の能力じゃなかったっけ?その能力使われながら滝壺に真っ逆さまとか……うん。死ぬな。

この話題は本当にやめておいたほうがよさそうだ。確かに恥ずかしいことを無理矢理言わせようとするなんて、男のすることではないな……今の俺、ちょっとカッコいい?



「……そこの工具取ってくれる?楽冶に投げつけたいから」

「調子乗ったのは謝るから投げつけないでください」

「まったく……皆も物好きだなあ」



にとりの言葉に少し傷ついたものの、カッコつけるキャラじゃないというのは自分でも分かっている。それよりも、最後の物好きという言葉に頭の中は?なのだが。



「それはこっちの話だから気にしなくていいよ。本当は少し気にした方がいいけど」

「よく分からんがお前も結構物好きだろ」



俺の言葉に対してにとりは「まあ、私の場合メカに関してはね」と答える。だけどそれは、俺が思っているのとは違うことだった。仕方ない。ここは訂正しておいてやろう。



「違う違う。そうじゃなくて……」

「え?」

「俺と親友やってるのが物好きだって言ってるんだよ」



そうそう。にとりとは何というか、他のやつらとは違ってこの感覚が強いんだよな。何故かは自分でも分からないけど。

メカ話の前の「おい盟友」「何だい?盟友」とか。嘘泣きのやつとか。どれはどのどれとか。こういう話し方できるやつって少ないんだよな。



「……楽冶」



そんな風ににとりとの事を考えていると、何やら本人は顔を真っ赤にしているご様子。どうした?親友と言われて恥ずかしいのか?



「何でさっき私が止めた話題を蒸し返すのさ!」

「ん?……ああ。そういう事か」



にとりは俺のことを盟友じゃなくて親友と思っていたと。だけどそれを言うのが恥ずかしかったから、さっきの話題を止めたということか。


別に親友っていうことぐらい大したことないだろ。好きだとか愛してるだとかいうより……いやけど、友達じゃなくて親友って結構レベル高いか?



「落ち着け親友」

「落ち着いてるよ!」



落ち着いてねえよ!落ち着いてるやつは「落ち着いてるよ!」とは言わねえよ!

よし。とりあえず俺が落ち着こう。そしてにとりを落ち着かせよう。深呼吸……よし。



「……にとり」

「何?」

「将棋でもやって落ち着かないか?」



何となくにとりとの恋愛描写思いつかなかったです。期待していた人申し訳ありません。


ゲスにとり可愛い。


ツイッターをやってみました。晒しません。

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