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東方楽々記  作者: COPPE
第八章 妖怪の山を登ってみた
210/223

偶にしか会わないと気になること

一週間遅れてしまいました……すみません。

先週は仕事がバタバタしてまして。あげく地域の踊りに参加させられたり、土曜日出勤だったりとか。


さて、二週間ぶりとなると、作者も内容を忘れてしまいます。

秋姉妹はほのぼのいきましょう。ほのぼのと。


それでは始めましょう。楽冶くんの焼き芋講座〜。ぱちぱちぱちぱち……あー。虚しい。さっさと始めるか。

まずは静葉と穣子が拾ってきた落葉と、そこら辺に落ちている枯木を燃やします。あ。着火方法は穣子が弾幕で何とかしてくれました。今回は急だからマッチ持ってきてなかったんだよな。

俺の焼き芋の作り方は炭で蒸し焼きにする方法だ。やり方は簡単で、落葉と枯木を燃やしたら灰ができるだろ?それに埋めるだけだ。ただこの方法はかなりの灰が必要になる為、それなりの量を燃やさないといけないし、灰の上で焼いている落葉や枯木の火が芋に燃え移らないか、常に見ておかなくてはならない。

しかもこの方法で焼き芋をすると、かなりの時間がかかる。静葉と穣子が落葉を拾ってきてくれたからな……それでだいぶ短縮されて一時間くらいでできるかな?って感じだな。



「楽冶〜。焼き芋まだ〜?」

「今時間がかかるって説明したばかりだろうが!」

「だけどもう三十分くらい経ってるわよ?」

「だから一時間ぐらいはかかるんだって。そんなに食べたいなら火の調節やってくれてもいいぞ?」

「「それは嫌よ」」



何でそこで揃うんだよ。というかお前ら、できる限り手伝わないようにしてないか?俺の気のせい……じゃないよな。芋掘りも手伝ってくれなかったし。落葉集めも暇だから行ってくれただけだろうし。



「焼き芋〜!」

「ええい!もう少し待ちなさい!さもないとお前の分は燃やす!」

「はーい」



くそ!何て気のない返事だ。俺が燃やさないと思っているのか?

……燃やさないけどさ。あー!ここで燃やしきらないのが悔しい!ここで燃やせたら少しは強気にでれるんだがなあ……やっぱ女性相手に苛めるのはえげつないよな。

仕方なしに俺は、火の調整に力を入れる。火の大きさと範囲をずっと一定にするのは難しく、それらが変わらないように見ておかなければならない。

……後十分くらいでできるかな?

そう思って、一応焼け具合を確かめようとした時、暇を持て余したのか穣子が話しかけてきた。



「ねえねえ楽冶」

「今度は何だ?穣子」

「楽冶って……その。私たちと最初に会ってから結構経つじゃない?」



ああ。そうだな。俺が焼き芋を楽しんでいるところにお前らが飛び込んできて……何か結構食べられた気がするんだよな。そしてそれは恐らく間違いではない。

そういえばそんなに言う程前だったけ?まあ、俺みたいなバカとは違うから、穣子の言ってるように結構前なんだろうな。正確には覚えてないが。

で。それがどうしたんだ?



「ええとね。ほら。その……ね?」

「はい?」

「だからさ……ほら。あれ「楽冶って浮いた話とかないの?」あっ!姉さん!」



ハッキリとしない妹に任せられなくなったのか、静葉がいつもと変わらない表情で言った。

浮いた話っていうと……空を飛べたかどうかってことでいいのか?



「そんな訳ないでしょ!あっちの方よ!」

「何だよあっちの方って……」

「穣子。超がつく程の鈍感楽冶にはストレートに言わないと伝わらないわよ?」



失礼な。自分で言うのも何だが、俺は鈍感ではないぞ。むしろ気が利くほうだと思っている。あんだけ家事してればな。

だが静葉の言うとおり、あっちって言われてもさすがに何のことだか分からないぞ。



「楽冶も楽冶よ!」

「え?俺も?」

「当たり前でしょ?これだけ言われても気が付かないから、鈍感じゃなくて超鈍感なのよ!」

「……何かすまん」



ヤバいなこれ。もしかして穣子じゃなくて、静葉のほうがキレちゃった?普段穣子に注意したり、宥めたりしてる反動か、静葉が怒ると結構怖い。こういう時はいつもと逆。つまり穣子が静葉を宥める時間となる。このパターンはあまり見ることがないから、今のうちに見ておこう。俺のせいで怒られているなんてことは置いといてな。



「私たちが聞きたいのはね?楽冶は今、付き合ってる女性がいるのかってことよ」

「はあ?付き合ってる女性?それはあれか?所謂、彼女とか恋人とかそんなんか?」

「そんなんよ!」



いや、そんなのとは思ってなかったぞ。だっているわけないじゃん。いたら今現在!焼き芋を焼いている時に隣にいるだろ!

というわけで正直に答えよう。



「いないいない。俺なんかにいると思うか?」

「「(いるかもしれないから聞いてるんだけど?)」」



あれ?何か二人ともイラついてない?今のよりマジメに答えたほうがよかったのか?だけど本当にいないし、これ以上のことは答えようがないんだが……

そう俺が思っていても、静葉と穣子のイラついているような、疑っているような視線は変わらず俺を射抜いている。



「……じゃあ気になる人とかは?」



気になる人?それはつまり、俺が恋愛対象として見ているやつがいるって事か?うーん……「恋愛対象として」見ているやつはいないかな。



「ただ皆可愛いからなあ……俺の知り合い」

「はあ!?」



俺がボソッと呟いた言葉に、穣子は敏感に反応した。俺に近づいてきたかと思うと、そのまま俺の肩に手を掛けて、身体を前後に揺さぶる。しかも結構な早さで。やめてくれ。視界が定まらないだろうが。



「だ、れ、が、可愛いですって〜!」

「ま、待て。落ちつけ!まずは手を止めろ」

「先に楽冶がいいなさい!そうしたらやめてあげるわ!」



いやいや、こんな状態で考えて喋ろというのか?

と言いたかったが、穣子の揺さぶり攻撃が早くなる。ちょ。やめ……首取れそう。

とても話せる状況ではないので、ここは静葉に助けを求めることにする。穣子に揺さぶられていることによって、話すことも目を合わせることもできない俺は、とりあえず静葉のほうに顔を向けてみた。

すると静葉は気付いてくれたのか、一回頷いて俺の横に笑顔を携えて近づいてくる。



「楽冶〜!何姉さんばかり見てるのよ!」

「いや、おま、やめ……」



穣子の理不尽な要求に、変なところを区切ってしか話せない俺は、何とか静葉に助けてもらおうと顔を動かさないまま静葉を見続けた。そして静葉は笑顔のまま俺の肩に手をかけ……



「穣子のいう通りよ!さっさと吐きなさい!」



俺の身体を前後に、つまり俺からすると左右に揺さぶりだした……っておい!



「ほら!姉さんもこう言ってるわよ!」

「早くしないと首が取れちゃうわよ?」



それはさっきから思ってるから!それよりも一回やめろって!こんな状況じゃ、話したくても話せないだろうが!

そう言いたい。言いたいのだが、穣子の時点で殆ど喋ることができなかった俺が、二人がかりでやられれば声を発せる訳もなく……



「うおおっ!」

「「きゃっ!」」



強引に脱出するしか方法がなかった。

しかし全方向に頭を揺さぶられていた俺は、頭がグラグラしている感覚が押し寄せ、満足に立つことができない。

片手を頭に当てながらフラフラした後にどうしようもなく尻もちをついてしまった。それと同時に右手に感じる違和感。そしてその違和感は一瞬にして、脳に警告信号を送る。



「熱っ!」

「楽冶!?」



俺は、焼き芋を蒸している灰の上に、右手をついてしまったのだった。


べ、別に飽きたとかエタった訳じゃないんだからね!


8月の携帯待受はムラサです。7月はおかみすちーでした。

何となく月ごとの季節やイベントに合わせたいという、ムダな拘りw

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