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15.迷路でメイズ!?

学園の生徒たちでの交流イベントで、ギルドの初心者用の迷宮を模した迷路『メイズ』を脱出するイベントがあります。

これは、乙女ゲームでの重要イベント。攻略対象者全員と絡む重要なイベントなのです。

電波少女が、まだ接触していない攻略対象者は、

とろける商会の長男マーク・カチョカヴァロ。

スライス教会の神官長息子ネイサン・ブイゲット。

プロセス騎士団団長の次男ハヴェル・モッツァレラ。


とりあえず、私の『きみラタ』の攻略対象者の印象が”顔と声だけが良い”です。

電波少女は、なにこのんで攻略対象者を攻略しようとしているのでしょうか?

ボランティア???

もし、ボランティアでしてくれているなら私の好感度が一気に急上昇ですね。

彼女の様子を見る限り、そうは見えませんが。

電波少女になったからか、ゲームでの彼女の姿は見る影もないです。

ゲームでの彼女を知るだけに、電波少女になったこの姿を見るのは落胆を隠せません。

現実とは、なんとも残酷なことをするのでしょうね。


迷路『メイズ』は、要所に教員たちと未知の物体Mを配置するそうです。

未知の物体Mを配置するなんて、彼を見ただけで気絶する生徒がいるのに、なんの嫌がらせと思いきや怪我の治療が的確な上に腕がいいので、合法ロリ先生が苦渋の決断で仕方なく本当に仕方なく決定したそうです。

合法ロリ先生に、「魔物と勘違いして殺らないように気をつけろ」と忠告を受けました。

その前に、死体の処理に関しては問題ないのでうっかり殺ってしまうかもしれない人物たちがいますが。

これに乗じて、あの人とかあの人とかあの人とかあの人を殺ってもいいかな?


迷路『メイズ』イベント当日、どうやったかは不明ですが魔物たちがメイズに侵入したということが判明しました。

ゲームでは、こんなことなかったのですが。ごく普通に、迷路を脱出するはずだったはず。

現実とゲームでは誤差があるとはいえ、学園のセキュリティは国内でも高レベルなので、魔物とはいえ侵入が難しいはず。内部の者による手引きがあれば別ですが。

普通なら、魔物たちが侵入した迷宮『メイズ』でのイベントが延期されるはずなのに、電波少女の一声でイベント決行になりました。

これは、第四王子ロベルト・ゴルゴンゾーラマスカルポーネ様とスヴァリウス・ヴァルテッリーナ・カゼーラ様が二人一緒に、権力を振りかざして決められたからです。

これには合法ロリ先生もキレかけたのですが、後頭部が禿げている教頭の取りなしによりイベントをこの日に決行することになりました。

「イタイ目に遭えば、少しは目を醒ますでしょう」と後頭部が禿げている教頭が素敵な笑顔を浮かべた時に、合法ロリ先生は恐怖を感じたそうです。

第一王子様から第三王子様の専属執事たちと私は、『電波少女とおバカな仲間たち』を一切助けないことを条件にこの件について静観することにしました。

もちろん、他の戦闘可能者たちも同じ条件です。

自分たちの守るべきものを危険にさらそうとする奴なんて、助ける必要すらないでしょう?

救いようのない頭の持主でも、それぐらいきっと分かるかもしれない...


迷路『メイズ』イベントが開始されました。

私は、レイチェル様とクリス様とメリッサ様と行動します。

合法ロリ先生からは、戦闘可能な先生方と同じく『メイズ』の監視兼巡回をして欲しいと言われたのですが、もちろん断りました。

私にとって、レイチェル様を守ることが最重要です。

誰もかれも『電波少女とおバカな仲間たち』の後始末なんてしたくないですよ!

「リズ、私たちと行動してよかったんですの?」

「うん、そうだね。他の子たちも危ないよ」

「いいに決まってるじゃない。もしこれで、レイチェルが危険な目に遭えば学園の問題児たちがされるわよ?だって、危険だと分かってこのイベントを決行したのは彼らじゃない」

ちょっと顔を青褪めさせて私を見るのはめて下さい、メリッサ様。

私は、メリッサ様に何もしませんよ。

レイチェル様に危害を加えなければですが。

まあ、確かにこちらに向かってくる魔物たちを問答無用で箒で殴ったり、足で蹴り飛ばしたり、メイズの壁に素敵にオブジェにしてあげたりしていますが。

でも、一番始めにレイチェル様を狙って攻撃してくるんですよ。

これは、手加減なしで私に殺れと言ってるも同然です。

私に向かってくるなら、少しくらいは手加減しますよ?

たまに、通路の見える範囲に『電波少女とおバカな仲間たち』を見つけると、魔物たちをそこに投げつけたり蹴り飛ばしたりして、奴らを魔物たちの下敷きにしているのは悪意ある嫌がらせではありません。完全なる八つ当たりです。

これぐらいしてもいいですよね?

中には、魔法を使える魔物たちも交じっているのが不思議な感じになりますが、狭い通路の中なので、彼らが能力を生かせるはずもありません。

私が、魔法を使える魔物たちが能力を生かす前に『一撃命奪』しているせいでもあります。


しばらく歩いていると、

「それにしても、メイズに魔物たちがいるって聞いて危険だと思ったけど案外そうでもないよね?」

「そうですわね」

「それもそうね」

通りがかりの上級生(男)たちのグループはそれを聞いて、即座にツッコミを入れました。

「それ、魔王様のせいだから!」

「魔王様、無双!?」

無双なんてしてません、失礼な。

軽く、殺っただけです。

「魔王様だぜ。あの第一王子エーレンフリート・ゴルゴンゾーラマスカルポーネ様の専属執事クロヴィス・パルメザンを一撃必殺で沈めた魔王様だからだぜ!」

「壁のオブジェは魔王様のせいかよ!」

と言うだけ言って、顔を青褪めさせる上級生(男)たちは私から逃げて行きました。

逃げなくてもいいのに...

上級生(男)たちがレイチェル様たちにツッコミを入れている時に、私を見て必死な形相で逃げ去るクロヴィス・パルメザンがいました。

その時に、失礼にもエーレンフリート様を引き摺って行きました。専属執事としては、あるじに対してその態度はどうかと思います。


迷路を脱出した後に、レイチェル様と別れて私は迷路の中に戻りました。

生ゴミ...ではなかった『電波少女とおバカな仲間たち』を回収するためです。

私が、『電波少女とおバカな仲間たち』のところに戻ると彼らは新たな仲間たちを増やし、魔物たちの下敷きになって気絶していました。

私は魔物たちをどかし、気絶している彼らをまとめて簀巻きにし、『縄なわ軽量化君』という縄を簀巻きに巻き付け彼らを運び出しました。

『縄なわ軽量化君』というのは、ギルドで換金できる重い魔物を軽量化して女性でも運べる仕様にした縄です。



私は、彼らを保健室まで運ぶと縄なわ軽量化君をほどいて簀巻きのまま放置しました。

未知の物体Mの餌食になるかもしれませんが、私には関係ないです。

電波少女はトラウマを植えつけられるかもしれませんが、未知の物体Mは男女問わずの面食いなので、未知の物体Mの餌食からはきっと逃れるでしょう。

だって、周りには顔が取り柄の攻略対象者様たちがいるのですから...

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