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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第五十六話 前哨戦

みなさん、いつも誤字報告ありがとうございます。

自分で探してもなかなか見つからないもので、こんなに誤字があるとは思いませんでした。

これからもどうかよろしくお願いします。


 ダンジョンに入ってすぐちーちゃんを召喚してもいいのだが、今日はもう一つ目的がある。

 一度メイジ・ウィーズルを見ておこうと思ったのだ。

 シロタイツ・マッチョと違って話には聞いてても初見の相手だ。

 様子見で少し戦ってみようと思う。

 あとちーちゃんを召喚するにしてもできるだけ人気の少ないところの方がいい。

 別に召喚するところを見られても構わないが、見世物なわけでもない。メイジ・ウィーズルと戦った後で召喚すればいい。

 そんなわけで『ファースト』に着いた俺たちは、まずポータルで地下六階まで行く。

 以前試したので神速を何度も使い、全力でボス部屋に向かう。四時間ぐらいで到着の予定だ。

 基本的に魔物の相手はするつもりはないが、行く手を塞ぐ奴はトップスピードのまま飛び蹴りを喰らわせてそのままトンズラする。

 ダイフクに乗っているみーちゃんの事が気になるのでたまに様子を見ると、青い髪をたなびかせながら楽しそうにキャッキャ言ってるので問題は無さそうだ。

 ジェットコースター気分なのだろうか?

 途中で休憩を挟みながら、ひたすらにボス部屋を目指して突っ走っていく。

 ただ、たまにすれ違う冒険者達は目を丸くしていたが・・



 昼過ぎ。

 だいたい予定通りの時間にボス部屋の前に到着した。

 とりあえずここで一息入れる。

 ボス部屋の扉が閉まっているので誰かが戦ってるということはない。

 椅子とテーブルを取り出し、みーちゃんと二人豆大福を食べながらしばしお茶を飲む。


「ほんとうにひとりでたたかうの?」

「ああ。みーちゃんもちーちゃんも俺の力になるために来てくれてるのにすまないな」


 もちろんボスは関係なく普段から色々と力になってくれている。

 それでもここぞという場面であるここで、一人で戦わせて欲しいというのはただの俺のわがままだ。

 二人にはあらかじめ説明して了解をもらっている。

 それでも申し訳ないなとは思うのだ。


「きにしなくていいの。がんばるゆーちゃんはかっこいいの」

「そうか、俺はかっこいいか」


 そう言われては無様な戦いはできないな。

 まあ今日はあくまで様子見だ。確認しておきたいこともあるしな。

 とりあえず体力が回復するまで、のんびりと二人でお茶をする。



「さてそろそろ始めるか」


 十分ほどのんびりした後、俺は立ち上がってストレッチを始める。

 さっきまで散々走っていたのでそこまでする必要もないのだが、こういうの気分だ。


「きをつけてなの」

「ああ、今日はすぐに戻ってくるよ」


 椅子から立ち上がったみーちゃんが、俺の服の裾をちょいちょい引っ張りながら注意してくる。

 準備のできた俺は扉の前に立ち大きく深呼吸をする。


「よし!」


 一言気合を入れ、ボス部屋の扉をゆっくりと開いていく。

 もちろんみーちゃんには部屋の中に入らず見守っていてもらう。

 俺が部屋の中に入ると、広い部屋の中央に三体(・・)の影が浮かび上がる。

 真ん中に一体2.5m程度の大きい奴と、両サイドに俺と同じくらいの大きさの奴が一体ずつ。

 両サイドのはウィーズルナイト。ボスを守る近距離戦を行う魔物だ。

 そして中央にいるのがボスのメイジ・ウィーズルだ。

 名前の通り魔法攻撃をメインに行ってくる。

 生意気にもこの三体はイタチのくせに二足歩行だ。

 さて、魔法攻撃してくるボスはもちろんのことだが、ニ体のウィーズルナイトも厄介だ。

 ウィーズルナイトはとても強いわけではないが、倒したところですぐに次のウィーズルナイトが出現するという。

 つまり俺は常に三対一の構図で戦うことになる。


「さてそれじゃあ始めようか」


 あくまで様子見と確認――自分にそう言い聞かせて、バトルを始めた。



「ただいま」

「おかえりなの」


 五分ほど戦い、俺は部屋を抜け出してきた。

 俺が部屋から出た瞬間にメイジ・ウィーズル達は消えていった。

 とりあえず戦いのイメージはできた。三対一でも何とかなりそうだ。

 やはり話に聞くだけよりも実際に戦ってみた方が得るものが多かった。


「さて、そろそろちーちゃんを召喚しようか」


 これこそが今日最大の目的だ。

 イタチ共はあくまでおまけにすぎない。


「召喚魔法、ちーちゃん!」


 魔法を発動すると俺の目の前に光輝く魔法陣が現れた。

 そしてその中央からちーちゃんがニョキっと生えてくる。

 ちなみに食べてる最中だったのか、右手には豆大福が握られていた。


「・・来たわよ」

「ようこそ、ちーちゃん」


 数時間ぶりに会ったちーちゃん。

 頭を撫でてあげると気持ち良さそうに目を細める。


「みーちゃんもみーちゃんも!」


 それを見ていたみーちゃんも自分もと催促してきた。

 君はずっと一緒にいたじゃないか・・


「・・私はしばらく離れていたから撫でてくれたのよ。みーちゃんは必要ないでしょ?」


 ちーちゃんはそう言いながら俺の手を握ってくる。

 みーちゃんを煽るのはやめような。


「みーちゃんはいっぱいおうえんしてたの!」

「わかったわかった」


 別に何か減るもんでもないのでみーちゃんの頭も撫でてあげる。

 ちーちゃん同様、みーちゃんも目を細めて撫でられる。二人とも猫のようだ。

 それで満足したのかみーちゃんの機嫌も戻っていった。


「おひるごはんにするの!」

「・・そうねお腹がすいたわ」


 ちーちゃん、その手に持ってるものは?

 まあ元々の予定通り、これからセーフエリアに行って昼食だ。

 俺も散々走ってボスにちょっかいかけてきたので、だいぶ腹が減っている。

 がっつり食って軽く狩りをしたら桜木亭に向かおう。

 ちょっとみんなの反応が楽しみだ。

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