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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第百八十話 生首

 地下室で脱いだ靴を再度履き、玄関の扉を開けてスーさんに外の景色を見せた。

 向こうとは全く違う建物。車。電柱。

 さらには綺麗に舗装された道。引かれている白線。

 何もかもが見知らぬ景色に、スーさんはフリーズしてしまう。


「・・本当に異世界なのだな」

「俺達にはあっちこそが異世界だがな」


 フリーズしていたスーさんはぷるぷると震えだし、今にも走り出しそうな雰囲気だ。

 しかし大きく深呼吸をし、気持ちを落ち着けてこちらを向いた。


「約束を守ってくれて感謝するぞ。本当は今すぐにでもこの世界を見て回りたいが、後の楽しみとしておこう。まずはあちらに戻って急いで精霊教を潰してくる。今の儂は殺る気満々じゃ」


 ドラゴンが殺る気とかもはや恐怖でしか無いな。

 さらには国も動くのであれば精霊教も終わりだろう。

 まああんなちみっ子誘拐団なんざ滅んでしかるべしだ。


「山に籠もって退屈な日々だったが、長く生きてきたかいがあったというものだ。残りの人生が楽しみじゃな」


 あんた死ぬまでこっちにいるつもり?

 ってか、寿命はあと何百年ですか?


「じゃあ向こうの遺跡まで見送りに行くか」

「すまんの。見送りはいらぬと思ったが、あの入口を一人で外に出られるのかを試してなかったからの」


 確かに一人で帰らせて、遺跡から出られない可能性もあったな。

 それはそれで面白い絵面だが。

 そんなわけで俺達は再びダンジョンに入り、今度はワープポータルを通って地下三階に移動する。

 せっかくなのでスーさん単独で外に出られるのかを試してみることにした。


「こちらからは扉が見えているな。これならば行けそうじゃ」


 そう言って扉の取っ手を掴み開くことに成功する。

 そのまま手を遺跡の外に伸ばすと・・


「通れるようじゃな」

「入る時だけが俺等と一緒じゃないとだめなのか」


 スーさんは足を出してみたり体半分を出してみたりと色々試す。

 いや遊んでないで全身出なさいよ。

 一通りやって気が済んだのか、ついにスーさんは遺跡の外に体を出した。

 そして振り返ったスーさんは困惑する。


「入口が見えなくなった。壁しか無いぞ」

「やはり一度出ると俺達がいないと入れなくなるんだな」


 俺は扉から顔を出して外をきょろきょろ見回す。


「・・お主、儂から見ると壁から頭が生えている状態じゃぞ。ゴーストかと勘違いしそうじゃ」


 何それ、俺も見てみたい。けど俺には壁じゃなく入口が見える状態だしな。

 するとちみっ子達が俺と同じように、頭だけ出して外のスーさんを覗きだした。


「みーちゃんもくびだけみえるの?」

「・・生首ごっこね」

「じゃあ僕は手も出してみる」


 ちみっ子達も壁から生えているように見えるのか、スーさんは面白がって出ている頭を撫でていた。

 あ、そうだ!

 とある事を思いついた俺は一度遺跡から出てスマホを取り出し、カメラ越しに扉を見てみた。


「うーん、普通に扉が映るな」


 扉が見える俺ではカメラにも映るのか。

 ならばとスーさんにスマホを持たせてみる。


「これを壁に向けるのか?」

「そう、そのまま持ってて」


 スーさんが扉に向けて持っているスマホを覗いてみる。

 するとそこには扉がなく、壁から生えるちみっ子達の生首が見えた。


「スーさん、そのままそこの丸いのを押してくれ」


 カシャ。

 スーさんの手により、無事に心霊写真が撮れた。

 それをちみっ子達に見せてやる。


「みんなあたまだけなの!」

「・・スーさんにはこう見えてたのね」

「もっといっぱい撮ろう!」


 そんな感じにちみっ子達が大はしゃぎしたので、撮影会が始まってしまった。

 しかし撮影できる人がスーさんしかいないため、スーさんの写真を撮ることが出来ない。

 試行錯誤の末、スーさんにセルフタイマーを覚えてもらい、近くの木に立てかけて撮ってみた。

 ちょっと画角がアレだが、うまくみんなで心霊写真を撮ることが出来た。

 今度三脚でも買っておこうかな。ちみっ子達の写真もいっぱい撮りたいし。


「見送りに来たのにずいぶん遊んでしまったな」

「うむ。その『すまほ』というのは面白いな。写すだけではなく会話もできるのだろう?」

「ああ。調べ物をしたり時間を見たりと、何でもできるぞ。スーさんがこっちに来るときには一台プレゼントするよ」

「それは楽しみじゃな」


 実際地球で生活するなら通信手段は必要になるだろう。スーさんが迷子になったりしたら位置特定機能で迎えに行けるだろうし。

 迷子になるドラゴンとかウケる。


「では儂は行くとしよう。そちらも頑張るのじゃぞ」


 スーさんはそう言うと竜化して飛び立っていった。

 うん、こっちも頑張る・・

 頑張る?


「あ、精霊結晶を届けないと!」

「・・忘れてたのね」


 エルフの村くらいからなんかのんびりしてたので、ただ旅をしてる気分になってた。

 てか撮影会をしてる場合じゃないじゃん!

 スマホを仕舞もせずに俺達四人は急いで遺跡へと引き返し、ダンジョンを抜けて家に帰ってきた。

 と同時に、手にしていたスマホが急に鳴り出した。


「なんだメールか。ん? 留守電も入ってるな」


 まずはメールから確認すると『竜宮館』のギルマスの宮本さんから、進捗の確認のメールと、『桜木亭』のギルマスの高倉さんから連絡をくれとのメールだった。

 留守電の方を確認するとこちらも高倉さんで、やはり至急連絡が欲しいとのこと。

 これは水神社で何かあったパターンだろうか?

 嫌な予感がしながらも、俺は高倉さんの携帯に電話をかけた。

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