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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第百七十八話 挨拶回り

「知らんな。どう考えてもトップシークレットな話だろうが。ソフィアは()()のギルマスだから聞かされてたんだろ」


 このおっさんでも教えてもらえないほどのことか。

 実際、精霊教が狙ってきたのだから秘匿していたのは正解だったのだろう。

 あのピチ男は独断専行して精霊結晶を狙ってきたようだが、情報が広まっていたら精霊教が総力を上げてマーズ神国特区を襲撃していたかもしれない。


「そうか。ところであのストーカー女(ソフィアさん)は放っといていいのか? もうなんかそのうちここに突撃してきそうな感じだったぞ」

「・・勘弁してくれ。あいつから逃げるために王都のギルマスを押し付けてきたんだ。俺は一人でのんびり生きたいんだ」


 ほむ。まあその気持はわかる。

 俺も独身貴族を謳歌してるわけだしな。(子持ち)


「何にせよ無事に手に入ったのなら何よりだ」

「いや、無事ではなかったぞ」


 せっかくなので道中の出来事を話してやった。ピチ男のこと、精霊教の悪行、ライオード王子が精霊教討伐を王に進言すること、霊獣(スーさん)も参戦すること。

 諸々を聞かせてやると、カイエンはそれはそれは凶悪な笑みを浮かべた。


「ぜひとも俺もその討伐作戦に参加させてもらいたいぜ。なんならこの村総員で戦いに行くぞ」


 ああ、そりゃエルフ達は精霊教みたいなのを許すわけないよな。

 この村の人なら子供でも武器を手にして突撃しそうだ。

 精霊教とは逆のベクトルで狂信者だ。


「詳しい話はどうなるか俺にはわからん。申し訳ないが俺達には目的があるんでな」

「わかってるさ。そのために精霊結晶を探してたんだしな。後の事はこの国に任せときな」

「ちなみに討伐作戦に参加するとなったら、ソフィアさんに会うことになるんじゃないか?」


 『ピタッ』と動きを止めたカイエン。

 あれだけ滾らせていた闘志が一瞬で霧散した。


「あー、うん。後の事はこの国に任せればいいな」

「ひよったの」

「・・ヘタレね」

「精霊教より自分の平穏を取ったね」


 ちみっ子達に白い目を向けられ、そっぽを向くおっさん。

 さっきまであれだけやる気だったのが、女一人に逃げ腰になってるんだもの。


「じゃあ俺達はそろそろ行くわ」

「ああ、気を付けてな。お前達が次に来るときには、諸々終わってることを願ってくれ」

「あんたが戦えばその分早く終わるんじゃないのか?」

「・・考えとくよ」


 俺の言葉に苦虫を噛み潰したような顔をしながら、俺達を送り出してくれた。

 あのおっさんも元は凄腕の冒険者だったって話だし、討伐作戦に参加してくれれば心強いだろう。


「後は村長の家だな」

「またあのドライフルーツをくれるかな?」

「ふーちゃん、それ目当てで行くわけじゃないぞ・・」


 俺達四人(プラス一人)はてくてくと村を歩いて、村長の家に到着する。

 まずはノックをしてみる。


「ごめんください」


 ・・・・。

 いない?


「兄さんたち村長に用事か?」


 突如声をかけてきたのは、どう見てもモブな村民Aだった。

 RPGでも声もかけられずにクリアされてしまうような村人タイプ。


「ああ、ちょっと挨拶に来たんだ」

「今日は村長は村の会合で、奥さんはさっき買い物に行ったみたいだぞ」

「そうか、ありがとう」


 いい加減失礼な考えを頭から消して話を聞いたら、そんな答えが帰ってきた。

 タイミングが悪かったか。まあ挨拶は必須項目でもないしまた今度だな。


「したら帰るとしますか」

「・・そうね。早く精霊結晶を持っていきましょう」


 この村で用事もなくなったので、遺跡のある方の村の出口に向かって歩いていく。

 この世界も十分満喫したし、今度は日本でダンジョンや観光を楽しむのだ!


「きょうはあのおじさんじゃないの」


 村の入口まで来ると、みーちゃんがそんな事を言った。

 何の事かと視線の先を見ると、確かにいつもの門番エロフのおっさんと違った。

 まあ休みの日だってあるだろうさ。

 そのまま問題なく村を出て村が見えなくなると、スーさんが再び姿を表した。


「村の中を見るのもだいぶ久しぶりだ。さすがに見知ったものはいなかったな」


 そりゃあんた長い間寝てたんだから、前回来たのはウン十年前だろ?

 高齢の人ならワンチャン・・いや年を取ったから顔もわからないか。


「寂しいものなのか?」

「いや、人の寿命が短いことは承知してるから特に感傷はない。深く接しもしないしな」

「そんなものか」

「逆にお主ほど接している者なら、その死後は思い出に浸りもするだろう」


 そう言ってくれるのは嬉しいな。

 人の死は他人の思い出から消えた時こそ本当の死と言える。

 スーさんほどの長命な存在に覚えてもらえるのは光栄なことだ。


「だいじょうぶなの。ゆーちゃんはしなないの」

「・・若返りの薬を飲ませてずっと私達と一緒よ」

「いっぱいお薬集めるね!」


 俺の人生をちみっ子達に握られた・・

 まあ薬を飲むかどうかは俺次第だし、大丈夫だと思いたい。


「お、見えてきたな。スーさん、あれが例の遺跡だ」

「うむ。こんな所に遺跡があるとは知らなんだ。特に不思議な力も感じないからわからなかったのか」


 大きさこそ体育館くらいあるが、ボロボロで人が住める状態でもない。

 しかもこんな道沿いにある遺跡じゃ中は調べ尽くされていて、誰も興味を持たないだろう。

 しかし俺達には大事な場所なのだ。


「じゃあスーさんが日本に行けるのか実験しようか」

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