表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

164/223

第百六十二話 お尻がライチ

 片道三日の行程、そんなに語るほどの事はなかった。

 道中は廃墟や遺跡が多く見られたが、寄り道してられないのが残念だった。

 食事は同行のメイドさんが用意してくれたし、寝るときも馬車の座席の背もたれを倒すと簡易ベッドになったので王子様と一緒にそこで寝させてもらえた。

 もちろん夜の見張りは騎士達がやってくれたので俺達はぐっすりだ。

 だがさすがに三日も馬車だと話すこともなくなり、トランプなどで遊んで時間を潰した。


「もしかしてあれがマーズ神国特区か?」


 馬車の窓からちらりと見えたのは、高い外壁に囲まれた街・・なのか?

 目を引くのはその外壁で、一面すべて白く塗られている。

 教会の総本山はマーズ神国なのだろうが、この特区も教会らしさを見た目に表しているようだ。


「まっしろなの」

「・・あんなに全部白く塗るなんて大変だったでしょうに・・」

「なんだか落書きしたいね」


 ふーちゃん、それはマジで怒られるからやめなさい。

 しかし街の中ももしかして真っ白なのだろうか?

 目には優しそうだが、精神的に参りそうだ・・


「あれは白く塗っているのではなく、白い岩を切り出して壁にしたそうですよ」


 王子様の説明に『は?』と思う。むしろその方が大変だっただろうに。

 俺の脳内では、ピラミッドを造るために大岩を運ばされている奴隷たちの姿が再生された。

 さすがにそんなことはしてないだろうが、相当な労力だっただろうに。

 その白い岩をどこから運んだかにもよるな。見たところ周囲には岩山など見られない。遠くから運んだのなら大変だっただろう。


「途方もない時間をかけて造った外壁みたいだな・・」

「確かに時間はかかったみたいですが、土魔法使い達が大活躍したそうです。交代で白い岩を出してもらって、職人たちがキレイに積み上げていったそうです」


 魔法バンザイだな!

 ピラミッドを脳内再生した俺がアホみたいじゃないか。


「ちーちゃん様ならそれこそ一日でこんな外壁を建てられるのではないですか?」

「・・あの規模だとさすがに二日は欲しいわ。疲れるもの」


 ウチの子達は何気にスペックが高いよな・・

 さすがエリートなだけはあるのか?

 ちーちゃんの発言にメイドさんと騎士のお兄さんはちょっと引いてるぞ。


「しかしとりあえず見えはしたが、まだしばらくは時間がかかりそうだな」

「ここからですと、大体あと一時間くらいですな」


 これまでの旅程を振り返ればあと一時間なんてあっという間だが、まだ一時間と考えてしまうと長いものだ。

 何よりケツが痛いんだ・・

 乗合馬車に比べればだいぶマシとはいえ、三日も乗っていれば痛くはなっている。

 一応乗っているみんなにクッションを出してあげたがそれでも限界はある。

 平気そうなのはちみっ子達だけで、王子様と大人組は顔にこそ出さないが座る位置をしょっちゅう変えて耐え忍んでいる。

 もちろん外で騎乗している連中の方が辛そうだが、車のシートに慣れてる俺には数日に及ぶ馬車移動でお尻がライチの皮のようになってそうで怖い。


「ゆーちゃん、かいふくまほうかける?」


 なるほど、回復魔法をかければこの痛みは消えるかもな。

 しかしケツが痛いからと言って回復魔法をかけるとか情けなくないか?

 ここは男らしく我慢――


「お願いします」


 ・・する前に本能的に頼んでしまった。


「ゆーちゃんのおしりよくなるの!」


 みーちゃんが回復魔法をかけてくれた。ただお尻の部分は言わなくてよくね?


「おをぅ、これはいい。痛みが消えた」


 すぐに魔法の効果が表れお尻から痛みが消えたのに驚き、俺は立ち上がってお尻を押さえてしまった。

 全員の視線が俺のケツに集中する。恥ずかしじゃないか。


「みーちゃん、みんなにも回復魔法をかけてあげてくれ」

「わかったの。みんなおしりよくなるの!」


 王子様とその両横に座るメイドと騎士にも回復魔法がかかる。

 すると三人も驚いて立ち上がった。もちろんお尻を押さえて。


「治ったようだな」


 俺のその一言に、三人は気まずそうにしながらみーちゃんにお礼を言って席に座ったのだった。

 死なば諸共。みんなで恥ずかしい目に合おう。




 美しい白亜の外壁に造られた街門。先触れが届いているだけあってすでに開かれている。

 開かれた門の先に門番である兵士たちとは違った、白馬に跨った四人の騎士がこちらを待ち構えていた。

 隊列の先頭に移動していたカールトン隊長が彼らと何か話すと、四人の騎士は踵を返し馬を歩かせ始めた。どうやら先導してくれるようだ。

 街の中に入って分かったことだが、街のすべてが白いわけじゃなかった。

 白いのはあくまで外壁と街の中心にある内壁、それと教会ぐらいなもので他はいたって普通の街だった。

 街の様子にホッとしながらも、馬車は街の中心にある内壁に向かっていく。


「あの壁の向こうに中央教会と王墓があるそうです」


 つまり王都の作りに似た構造なんだな。貴族街がないだけで王城の代わりに中央教会と王墓があると。

 王墓はしっかりと教会によって守られているようだ。


「中央教会と王墓は神殿騎士団によって守られているので、不審者が近づくことは出来ません。父上から聞いた話では彼らは世界屈指の騎士団だと言ってましたから」

「まぁ怖い。関わりたくないなぁ・・」


 多分違うのだろうが、神殿騎士って狂信者なイメージがあるんだよな・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ