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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第百六十話 金の成るスキル

「とりあえずこいつらは有難くもらっておくよ。代わりに何か欲しいものはあるか?」


 ヨウはそう言いながらアイテムボックスを開けてテーブルの上の物品をしまっていく。


「ヨウもアイテムボックスを持ってるのか」

「ユタカだって持って・・いや待て」


 アイテムボックスにしまっていた手をピタリと止めてこちらを向くヨウ。

 ようやくおかしなことに気付いたのだろう。


「あっちでアイテムボックスを持ってるなんてチート過ぎだろ!? それとも俺が知らないだけで実は冒険者には結構持ってるやつがいるのか?」

「まさか。俺が知ってる限りでは俺だけだよ」


 もちろん持ってるけど隠してるやつもいるかもしれない。

 治安のいい日本ならともかく、海外では所持者が誘拐されて悪用される可能性もある。

 逆に俺は公表することで悪い奴らが手を出しにくくなり安全を得たわけだ。


「この世界では多くはないが俺のように持ってるやつはいる。輸送手段の乏しいこの世界ではもちろん重要度の高いスキルだ。だが現代の地球での価値はそれじゃ済まないだろう?」


 そのとおり。しかも無制限に積み込めるのだ。

 使える場所がダンジョン限定だとしても、各地方へ大量の荷物を俺の身一つというコストで移動できる。

 クロ〇コやアマ〇ンなら大金を払っても俺と契約したいだろう。それどころか国が俺を雇いたいかもしれない。

 精密機械も衝撃を与えることなく運べるし、タンカーやコンテナ船で運ぶ重量物だっていくらでも運べる。

 違法品の密輸入だってやり放題だ。もちろんやらんが。

 大局的に見れば輸送コストや時間をほぼゼロに出来る能力。

 こっちの世界と地球とでは輸送する品物の量も、それにかかる金銭も桁違いだ。

 ダンジョンでしか使えないスキルなのに世界に影響を与えてしまう、それがアイテムボックスなんだ。


「まあこのスキルで金儲けをしようとかは思わないよ。大精霊様にもらったスキルだから、ダンジョン攻略や人のために使いたい。無論自分のためにも使うがな」

「大精霊様に・・ほんとユタカは規格外だな。そしてアイテムボックスをもらったのがユタカでよかったよ。今まさに恩恵にあずかったわけだし」


 ヨウはそう言って再びカップ麺などをしまい始める。

 まあアイテムボックスがあるからこそこの世界での旅が出来ているわけだ。無かったら『水神社』は詰みだった。

 ウチの大精霊様はこうなる事を見越してたのだろうか?

 ・・考えすぎか。単純に俺の役に立ちそうだからくれただけな気がする。


「そんなわけだから対価は別に要らないぞ。こっちだって王墓の件で世話になるんだし」

「そうか・・まあ一応借りにしとくよ。何かあったら王の権力を貸すからな」

「心強い反面、そんなもの借りたくないとも思うな」

「欲のない奴だ。それともこの世界には特に興味が無いのか?」


 そんな事はない。ラノベが好きな俺にはこのファンタジーな世界は夢の国だ。

 魔法だの魔導具だの霊獣だのと厨二心をくすぐる世界だ。

 だがエルフだけはダメだ。これは何度でも言うぞ。


「精霊結晶の件が無ければゆっくり見て周りたい程に興味があるぞ」

「だろ? 俺もこんな物語の世界に転生できたのは僥倖だったぜ。なんせ元はただの漁師だからな」


 苦笑いをしながらそう言うヨウ。

 津波で死んだ記憶を持ち、家族や友人とは二度と会えない。

 なまじ転生前の記憶を持っているからこそきっと悲しみに暮れる日々も送っただろう。

 それでもヨウはこの世界を愛している。

 それは今この世界で生きている『ヨウ』の人生を、その家族や友人を大切にしているからこそだろう。

 悲しみは消えなくてもそれを包み込む幸せを得られたヨウは、これからも良き王としてきっとこの国を発展させていく。

 日本人『吉村 真』は俺がたまに顔でも出して相手をしよう。それだけでも彼は喜ぶはずだ。

 今度来るときにはさっき言っていた物の他に宮城の酒なんかも持ってこよう。

 漁師ならきっとよく飲んでいたのだろうし。


「さて、そろそろお開きにするか。今日泊まる部屋に案内させるよ。せっかくだからゴージャスな部屋にしといたぜ。それと飯も期待しといてくれ」


 飯はともかく部屋は普通でいいんだがな・・

 都内で泊まると一泊数十万とかするような部屋は胃に悪い。

 ヨウが会議室の扉を開けると、外には兵士二人と近衛隊長のカールトン、それとドラウザー軍務卿が待っていた。


「待たせたな。ユタカ殿と精霊様方を部屋に案内してくれ」

「畏まりました」


 どうやら部屋への案内も軍務卿がやってくれるようだ。

 向かいの控室からは王妃様と王子様、その後からちみっ子達が出てきた。


「精霊様、またお話をお聞かせください」

「明日からの旅を楽しみにしてます」


 ちみっ子達も二人と色々話したみたいだな。すっかり打ち解けている。


「では皆様お部屋へとご案内いたします」


 俺とちみっ子達は歩き出した軍務卿の後に付いて行く。

 ぐるぐる歩いて階段を登って、十分程歩いた先で軍務卿は足を止めた。多分三階だと思うのだが・・

 俺達の前には見事な彫刻をされた豪華な扉があった。


「ここが本日お泊まりいただくお部屋です」

「きひんしつってかいてあるの」


 ・・普通の部屋と変えてくれない?

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