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我が家の地下にレアダンジョンができたんですが・・  作者: エクスボーン


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第百五十四話 ガイア城

「さてソフィアさん、そろそろ出発しましょう」

「・・あ、そうですね。ちょっと我を忘れてました」


 タクマ司祭にそう言われて気付くまでおよそ五分ほど。

 その間たっぷりとちみっ子達と触れ合っていたソフィアさんはツヤツヤとしている。

 俺とタクマ司祭は世間話をしていたが、当のちみっ子達は少々お疲れのようだ。


「ゆーちゃんだっこなの」

「・・私もよ」

「もちろん僕も」


 三人いっぺんは大変だが、労う意味でも両腕で三人を抱っこした。

 まあ重さ的には同じ大きさの人間の女の子よりも軽いので問題はない。

 そしてそれを見て羨ましそうにするソフィアさん。話が進まないからさっさと馬車に乗れ。


「では出発しましょう」


 全員乗り込み、馬車はギルドの近くにある貴族街の南門に向かう。

 貴族街も王都外周と同じように壁に囲まれている。緊急時の最終防衛ラインになるのだろう。

 もっともそこまで攻め込まれたらすでに負けなのだろうが・・

 そして馬車は程なく門へと到着した。

 御者が門兵とやり取りをしていると、馬車のドアがノックされた。


「失礼します。内部のチェックをさせてください」

「どうぞ」


 ソフィアさんがそう答えると、ドアを開けて真面目そうな顔をした兵士が内部を覗き込んできた。


「積み荷はありますか?」

「いえ、何もないわ」

「わかりました。ご協力ありがとうございました」


 割とあっさりと兵士はチェックを終えた。人よりも危険物を注意してたのだろう。

 御者の方も手続きが終わったようで、再び馬車が動き出した。


「ここから暫くかかるのか?」

「中に入れば王城まではすぐに着くわ」


 確か地図で見た感じだと、王都が約10平方キロメートルで貴族街が約3平方キロメートル。

 さらに王城の敷地はその中の1平方キロメートル位だったと思う。

 御者台が見える窓から外を見てみると、正面に白く巨大な城が見えた。


「普段は貴族街の壁で見えないけど、ここからならよく見えるわよね」

「いつ見ても立派なお城ですな」


 一番高いところで30m位あるだろうか。門から真っすぐ伸びた道の先に立つその城はとても『映え』だ。

 周りに誰もいなかったら写真の一枚でも撮りたかった。


「城に名前はあるのか?」

「ガイア城よ。とはいえあまりそう呼ぶ人はいないのだけど」

「皆、王城と呼びますな」


 哀れガイア城。御大層な名前も呼ばれなければ意味がない。

 せめて俺だけは名前で呼んでやるか。

 馬車はあまりスピードを出さずに10分程かけてガイア城の敷地の正面まで来た。

 ここもやはり壁に囲まれていて、貴族街の入口から続くこの道の突き当りに巨大な門が設置されている。

 立哨している兵士の元まで馬車は進み、御者は兵士に羊皮紙のようなものを渡した。通行許可証だろうか?


「昨日のうちに許可はもらえているからすぐに入れるわ」

「開門!」


 ソフィアさんがそう言うやいなや、外から大きな声が響いてきた。

 窓から見ていると、木造の5m位の高さの門がゆっくりと開いていった。

 威厳を示すかのようにたっぷりと時間をかけて門は全開となった。

 兵士からのGOサインが出て、馬車は敷地内へと進む。


「さすがに敷地内は見事なものだな」


 入ってすぐの衛兵の詰め所を過ぎると、道の両脇に美しい庭園が現れた。

 噴水や確かガゼボと言ったか、西洋の四阿などが見える。

 王族なんかがあそこでお茶を楽しんだりするのだろうか?

 ラノベなんかじゃ王族と仲良くなった主人公が、あーいった場所で一緒にお茶をしたり地球レシピのお菓子を振る舞って株を上げたりするよな。

 大変よろしいと思います。

 ただ俺は小市民なので、出来れば王族とのお付き合いはナシの方向でひとつ。


「・・確かにゴロゴロしたいいい芝生ね」

「自然のままじゃないけど、手入れの行き届いてるいいお庭だよ」


 ちみっ子達のお眼鏡にも適ったようだ。さすがは王城の敷地なだけはある。

 馬車はそのまま真っ直ぐに進み、ほどなくガイア城のエントランスに横付けされた。

 兵士によってドアが開かれたので、みんな順番に下車していく。

 そしてそばで見上げればまた立派なお城だ。

 高さに関していえば十階建てのマンションくらいだが、城だと迫力が違う。

 昔、某ネズミーランドの真ん中にある城に行ったことはあるが、流石に比較にならない。

 実用性と威厳を持った生きている建物と言った感じだ。


「お待ちしておりました。王より案内役を仰せつかったドラウザーと申す。会談まではまだ時間があるので控室へと案内させていただきます」


 城の入口からガタイの良いカイゼル髭のおっさんが出てきたかと思うと、案内を申し出てきた。


「あら、ドラウザー軍務卿が案内役だなんて驚きですね」

「久しいなソフィア君。精霊様が王城にお越しになられるという今回の件は、非常に重要案件なのだよ」


 このヒゲ・・いやおっさんは軍務卿らしい。要は軍のトップだよな? そんな人を案内役にするとか・・


「ゆーちゃん、このひとおひげがすごいの!」

「クルッてしてるよ!」

「・・重力に逆らうヒゲ・・」


 ちみっ子達やめなさい。

 笑っちゃうじゃないか。

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