第百五十二話 魔導具の使い道
「価格と耐久性はどのくらいなんです?」
「一つ金貨一枚だ。耐久性は約千回だ」
一つ約十万円。一回あたり百円か。
こちらの世界でならそれをケチって自分で洗濯して体を拭くのもわかる。
だが地球のダンジョンでは一万円払ってでも使いたい人もいるだろう。
長期で潜るのなら尚の事だ。
コレを向こうで売る気はないが、前線攻略組なら一千万円くらいなら出すのではないだろうか?
「今あるのはここにある三つだけですか?」
「ああ。たまに売れるくらいのものだから今はこの三つだけだ」
「じゃあ全部ください」
俺は即決で買い占めに走った。
まあ金銭面の問題で最大四つしか買えなかったが・・
それに他に買う必要があるものも出てくるかもしれないので、これ以上は使うわけにはいかない。
いずれまた狩りをして金を作ってからここに来ることにしよう。
アイテムボックスから金貨を三枚取り出してリドリーさんに渡した。
「せんじょうまほうならみーちゃんがいるのに!」
なんだかデジャブな感じでみーちゃんが怒っているが、もちろん俺が使うためではない。
「これはお土産用だよ。一個は俺が持っておくが、洗浄魔法を使う時はみーちゃんに使ってもらうさ」
「わかったの。ゆーちゃんのからだはみーちゃんがきれいにするの」
何だろう、その表現はやめてほしい。
残り二つは誰に渡すかな?
レンたちはアイテム袋に着替えなんかを入れられるし必要は・・あるか。
レンがいらないと言っても、女性陣がレンをボコボコにしてでも欲しがると思う。またあいつの鼻の穴に塩辛が詰め込まれてしまう・・まあそれは別にいいか。イケメン死すべし。
それにレン達なら独占せずに、他の冒険者達にも使わせてあげるだろうから渡してもいいだろう。
使用回数を考えると二つとも渡してもいいかな。
もし二十人で使った場合五十日で終わる。割とあっという間だ。
もちろん毎日使うなんて馬鹿なことはしないだろう。
だが、使用回数を教えるわけには行かない。誰に聞いたんだとなるからな。あくまでダンジョンの宝箱から出た事にしないと。
そうなると数日に一回使うくらいになるだろうから、しばらくは持つはずだ。
頭の良いレンのことだからちゃんと使用回数も数えるだろうしな。
「じゃあこの三つな。毎度あり」
「また来てくださいね。次は精霊様にも役立ちそうな魔導具を作ってみますので」
リドリーさんから魔導具を受け取って、アイテムボックスにしまった。
するとお茶を飲んでいたラミィさんがそんな事を言ってくれた。
「この子達に役立つものか。何だろうな?」
「そうですね。力を持っている事以外は普通の女の子と考えて、子供向けの魔導具になりますかね」
子供向けか・・
おもちゃとかはいらないだろうし、武器になりそうなものは危ないし・・
アレンの作った魔法少女の衣装に合う小道具とかかな?
豆大福が作れる魔導具とか? いやいや、うさぎやの豆大福だからいいのだ。魔導具で出してはありがたみがない。
「みんなは何かほしい魔導具はあるか?」
直接聞いたほうがいいアイデアが出るかと思い、ちみっ子達に聞いてみることにした。
『ゆーちゃんとの結婚指輪!』
「あ、何か適当に考えて作っといてください」
三人揃って頭の悪いことを言い出したので、ここで切り上げることにした。
魔導具に関してはラミィさんにまかせておこう。
俺はちみっ子達を抱きかかえてそそくさと店から立ち去った。
店を出てしばらく歩いてからちみっ子達を降ろす。
いい買い物が出来たのでそろそろ宿に戻ろうかと思う。
「ゆーちゃん! ゆびわがほしいの!」
「おだまりちみっ子。二十年早いわ」
「・・私達一応ゆーちゃんより年上だけど」
「きっと無意識に知らないことにしてるんだよ」
何か不穏当なことが聞こえた気がしたが気のせいだろう。この子達は俺の娘だ。
「この子達は俺の娘だ。嫁にもやらんし、きっとこのまま大きくならずにちみっ子のままなんだ・・」
「なんかおかしな事をつぶやき出したよ!?」
「・・大きくならないのは事実だし、契約してる以上ゆーちゃんから離れることもないから間違ってはないわね」
「ゆーちゃん、そろそろもどってくるの!」
ん? ああ、どうもトリップしていたようだ。
みーちゃんに足をぺちぺちされて我に返れた。さて宿に帰りましょう。
宿の飯はなんだろうな。この世界の食事に期待できることが分かったから楽しみだ。
帰り道もみんなでのんびりと歩いて宿まで帰りました。




